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くちにだせない
気持ちは
胸に抱いたまま
Moonlight Express
埋めてしまおう、
柔らかな後悔の穴へ
人が静寂の月に行きたがるのは、そのため
そこまでいけば、小さな ....
わたしは蓋をしめていた
あきっぱなしのものを見てしまうと
得体の知れない
なにかが
侵略をしに来るのではないか
感情は青ざめ
そして おののくのです
気付けば穴をみつめて ....
{引用=
木洩れ日おちる
春の小道
端はにゆれる
野の草の
やわらかな
つややかな
風撫でる 葉先
(絡めた小指)
}
陽射しが 美しい絵画の色彩を奪っていくと言う
....
寝すぎちまった朝に
晴れわたってる空に
妙な幸福を感じながら
一杯のコーヒーが
いつになく苦い
僕にとって見慣れた風景が
貴方にとっては新鮮なものだと
当たり前のことを
思いやった ....
どぶみたいな雲のせいで
この世界には青空がない
手相占いによると
あれは雲なんかじゃなく
俺の因果が産んだ
ハイブリッドな霊だそうな
裏切った友人の
騙した女の
流した水子の
虐 ....
寒いなか、校門の前で
あなたに会った
ううん、また会ってしまったの
もう会いたくないのに、ああ、どうしてかな
あなたをみると、どうしても心がはずむのよ
何度もあう ....
ちゃぷちゃぷ
ちゃぷん
ちゃぷちゃぷ
ちゃぷん
水の調べは心地いい
水面の{ルビ泡=あぶく}をよく見てご覧
生まれて直ぐの{ルビ泡=あぶく}たちは
列になった ....
真っ昼間
駿河台から坂下りて
神田で飲んだその後で
鯛焼き片手にぶら歩き
仕事も無い
家族もない
まして、恋人もなければ
金も無い
おまけに今日も
予定が無い
だから酒 ....
100218
オキシダント濃度の悲哀を
感じないのがキリン
鳳凰の次に現れたキムジが
朝の顔を繕う傍らには
2匹の紛いウミガ ....
十年? いいや
もう少しだけさかのぼって
私があたしだった頃に埋めたもの
放課後の校庭の隅
老いぼれ花壇のど真ん中
誰にも相手をされなければ
景色の一環とも見られない
....
「くろきたバカだからキライ」
「くろきたに友達いんの?」
「いるわけないじゃんかー」
「くろきた受験するの?」
「いくつ受けるの?5校?」
「ちょっと合格鉛筆かしてよ ....
私は立ち止まらない
この道を行くと決めた
匂いの蒸せる深森の内を
怪しげなけものみちであっても
感じるままに行方を選ぶ
暗がりを畏れて
夜は月を探す
闇の海原は私を奪ってゆく
私は ....
{引用=
ハルが鳴く
寂寞とした夜が明け
やわらかな陽射しが
小さな籠をみたす頃
デジタルのアラーム音に
携帯のモーニングコールに
沿って響く
心地よい声が
目覚めを誘う
....
君は何を悲しむのか?
母の死
恋人との別れ
試験不合格
落第
解雇
君は何に期待をするのか?
滅入ったところで何になる。
それも来ては去る気分のひとつ
全ては来てはまた去 ....
ひかりの反射を免れて曇り空の跡
つめたい水を浴びて閉じてゆく肌と
つめたい川に隔てられた母子
幾度も破かれては繰り返す眠りのうちに
再生されてゆく喉
結末の骨より吹きすさぶ逃げる月の速度 ....
ただ、呼吸だけをしていれば
それが唯一の救いになっていたのだろうか
砂漠に捨てられた緋色を
ドライフラワーと呼ぶことはつまらないおふざけ
ひび割れた部分を優しく撫でてみて
前頭葉で水の滴 ....
悲しくても
涙は流さない
ショートしてしまうのです
すべてのプログラムがイン・プットされているなら
それでよいはず
機能を十分に果たせるように
あたしがいる、冷たい手をしたその指先に ....
黒ずんだ木の床にそっと頬をよせる
インクと機械油の匂いが染みついた床は
使いこまれた年月を
なめらかな感触でつたえてくる
古い印刷工場をリノベーションしたと
誰かが言ってたっけ
そ ....
てすとテストてすとテストてすとテストてすとテスト
永遠に並ぶ文字
学生に課せられた退屈な文字
国語数学英語理科社会
真面目ニ勉強シテ良イ点数ヲトリマセウ
教室に響く先 ....
あいつのせいで
食事が楽しくない
箸の持ち方が変だと笑われ
ペチャペチャ音すると笑われ
ほっぺの米粒を見つけると
「麻痺してんの、お宅の顔。」
みんなの前で馬鹿にさ ....
息が凍りつく
順番が回ってくる
もうすぐ
目の前で走る
彼女の姿を見やるが
自分の番がきたら
もう一度
深呼吸をする
私はただ楽しくて
誰よりも速く
過ぎ去っていく光景を
知 ....
彼が
どんなに
鈍感でも
業を
煮やして
諦めてはいけません
彼が
どんなに ....
庭の中では
わたしは園丁です
剪定ばさみ片手に
いろいろ切り詰めてまわります
あおあおとした小枝
みずみずしい若葉
手を入れるべき季節というものはありますが
どれも好きなだけ伸びても ....
{引用=
おまえの気まぐれさは 朝霧のようなもの
昼がくれば晴れて 夜がくれば澄み渡る
古代ローマの少年王ほど 傲慢ではないが
猫なんて 可愛いらしい無邪気さでもない
濡れた衣服を ....
内から歩いた昌平橋は
橋の欄干鉄骨造
頑固に昭和を語っているが
通る者皆急ぎ足
君に会いたい訳でなく
季節外れの花粉症
マスクの中から見る川面
鯉が悠々縄張り確認
外から歩いた ....
その手を離さないで
今の僕は放たれて
たちまち空に
吸い込まれてゆく風船で
空の奥のそのまた奥
何もない空間を漂って
あなたの知らない街に
あなたの知らない姿で
降りて ....
思考の中の四次元空間
風と雨の中に
滲んだ映像の竜が
思考の中心から紡ぎ出される。
雲間に光る胴体は
蛇のようにくねり青色で
雨に塗れた鱗は
鈍い光を一枚一枚が放ち
珠玉を掴む前足 ....
「花火」
行列を作って
並んだあの時
僕と君は
話をしながら
とろとろと進む列の
後をついていった。
僕は君に相槌を打ちながら
とろとろと進む速度に
正直イライラしていて
....
水は雨になって大地を潤し
渓流は楽器になって
疲れたこころを癒します
渇いたら喉を潤しましょう
水は命の火を絶やしません
水を大切にしましょう
隙間があ ....
{引用=
海をぬけると…
ここは、違う国
この世界に一つだけ、二人だけの
バレンタイン・デー
今年はどうしますか、
きみの気持ちは かわっていませんか、
それならば、飛び切りの
....
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