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よちよち歩きの頃から
そう呼んでくれた
近所の酒屋の父さんが
亡くなった

いつか帰省した時に
店にタバコを買いに行くと
タバコよりもたくさんの
缶ビールをくれながら

 ....
 
 
雨で薄められた絵の具で
空を描く
夏はまだ来ない

君もクレヨンで
空を塗りつぶす
それでも夏は
まだ来ない

夏が来ないから
母さんを探す旅に出る

灰色しかない ....
 
 
このお話の続きです
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=123535



今年も自動販売機の季節がやってきた
きんきんに冷えた飲み物を ....
 
 
知らないことは
罪ではない
知らないふりをするだけで
憎悪に気づかずに生きていける
わたしたちの
暮らしもあるけれど

あるいは
あった
とも言える
今あるものは
す ....
 
 
なぜ空は
わたしを見てるの

言葉なくして
命に
なりたいみたいね

なぜわたしは
空を見てるの

言葉だけで
空が
あるみたいね

あんなに美しく
見えるか ....
 
 
猫だとばかり思っていた
真夜中の道を歩く
白いものは
風に漂うポリ袋だった

と気づくまで
ほんとうは
猫だったのかもしれない
全ては過ぎてしまった
真実のように

 ....
 
 
この雨は
誰の涙なのでしょう
傘もささずに
わたし
悲しいほどに
濡れてます
 
 
 
 
鞄と間違えて
父さんが
枕をかかえて会社に行く
目を閉じたまま
夢を見てるんだろう

父さんは
目を閉じたまま電車に乗り
目を閉じたまま
タイムカードを押す
目を閉じた ....
 
 
同郷の人と
東京で会った
訛りが残っていた
変わりなくて
安心した
けれどモカマタリを注文する時
様子が違っていた

また昔のように話す
しばらくして
モカマタリが運ば ....
 
 
いつも少し
とだけ言うから
わかってる

いつも少し
としか
かけてあげる
言葉がないのだから

それ以上は言わない
どんなに
悲しく見えても

言わないことで
 ....
 
 
今を指差すと
今ではない
指先がやって来る
するとこの指は
たちまちおばけになる

今を指差す
ことしかない
少しでも
過去や未来ではならない
今だけを
指差すしかな ....
 
 
曖昧な
水平線を見つめてる
曖昧なわたしは
空の青と
海の青の
見分けがつかない
ひとすじの
線となり
その向こうに
糸で縫い閉じられていく
待ち針を抜きながら
今日 ....
 
 
 
次の駅は
笑顔です

乗客は
思い思いに
笑いだす
思い出の中にある
幸せを
思い出して

笑顔になって
降りていく
降りない人は
まだ降りない


 ....
 
 
縁日で
祖母が買ってくれた
空色の風船が
手のひらを
するりと抜けて
空高く舞い上がっていった

東の空へ流れていく
風ははるか上空
西から東へ吹いている

お日様と ....
 
 
古い地図をひらくと
あの日のわたしが
チャリンコ漕いで走ってる

高校と家の
片道十キロの距離を
毎日通った

部活は一年で
辞めてしまったけど
片道十キロの
距離は ....
 
 
人がいる
渇いた街に

人がいる
湿った街に

二つの温度差によって
街の正しさが
計れるというならば
正しさとは何でしょう

涙に暮れて生きる人と
泣く意味もなく ....
 
 
手をつないで歩く君が
息子である前に
恋人のような気がしている

生まれた時に一目惚れして
キスしたり
抱っこしたり
一緒にお風呂入ったり
この頃は肩車がお気に入りの
恋 ....
 
 
父さんと
子吉川で釣りをしていた
海の近くだったので
時々川が逆に流れていた
時間は正しく流れてるのに
潮が満ちると川だけが
昔へ還っていくようだった

父さんは
いつも ....
 
 
つうきんちゅう
きれいなひとと
たくさんすれちがった

かえりみち
きれいなこいびとたちと
たくさんすれちがった

いちにちのうちに
こんなにたくさんの
こいがうまれて ....
 
