すべてのおすすめ
家に帰ると
知らない人がいた
遠い親戚なのだと
母が教えてくれた
秋になれば
コオロギが
玄関で鳴いている
追い出さないで
耳をすまして聞いてい ....
朝めざめると
あなたは哀しい
人の形をしていた
毎朝きまって
そうなのだとしても
本当のことは
けっして言わなかった
言葉にできないことや
したくないことを
たく ....
高層ビルのマンションが
あまく灯るころ
隣のビジネスビルには
まだ冷たい灯りが残っている
欲望と
欲望を支える人々の
コントラストの
夜景が今日もまぶしい
明け方
....
ひとつしかない
祖母の乳房を
ぼんやりと見ていた
そういうものなのだろう
と思っていた
幼かった私
手術したのだ
その晩
どれだけの悲しみに
打ちひしがれていただろう ....
日曜日
おまえと遊ぶよりも
おまえに見送られることが
多くなった
きょうもおしごと
といって
目を合わせて
目をそらす
自転車に乗せて
おまえと出かけられる日は
....
窓のむこうから
こちらを見ている
あの日とおなじ
空がまだ
そこにはあるんだろう
雨が降っている
あなたは雨を
まだ知ってるでしょう
セピア色の
窓のむこうに ....
真夜中帰宅して
玄関の戸を開けると
一面の海だった
私は港にある船に乗って
家族をさがしに海に出た
息子が見つかった
ウミガメに乗って
竜宮城に行く途中だった
お土産の箱を ....
休日の午後
自転車を走らせたら
荷台に乗せた息子が
妹って何、と
わたしに問うのだった
わたしは答えた
おかあさんが
まゆみちゃんの妹で
おとうさんの妹が
かおりちゃ ....
こどもの服が
床に落ちている
拾うとわたしは
着たくなっている
こんなに小さな服に
おさまっていた
わたしが
恋と詩と
あとひとつ
思い出せないのです
と言って
遠いところへ
いってしまった
あとひとつ
それはあなたの
声、かもしれなかった
故郷の
桜の木が老いている
むかし酒屋だったところが
更地になっている
火の見櫓もなくなって
夕方になれば
知らないメロディが
柏の原に鳴り響く
昨日見た夢を
母に話 ....
あめがふると
くさがはえるのだと
こどもがおしえてくれた
わすれていただけなのだ
やくにたたないと
しってから
おとなになるために
すててきた
わたしとこどもを
....
都会の道ばたに
一人立ちつくす感じと
故郷の川べりに
一人立ちつくすあの感じは
とても良く似ている
人は道を泳ぎ
魚は水底で働くのだ
生きるために
どちらも正しくて ....
川であそぶ
私と私
私はどうして
二人なのか
水面に写る
ある日の私
水切りしたら
私が消えた
渡船の船尾から
私が私に手を振って
私も私に
手を振った
ある日の川 ....
休日の午後
息子と散歩した
飛行機を空に見つけて
あんなに飛んで
どこまで行くんだろう
と息子が言った
西の空を見ては
あそこに夕方みたいなのがあるよ
と僕に教えてくれた
....
ときのほとりで
さかなつりをした
たくさんつれたけれど
いっぴきもつれないひもあった
さかなはつまがりょうりした
おいしいとつたえた
たべないひもあったから
あいしてるとつけ ....
お葬式が終わるまで
隣の部屋で待っていた
テーブルの上に焼き魚があった
ラップがかけられていて
冷たくなっていた
誰かがお葬式に来れなくなって
余ってしまったんだろう
僕は早 ....
きらきらと
光が降りている
あれは神さまが
写真を撮っているのだ
という話を
君としたかもしれない
木漏れ日の下で
あの日僕らは
どんな生き物の姿で
....
イマ カエル
妻に電話する
自分の声がおかしい
イマ カイモノ シテル
妻の声も
カタカナになっている
おかしい
近くで息子の声がする
オツキサン ミエナイ ....
スーパーにいくと
果物ばかり買ってくる
もう一人
いるみたいに
声はしないのに
それはたしかに
+
骨をのこして
魚はいってしまった
これが最後です
....
