死者のことだけを語りたい
死んでしまったあの人のことを語りたい
あの人の残したものだけを語りたい
あの人の心残りを語りたい

生き延びた俺や俺の家族の
健やかな生活のことなど語りたくもない ....
あの人は食物連鎖を説いている私は夜明けの海辺を想う

ドップラー効果のように両耳に足跡残して去ってゆく人

もう二度と悲しまないという事はもう二度と誰も愛さない事

まぶたまでお湯につかっ ....
少し前から
光合成をしなくなった

薄らいでいく光を
見過ごして
遠ざかっていく水を
遣り過ごして
余った二酸化炭素を
夢にすり替えることもできずに
ただ乾いていく

カサコ ....
久しぶりにジブリ映画を映画館で観た。この夏封切りの
「コクリコ坂から」。急遽予定が変更になり、時間に余裕
が出来たからだ。当初は他の洋画を観るつもりだったが、
ちょうど良い時間帯のものがなく、期 ....
外灯を見つめる

それが照らした淡いアスファルトの

気配を今にかさねている

自転車の影が消える

町がだまって現れ続けている

ひとのこころを見つめている


たぶんそう ....
まだ淡い色の枯れ葉が積もる遊歩道を抜けて
偽善的な11月の太陽の陽射しを浴びに行くんだ
口元から漏れるのは20年前に覚えたメロディーと
歩きなれない道が植え付けた荒い息 ....
少しだけ 
こぼれて 
ななめ 
下を向いた 
固い 
紙飛行機が 
風景を 
くだきながらとんでくジオラマの東京のうえに 
東スポの見出し 
どうにも 
ならない 
文字たちが ....
  闇が歌う
  しんしん歌う
  冷蔵庫のリズム
  うさぎおいし
  かのやま
なだらかなおかがつづいているこの辺りは

雲雀のさえずりが静かに雲にとどいている


きのう釣ったさかなをみずに帰してやるといっしゅんキラリとひかりを含んで消えた


春になるとれんげ ....
いま「時」は体を{ルビ傾=かし}げて、私にふれる 
あの不思議な金属音に 
私の感覚はふるえる、そして感じる 
私にはできると―― 

(それは遠いスクリーンに 
 映し出されている、まこ ....
食卓のきんぴらごぼうを幻視していた

なみだがこぼれるのは

いったい何故なんだろう

暖かいひかりが胸に貼りつくのは

それが針のように煌めいているのは


帰るところなんかなかった

ひとりでいる ....
水の音に、
さらわれてしまった、
まるで、体は、
どこにもないかのように、
流されて、
くだけた、

服にまとわりついた
みずの、おとだけが、
私をぬらして、
ずっとずぶ濡れだった ....
気持ちを放る

それを避けられる

遮断される

それで気づけよということなのだろう

でも

放った気持ちは

どこへゆけばいいのだろう

放った相手の

コレクショ ....
電線のすき間に光る欠け月
本当の私は いつも煙草を手に思いを口にしてた
風のあたたかさや
寒さ
楽しさ切なさを
今朝の風はあの日に似ていたよ 悲しみの模倣のように
冷たく
日差しゆるく
 ....
友達は死んだ
その 言葉を 無くした
私はいつも見ていた
遥か遠くの何かを


子供の頃 聴いた
静かな 音楽が
私の胸に流れていた
人はどこに行くのだろう

*

だけ ....
 
 
犬小屋を作る
犬がいないので
代わりに自分が中に入る
隣の家から拙いピアノが聞こえる
丸くなりうずくまっていると
昔からずっとこうしていた気がしてくる
前を通る人が
中を覗き ....
あおぞらにふれることのなかった雲に
おやすみと声をかける
届いているように見えたのは
錯覚だから
あなたは泣かなくてもいいんだよ


秋は
なにかがたりない
地上の彼処に ....
もとめあうことのできない淋しさはなんてきれいな夕立だろう



ねえ、死にませんかとふいに問いかける硝子のようにうつくしい人



すきまから洩れだした風 ああきみの前世はぼく ....
夜空のまえに宇宙です

茫漠がしんしんと降り積みます

オリオンか

雨か

分からぬほどに酔っています

あなたは黄いろが好きなのです


おばあさんのベッド

窓ガラ ....
曖昧な空間に出来た亀裂の中に身体を溶かして連続する呼吸はまるで推敲の足りない台本の様に不規則だ、何を言っているのかまるで聞き取れないスピーカーの音量に辟易しながら広告をやり過ごす様な時間ば .... 3時間過ごしてしまった

