ふたりがまだ二ひきのりゅうだったとき
世界は平らで 雨がふっていた
眠るように飛びながら
からだはちょうど からだの重さだった

いまになって思いだすと
まぶたでは雨降りなのに
 ....
一日ぶんのねじを巻いてきたはずが
まだあかるいうちに切れてしまった
時間をみせて
とかりた
あなたの時計もなんだかへんだ

かつて
わたしがいて
あなたがいた
それが全てだった時 ....
四分休符の先で缶コーヒーを飲み油のにおいに混ぜた溜息


小説が誘った眠り枝分かれした夢のこと栞に話す


盗まれた時間ふたりの行き先をラベルで示す葡萄酒に酔う


恋という ....
(ひとこともしゃべっていない)この歌集にわたしの歌ははいっていない

デミグラスソース一滴一滴と逆さに振った瓶の底から

腹ぺこだ。でも間違えたしゃっくりが空いた空いたと鳴り止まなくて

 ....
コウノトリ卵か赤子かキャベツの畑シチューのニンジン余所の星から


カタカナのルビはいやだよひらがなでぼくたち鴉を読めない子には


かあさんはカケスだったといま知った道行くヒトがそう云っ ....
一章 血

黒人の肌からは
真夏の匂いがする

この血はどこから来たのか
それを辿ることができるのは
魂の道筋があるから
来るべき主語の行方があるから

主語のない国へ僕は行こう
 ....
・祝祭

白い犬がいる。犬は座ったままじっとぼくを見ている。静かな観察だ。
()

ぼくはそれを打ち間違える。そっと立ち上がって、と書かれる。静かな観察は静かな祝祭に変わる。
(白い犬がい ....
しまった
こまったなあ
おれゆうれいなんだけど
このからだ
どうしようかなあ
正直重くてじゃまなんだよな

なんだろ
成仏とかじゃないんだよな
タダだからってもらってきたけど
いら ....
鉛筆の手紙 未練は消しゴムで消したい雑なセックスばかり


自転車で登り坂ゆく鳴り止まぬ音楽はまだあのソロの前


外れくじ捨てなかったねいつだって話の長い君ありがとう


 ....
いまでもわたしはあの9月の川べりに座って、可愛いあのこと好きなものを言い合ってる。いいかんじに色あせたTシャツのプリント、外国のバンドのロゴが書いてある、ぼうぼうに伸びた雑草、東北のさばさばした風。で .... 喫煙所の地べたに
こんな吸殻が落ちてんのは
なんでか
新宿の小田急前へ来るといつも思う

金だったらなあ

時は金なりというから
金っちゃ金か あー

都会ではできるだけ
 ....
いいにおい
夜のおわりのみどりのにおい
なま白い手足で泳いでいく女のこたち
文字の群れとあかるいカステラ
いいにおい
頭の右うしろのほうの記憶
こうばしいおとこの子たち
めくばせとジ ....
その下に何があるのか知るのが怖いので、ずっとそのままにしている波うつ灰色のカーペットには前の住人の、そのまた前の住人の足跡なんかが見えないけれど無数に残っていて、運び込んだばかりの段ボールの真ん中で、 .... ふわり舞ういぐさのカーペットに、くっきり白くひかるやまぼうしの花、ひかげでお腹を出して寝そべる犬や、ミニクーパーの下でおひるねちゅうの猫、水鉄砲で遊ぶがきんちょたちに、ちゃりんこの蛇行運転じい .... 糖衣、それは深刻な結露のようにわたしをつつむ薄い劣情

正解のない会話をするゆびさきで祈りのようにラブと打ち込む

忘れやすいこころですので安心してばかにしたり傷つけたりしていいです

 ....
更地より頭の中に一本のバラあればこそ孤独になれる

エサ発見!骨泳がしが押し寄せて神輿を担ぎ独房へまで

ほんとうにこわいひとはいつまでも笑顔鎧外せば火の粉吹く

何でもあるよ、夢、癒し、 ....
遠方の友の笑い声にあわせ 前借りした元気 何日分?


その説教お返しします 若者になにか求めず ワン・ツー・パンチ


一見さん 呼吸のリズム合わせたらいけずが返るへんてこなジャ ....
 2月末、祖母の納骨式。仙台市青葉区中山に向かうバスが電子音声でぎこちなく次の停留所をアナウンスする。続けて紹介されるクリニックか何かの広告は人の声の録音だった。割安で電子音声の広告枠を用意したら需要 ....
































