すべてのおすすめ
いつも躓く丘の上の
崖の縁に私を積み上げていく
こんな季節でも不思議と崩れないもので
いつしか、
見上げるほどの、わたしになっている
いつからこんなことを、と
通りすがる誰かに聞い ....
手の届く範囲で
窓を開ける
遠くなった人のことを思いながら
一日を傾ける
窓枠には白い花と
手紙を添えた
白猫が通りすがりに連れて行ってくれる
そんな風景を完成させるため
....
いつか語っていた景色だったら
巣食っているのは本当なんだろう
少しだけ多くの時間をかけて
誰よりも歩いた気分になれる
腕時計、を外して
その跡を順番になぞる
縛られた指先が千切れると
....
ゆっくりと
息を止めるように一日を仕舞う
箱の中のガラクタはいつも
明日になれば綺麗になっているから
ゆっくり、と
息を
ここ、に戻す
主のいなくなった
家の、傾き
通り沿い ....
紡ぎ方を忘れた鳥は、手のひらに何を刻めばいいのか
温度差、呼吸の深い、遠い
渡ることの出来なくなってしまった彼らを
僕らは繋ぐことで
(手のひらだったのか、どうか)
....
昨夜の暗闇がまだ腕に残っていて
深く吸い込むと、まだ匂いがする
目の奥まで染み込んでくる、とうめいな朝は
ついに溶け残ったあなたと私が、水溜りする隣で
新しい一枚を捲ろうと、もがき続けている
....
時間は、斜めから溶け合う頃になって
辺りはいつの間にか曲がり角になって
それは
人生、
とは呼べないような私たちだったり
生きている道のことだったり
例えなければ綺麗だったのに
....