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このきもこうよう
するんだね
そういわれるひまで
どれだけの
つきひをついやしたのか
たくさんの
ごかいがあった
このきは
きではないのかと
いわれた
ひも ....
このよに
おばけがいるとしたら
それはにんげんだ
だから
ほうっておきなさい
ひとたび
たすけたならば
そのひとは
あそびほうけていた
だから
ほうっておきなさ ....
命がひとつあった
命なんていらないと
思ったときもあった
命がふたつあった
どちらかの命が
残ればいいと
思った恋もあった
命がみっつになった
みっつすべて
残ら ....
ひさしぶりに
裏庭を見ていた
貝殻や
魚の死骸が
たくさん漂着していた
いつのまに
海が来ていたのだろう
命はまだ
こんなにも
満ちているのに
干潮の砂浜を ....
観覧車の回る速度と
自転する地球の速度が等しい
わたしは丸い窓から
母を見ている
南中する
太陽と同じくらいの
かつての父の高さから
父はひとつ先の
観覧車に乗ってる
....
木枯らしに吹かれて
落葉たちが駆けていきます
その先で
誰かが待ってるかのように
子供たちが
追いかけていきます
それは
生きるための
練習のようにも見え
あるいはいつか死 ....
僕と妻にとてもよく似ていて
そのどちらにも
似てはいない
それが彼なのだ
君はいったい
誰なの
と息子の目を見てそう問うと
不思議な顔をしてる
ふと思い出す
僕と妻は
....
指先から入る
表面張力の
弾力にはじかれて
はじかれるうちに音もなく
入ってゆく
指の骨の
白い洞窟のすきまから
声が降る
あの声もその声も
白く堆積する
カルシウム ....
そういえば
結婚式しなかったね
ときどき妻が言う
僕は聴こえないふりをする
本当に
妻がそう言ったのか
確証のないまま過ぎてしまう
日々の幻聴のように
出会ってから
十 ....
サービスエースを決めようとしたら
今日からあたし入院します
と言って
ネットのむこうのあたしが
眠ってしまった
ときどき点滴したりして
管がネットにひっかかると
....
条件は無限にある
とすれば限られた
ひとつだけのような気がして
説明はできない
瞬きと瞬きの間に
なつかしい確信があって
ただそれだけのような気がして
つぼみのまま茎を折る ....
それからどうしても
行きたいところがあると言うので
つれていった
寝ているときは
額に汗をかく人だった
まぶたの裏の世界でも
雨が降っていた
誰かの涙なのだろう
誰かがと ....
羽を跳ねる
パネルを器用にとじて
鳥は止む
空は青く
そのかなたに生えた
おなじ色だけのソーラーを
背中で掴もうとする
てのひらを合わせる
人と人にも似た
ぬくもりから ....
パセリは知らない
そのおそろしさのあまり
セージは見た
あまり気にしない様子で
ローズマリーは赤ちゃん
双葉のように腕をふるわせて
タイム
過ぎ去る意味はなく
訪れる ....
駅のホームで
乗り換えの汽車を待つ
少し味の濃い
月見そばを食べながら
かけそばにしようと思って
左ポケットを探したら
小銭が思ったより入ってたので
長い線路を
そばのよ ....