このきもこうよう
するんだね
そういわれるひまで
どれだけの
つきひをついやしたのか
たくさんの
ごかいがあった
このきは
きではないのかと
いわれた
ひも ....
1
静かな糸で縛られたふたつの命。命が影のように伸びていくといつか人間にぶつかる。初めまして、僕らこんなに遠かったんだね。お互い嫌いなほうの手で握手しよう。服さえあれば知らない街でもさかのぼって ....
廃園なんてない
庭はいつもそこにある
木の国
虫の国
蟻の国
幾つにも幾重にもひとつに
空のもと
風の中
ひとがいなくても
いなくなっても
おかえりという言葉が
時々 ....
詩情は朽ち木のように
川を裁断し
それを橋と呼んで
水を渡る
わたしたちの足は
いつまでも渇いたまま
濡れた手のひらのうえ
小さな風車が幾つも咲いて
わたしたちの語彙は
かな ....
降りそそぐのを
右から整列させる
ぼくはもう
だんだん
目が暗くなっている
あかるいテレビから
もれる笑いごえが
喧騒が
壁をつくる
あしもとをぬらす
ぼくは
もう
だんだ ....
かみが かわくまでは
はにかみで あいせそう
つきのうらがわの めつぼうのあらすじも
かわいた だいちの のろいのことばすら
そよぐ水草、駿馬のたてがみ かみが かわくまでは
....
昼下がりの人気の少ない公園のテーブルで
ノートを広げ
考え込んでいる様子
まさか遺書でないでしょうね
まだまだ若そうな女性の人差し指が
あごを支えて止まっている
見知らぬ人だか ....
ウルトラマリン。ここは深い海だ。部屋に積まれた延滞のDVD。小さな囲いをつくってきみと1000年間ねむってる。名前も忘れられた古生代のさかなみたいに。だれもたずねてこなかった。枯れた窓 ....
出産後の妻とゆっくり過ごす為
休みをもらった日の午後
テレビをつけたら
決選投票で選ばれた
次期の首相が熱く語っていた
「政治というのは、坂道を皆で押す雪ダルマ。
あいつ ....
私は思った
詩を書くのは何故だろう
失われた言葉ばかりだった
この 早すぎる時の流れの中で
それはリアルなものだろうか
それとも虚構であるものとは何だろう
あまりにも 自分自身 ....
縄跳び遊びをしていると
友だちの山村さんがやってきて
それ、ヘビだよ、と
声をあげて笑う
よく見るとわたしの握っているのは
ヘビの頭と尻尾
地面に何度も打ちつけられたヘビは
....
あさおきて、かおをあらって、ごはんをたべて、それからがっこうへいきました……
そこでもう、ただ鉛筆を舐めている。その先へは進めない。
楽しかったことや、辛かったことも書いたらいい、と先生。
やす ....
それはあなたですか
{引用= いいえ、それは麦藁帽です
それはかぶることができます
それは夏の人々に好まれています
いいえ、それはすみれです
....
月曜日
の
昼休み
コンビニで
メンチカツ
入りの
パンを買い
公園で
前向きに
食らう
いつもと
同じ光景
昨日と
違う蝉
財布の小銭は
明日あたり
....
このよに
おばけがいるとしたら
それはにんげんだ
だから
ほうっておきなさい
ひとたび
たすけたならば
そのひとは
あそびほうけていた
だから
ほうっておきなさ ....
何も無いところに
雨が降り始めている
父はもう誰とも
目を合わさなくなった
僕は今日、やっと
台所の隅でテレビになれた
独り言のように
延々と番組を流し続けた
す ....
図鑑で見たことのない名前が
見覚えのない恐竜についている
たかだが十数年で何が起きたのか
サウルスは何ら変わっていないはずだが
人類は何を発見したのだろう
化石になりたい
化石のように ....
遠雷や影が連なる草の息
いつも躓く丘の上の
崖の縁に私を積み上げていく
こんな季節でも不思議と崩れないもので
いつしか、
見上げるほどの、わたしになっている
いつからこんなことを、と
通りすがる誰かに聞い ....
私たちは
おりがみのくに
二次元を
小さくたたんで
つるになって
おなかの隙間から
ふう、って
息を吹き込めば
祈りを宿した
強い記号だ
メレンゲを
淡く
....
『ハロー、ハル』/川村 透さん
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=113655
「詩は災禍を前に無力である」と感じてしまうような4月のある
....
いつものように夜を歩いている
星の瞬きをながめながら高台からくだってゆく
車や帰り道のひとと二三すれちがう
街のあかりは傾いている
最初の信号に出くわすと
すっかり道を歩 ....
小さなものたちが
それぞれに
自らの場所で躓いている
その中に僕も君もいて
むすうの僕と君が
それぞれに
自らの小さく見える
けれどもほんとうはもっと大きい場所で
同じように躓いている ....
若かったころひとりで
たいていひとりで
ひとりはひまなので
余計なことばかり気になって
寝転んで涙
耳に入ったまま起き上がって
肌がきれいな
童顔男子にひとめぼれ
それから
....
花はどこへ行った
なんて問い続けるよりも大切なものが私たちにはあった
それが今の生活であることは否定できないし
ひとの望むものなんて目に見えるものに他ならないのだから
ありふれた結婚生 ....
あるきっかけがあり、「詩集を自費出版しよう」と思い立ちました。
今後どなたかが詩集を作る際に、何か参考になったらいいなと思います。
詩集を作る時にはまず何をするかと言いますと、
・詩集の ....
ある日、詩集を作ろうと思い立ちました。動機は単純で、同人の方がほとんど詩集を出していてうらやましいのと、書き始めて6年くらいたったので、区切りとして出してみたい。ということなどです。
以下、日記風に ....
初出:2000年「詩人専用シナプス」
ヒマな時によく、詩のサイト巡りをする。ちょっと前まではwebringの営業のために、投稿コーナーのあるサイトを見て回ってた。Googleという検索サイ ....
長い間、咲かなかった
植木鉢のクンシランが数年ぶりに
草の両腕をひろげ
橙色の花々を、開き始めた。
レースのカーテン越しに注がれる
日のひかりの内に、今はもういない
在りし日 ....
ブルーレットおくだけが落とす
ブルーレットみたいな色の汚れが
必死にこびりついている
待っている次の人が
お母さんも含まれている列
お父さんも含まれている列
お母さんにたく ....
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