 
バスをおりて
はしをあるいて
ははとわたる

なぜかは
おぼえてないけど
たしか
こうじかなにかだった

はしをわたると
またバスにのって
となりまちへいった

 ....
 
 
だれもいないものおきで
ほんをよむのがすきでした

だれもいないものおきで
わたしもいつかものとなり
おかれるものになるものと
おもってばかりおりました

そのいえで
く ....
 
 
くもひとつない
おそらから
あめがひとつぶ
おちてきた

なにかの
まちがいかもしれぬ
おそらのしたで
ねむってる
ぽちがみちの
まんなかで

おはなに
あまつぶ ....
 
 
からのおけに
こえをみたしていく

みあげるとあおいそら
おなじいろのふくをきた
しょうじょがわらってる

かぜのちょうじょうから
おちてくる
そのそくどで

うまれ ....
 
 
なにもたべないひとになるのだと
きりさめのかえりみちに
わたしはおもう

くりかえされるはなしばかり
しんじてるから
しんじつをおきざりにして
わかりはしない

あまあし ....
はじめてみるものばかりでした
はじめてきくことばかりでした

やがてはじめてではない
ものやことばかりがふえていくと
いきることやものとは
そのようにあるのではないかと
おもうように ....
 
 
競技場の水飲み場で
水を飲んでると
排水口の辺りで溺れてる
蟻がいる

この水飲み場は
いったいだれが作ったものなのか
母に聞いてみる

この街の
誰かが作ったのでしょ ....
 
 
一人だけ居残って
いつまでも待ってたけど
母さんは
迎えに来なかった

ふと考えてみたら
僕は高校生になっていた
幼稚園じゃあるまいし
なぜあの時
そんな勘違いしたんだろ ....
 
 
紅い頬を削がれて
恥じらいもなく現れた
少女の実を
次々と切り分けて
皿に並べていく

自らの少女を
どこかに忘れてきた
ふりをしてる母の
秘められた欲望のように
家族 ....
 
 
治りかけの痔が
痒くて気持ちいいのだと
祖父は言った

痔は治りかけてるのに
とも
祖父は言った

私は誰もいない公園の
ブランコに乗り
治りかけの痔について
考えて ....
 
 
しつれんすると
ひとはねこになるのだ

みちばたに
はながさいてるのだ

どんなりゆうで
はなはさいてるのか

きみにこいをしたからさ

ほそいめをして
ないてる
 ....
kauzakさんの小川 葉さんおすすめリスト(354)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
よちぼ- 小川 葉自由詩409-8-3
誕生日- 小川 葉自由詩309-8-2
再会〜それから- 小川 葉自由詩109-7-27
草刈り- 小川 葉自由詩609-7-26
言葉なくして- 小川 葉自由詩309-7-24
白いポリ袋- 小川 葉自由詩409-7-21
俄雨- 小川 葉自由詩409-7-20
父さんの夢- 小川 葉自由詩809-7-17
モカマタリ- 小川 葉自由詩409-7-11
いつも少し悲しい- 小川 葉自由詩2*09-7-9
指先- 小川 葉自由詩309-7-7
水平線- 小川 葉自由詩309-7-7
命の駅- 小川 葉自由詩309-7-3
空色の風船- 小川 葉自由詩409-7-2
地図- 小川 葉自由詩409-7-1
乾湿球- 小川 葉自由詩1+*09-6-24
恋人- 小川 葉自由詩309-6-23
子吉川- 小川 葉自由詩409-6-21
こいのはて- 小川 葉自由詩109-6-19
うかい- 小川 葉自由詩409-6-17
ものおき- 小川 葉自由詩209-6-14
ぽちとあめ- 小川 葉自由詩409-6-13
マリーのうた- 小川 葉自由詩209-6-12
かえりみち- 小川 葉自由詩409-6-11
ア、雨- 小川 葉自由詩209-6-7
水飲み場- 小川 葉自由詩209-6-6
泣かない人- 小川 葉自由詩209-5-30
林檎- 小川 葉自由詩409-5-23
風になる- 小川 葉自由詩509-5-21
はやりやまい- 小川 葉自由詩2*09-5-20

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