え ....
            160401

三分間あればご説明できるのですがと
元演歌歌手はしつこく粘りたいような気がして
審査員の心証を悪くしコンテストに落ちてからは
お定まりの人生を送り
 ....
タラップが外れて
四基のエンジンの
高音と共に
涙する風切り羽
揚力のうまれるままに
生活の足場を
芥子粒ほどにちいさく
後ろへと
吹き飛ばしてゆく
 ....
ピンク色の馬の背中に乗って
教科書ばらまいて
パステルの水玉模様の中
宇宙いっぱいの時刻表
穴があいてどこもかしこも
涙がこぼれて
流れ星こんぺいとうチョキの指で切り取る一秒
黒い暗いタ ....
それが大きいのかちいさいのかわたしには分からない
数だということだけ わかる
くらやみを射抜くような空ろないたみがビルを覆っているので
ひとびとはたえまなく降ってくる
切りそろえられた三角 ....
これは植物由来成分配合弱酸性無香料で敏感
肌にも赤ちゃんの肌にも使える人にやさしい
化粧品ですとうたわれたりおどらされたりし
ているあいだにシアバター・ワセリン配合に
シアワセを見つけたりする ....
おなじ夢をみる。
地下、暖かいイメージ、職員室の裏側にある保健室、せまいなかにぎっしりつめられたベッド、シーツ、まくらとまくらカバー、小人みたいな先生。彼女は走っていく、校庭や道や草はらなんかを ....
晴れた日のガラス質が緊密で、冴え冴えと町にいる。無地のシャツ、明るいグリーンのパンツ。ぼくもきみも、ちっぽけな鉄の棒みたいな、腕力や暴力と無縁な体格をしている。ストーリー。少年プラス少女の .... 手は 夜をすみずみまでたたいて きえた
大事なものと そんなに大事じゃないもの、
をくらべて
でも そんなに変わらなかった
あなたの抱擁のまえで
人生など
あってないようなものだった
 ....
工事現場の作業音は窓越しに聞こえる
家を出る時 ドアを閉めるとその音は ドアの外の俺には聞こえても 家にはその音は聞こえないという
世界とそういう関係性にあることを いつも通り確認したら
鍵を閉 ....
爛れ過ぎた夕陽が
一軒の二階の窓を
ギラリと択び
怯えた鴉が見上げた先に
規則的に並ぶ建築の
一面だけを
薄明るい色に染め
足元のザラメにも
一粒ずつ微かではあるが
予兆のように
 ....
 夢、夜がみせる方の夢と、現実
 はとてもよく似ているから、ど
 うにかしてそのちがいを暴こう
 とテスト勉強もしないで考えて
 いた。
 しょうもないことさ。だけど人
 間って生き物はし ....
さわ田マヨネさんのおすすめリスト(755)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
りゅうだったとき- はるな自由詩316-6-24
ねじ- はるな自由詩216-6-20
Nowhere- 深水遊脚短歌3*16-6-18
きっと手を動かしたり脳細胞を殺したりするほどの対価は得られな ...- ピッピ短歌5*16-6-14
「トリ・トリップ」_一〇首- もっぷ短歌4*16-6-13
大洪水- kaz.自由詩4*16-6-9
祝祭- kaz.自由詩3*16-6-9
からだのもちぐされ(ゴル投稿)- 高橋良幸自由詩5*16-6-1
外れくじ- 深水遊脚短歌2*16-5-21
刺繍糸のこと- はるな散文(批評 ...716-5-19
遠恋- もり自由詩2*16-5-18
いいにおい- はるな自由詩1216-5-14
波うつカーペット/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩2*16-5-13
波うつカーペット - 阿ト理恵散文(批評 ...5*16-5-12
糖衣、それは深刻な- 初谷むい短歌216-5-5
仲よし村- 唐草フウ短歌5*16-5-5
四月初旬の憂鬱- 深水遊脚短歌2*16-4-3
のどぼとけ×時間×エクスペリメント- 高橋良幸散文(批評 ...1*16-4-2
カップの底に貼りついた焼豚よりペラい三分間/即興ゴルコンダ( ...- こうだた ...自由詩5*16-4-1
カップの底に貼りついた焼豚よりペラい三分間- あおば自由詩5*16-4-1
世界地図を見るまなこと、なにかしら○いもの- 水町綜助自由詩9*16-3-30
どこにでもある地獄- モリマサ ...自由詩316-3-29
かみの長い男のひと- はるな自由詩916-3-28
歌ったり踊ったりしているあいだに/即興ゴルコンダ(仮)投稿- こうだた ...自由詩5*16-3-27
夢をみる- はるな散文(批評 ...116-3-25
プレーンソング- ねことら自由詩316-3-20
抱擁- はるな自由詩716-3-20
僕の町の包帯- 山犬切自由詩5*16-3-18
春の正体- Lucy自由詩9*16-3-15
グミの靴- そらの珊 ...自由詩1216-3-14

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26