音楽を聴いたりぼっーとしたり

おうちに帰ると屋根のうえに

オリオン、おまえならなんて言うだろう


悪ぶってみたけれど

おまえを放っておくオスなん ....
予め
蕾は刈り取られていた

頭上を
越えていった
鳥の名前を知らない、
車輪のあとに立ち尽くす
わたしの肩を抱いて
そっと
目を伏せたあなたの

手と、
手を
重ねると
 ....
クジラに呑まれて死にたかった。暗い胎内の小高い場所で三角座り。マッチを擦ったらすこし歌って。誰も助けにこないことがちゃんと分かったら。アイスティーの海にくるぶしから溶かされて。人魚として生まれかわ .... 仮題 群島収容所

このしまでうまれるはずだった
ものがたりがふねにのって
とびたつこともなく
おいだされていくひに
わたしの母はまたあたらしいこどもをうんだ
このしまでうたわれたうたの ....
大きな雪原に小さな染みのような点
黒い点は次第に拡大し一匹の黒い犬に
大きな黒い犬は狼にメタフォルモーゼする。
孤独な雪原の染みはじっと前方を凝視した後
素早く雪原を横切り
エルクの群れを追 ....
  あなたの
  マグカップの
  つるりとした空洞の
  最深部で
  パロールも
  道徳も
  大恋愛も
  なにもかも終わっていた
  冬になると
  唇が乾くだろう ....
死にたいな、
群青
産まれてから今まで
食べたバナナの数を計算すると
予想より多くて
思っていたより少ないから
どんな気持ちになってよいのか戸惑う
親父はすっかりまだらボケ
時々俺を誰 ....
私は受胎したままの病
この、病を温めてやれるだけの優しさが私にはない
私にあるのは、病を怖がらせる言葉ばかり
私が病となってこの都市を覆う光景が
もう間近まで迫っている
私は一つの病の比喩と ....
影の中の優しい私の中に住む野に咲く花の香りをかぐために一匹のハチドリがその体を停止させて私はそれを見るために何度も私の中に潜り込まないといけない。ここは、私の庭園。正午には陽が指し、夜には月が輝く温室 .... 腰から
あなたの右足が
つきだしているから
歩くときには
きまってふらふらとする
電車では
みなが嫌な顔をする
あなたの右足以外の部分は
どこにいってしまったか
知らない
キスをす ....
伊月りささんのおすすめリスト(244)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
エロいことだけ考えているほうがまだマシだ- 花形新次自由詩5*11-11-16
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静かな町- 吉岡ペペ ...自由詩611-11-14
もしかしたらそれはさっきの鳥かもしれない- ホロウ・ ...自由詩4*11-11-13
断片をあげます- モリマサ ...自由詩611-11-13
夜の歌- 草野春心自由詩4*11-11-13
丘を下る夕べには- 梅昆布茶自由詩4*11-11-12
天のポスト_- 服部 剛自由詩611-11-11
暖かいひかり- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...411-11-10
水音- ballad自由詩711-11-9
宇宙のものまね- 吉岡ペペ ...自由詩1111-11-9
欠け月- 凛々椿自由詩1811-11-9
一人で行くには遠すぎた- 番田 自由詩111-11-7
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秋は雲のようにやさしい- とろり自由詩1111-11-6
I_love_you,__Good_night.- とろり短歌711-11-6
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世界にはどうしてこんなにたくさんの音が溢れているのだろう- ホロウ・ ...自由詩4*11-11-5
オリオン- 吉岡ペペ ...自由詩811-11-5
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未完成品の断片羅列01- ballad自由詩1*11-11-1
肉食- ……とあ ...自由詩12*11-10-31
マグカップ- 草野春心自由詩7*11-10-30
群青- たもつ自由詩611-10-29
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斜陽- イシダユ ...自由詩1011-10-19

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