やはんすぎから
ふりはじめたあめが
あさめざめると
やんでいる
それはきっと
そぼのしわざだ
まいあさ
ひめくりをめくる
そぼをみていた
しわだらけのゆびで
....
あめがふると
くさがはえていた
いのちが
うまれるのは
なぜだろう
あめに
なまえがないのは
なぜだろう
それで
やくにたっている
ここにいることが
....
ある日曜日
友達の家に遊びに行った
団地と呼ばれていた
うっかりお昼過ぎまで
友達と部屋で遊んだ
お昼ごはんをご馳走になった
コロッケとパン一枚だった
家に帰ると
塩鮭 ....
このみちを
あるいていけば
しあわせになるのだと
ははがいう
そのみちをあるきつづけて
ときおりみちくさをしてるうちに
みちはもはや
みちではなくなっているのだが
このみち ....
不在票が
届いている
裏の公園の
桜が散ったのだ
こんなにたくさん
さよならを伝えたくて
春が終わっていたのだ
私がいない時に
どうぶつは
おとなになってもなく
うれしいときも
かなしいときも
ここにいるよと
いってるみたいに
にんげんはどうだろう
ためしにないてみると
どうしても
....
ひとはうまれたとき
いちばん
しゅっせしてる
ぶちょう
とりしまりやく
ひっとうかぶぬし
それどころではない
このせかいで
さいこうのちいを
ひとはうまれたときに ....
わたしの妻になるひとは
どこにいるのだろう
漠然と考えていた
頃があった
もしわたしがこの街に
来なかったなら
あなたはもっと
幸せな人生を
歩んでいたことでしょう ....
きゅうじつ
のっぱらにねころんで
そらをみている
くもが
すこしずつ
かたちをかえながら
いそがしそうに
そらをながれていく
あれはあれで
しごとをしているのだ
....
いつからか
りょうしんのせなかに
はねがはえている
まだそらをとべるほどではないから
あんしんしてるけれど
それはすこしずつ
おおきくそだっていることが
あうたびにみてわかる ....
kauzakさんの小川 葉さんおすすめリスト
(354)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
遠い親戚
-
小川 葉
自由詩
4
10-7-17
さよなら二十世紀
-
小川 葉
自由詩
17
10-7-14
都心
-
小川 葉
自由詩
3
10-7-9
祖母の乳房
-
小川 葉
自由詩
5
10-6-30
プレゼント
-
小川 葉
自由詩
4
10-6-28
遺影
-
小川 葉
自由詩
3
10-6-24
家族島
-
小川 葉
自由詩
3
10-6-21
きょうだい
-
小川 葉
自由詩
5
10-6-14
服
-
小川 葉
自由詩
5*
10-6-10
恋と詩と
-
小川 葉
自由詩
4*
10-6-10
夢
-
小川 葉
自由詩
4
10-6-8
雑草
-
小川 葉
自由詩
17+
10-6-5
生きるために
-
小川 葉
自由詩
6
10-6-4
ある日の川
-
小川 葉
自由詩
4
10-6-4
親子
-
小川 葉
自由詩
7
10-6-1
時のほとり
-
小川 葉
自由詩
6
10-5-31
焼き魚
-
小川 葉
自由詩
3
10-5-27
木漏れ日カメラ
-
小川 葉
自由詩
14*
10-5-26
帰還
-
小川 葉
自由詩
4+
10-5-20
呼び名
-
小川 葉
自由詩
4*
10-5-16
空色めくり
-
小川 葉
自由詩
3*
10-5-14
写生
-
小川 葉
自由詩
4
10-5-12
団地(再投稿)
-
小川 葉
自由詩
4+
10-5-10
みち
-
小川 葉
自由詩
1
10-5-6
不在票
-
小川 葉
自由詩
9
10-5-3
越境
-
小川 葉
自由詩
7
10-5-2
出世
-
小川 葉
自由詩
3
10-4-30
妻
-
小川 葉
自由詩
6
10-4-29
くも
-
小川 葉
自由詩
5
10-4-29
とり
-
小川 葉
自由詩
8
10-4-27
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
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