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ハンバーガーショップで
別れたばかりの彼女からもらった
割引券を使った
本当は君を思い出すために
取っておきたかったけど
期限が迫ってたので
海老フライバーガーを注文した

 ....
 
 
君の街の郵便局に
僕は辿り着いた
大きな荷物を背負って

配達したけれど
不在なので
僕はまだここにいる

早く届きたかった
産声をあげて
君に封を
切ってもらって
 ....
 
 
カレーを注文した
一皿では足りないから
二皿注文した

けれど
食べる人が一人足りない
君が足りない

一皿のカレーを残して
私は店を去って行った

あの日
私一人 ....
 
 
十分で千円の
散髪屋に行った

わたしはそこで
十分で千円分の
人生をくださいと
店主に言った

けれども椅子に座らされ
十分で千円分の
髪を切られてしまうのだった
 ....
 
 
シロツメクサの
香りがすると
きみがいる

藤の花の
香りがすると
やはりそこにも
きみがいる

帰り道だった

沈む夕日が眩しくて
見えはしない
香りだけのきみ ....
 
 
誰かとどこかへ行っても
そこはここになる

ひとりぼっちで
いるここだって
同じここなんだ

ためしに朝起きて
窓の外を見てごらん
水道管が破裂したのか
そこいらへんじ ....
 
 
考えても
仕方のないことを
考えている

スターバックスコーヒーで
名前を
間違えてしまった

マクドナルドの
喫煙席で
あなた宛の手紙を破る
 
 
 
 
とても広かった
世界がこんなにも
小さくなって
わたしは人の形をしている

魚になることも
鳥になることもできた
自由なこの世界で

いくつかのわたしが
はみ出してしま ....
 
  
愛という字を
上手に書けないまま
この年齢になってしまった

心が大きくはみ出したり
小さく遠慮して
収まってしまったり

愛という字は難しい

昨日久しぶりに電話し ....
 
 
スーパーのかたすみで
君が開発した商品が
売られている

九十八円で
売られている

定価がいくらかなんて
ここで言えやしないけれども

君はこの商品の
発売が決まっ ....
 
 
海の向こうから
一両編成の
列車がやって来る

線路の上を
走り続けることを
あの日諦めてなければ
というような顔をしてるけど
僕はそのことについて
何一つ触れない
他 ....
 
 
駅前で
象が似顔絵を描いてる
めずらしいので
たくさん人が集まってる
似顔絵はとても上手だけれど
鼻だけ象みたいに長いので
群集の歓声はどよめきに変わる
目から涙が零れてる
 ....
 
 
恋するため息が
星になって
夜空に瞬いている

たくさんの思いと
願う心
まだ叶わない
たくさんの星の数々が
今夜も切ない

夢が叶うと
流れ星になって
その人のも ....
 
 
辛いね
ルーばかり食べるからよ
微笑んで
きれいにバランス良く
カレーを食べている
君と違って
ごはんばかり残してる
自分の皿を見て
恥ずかしくなる
子供じゃないんだから ....
 
 
あんたなんかね
あの時あたしを
見捨てればよかったんだよ

三十半ばを過ぎていた
あの時僕は妻と結婚した
僕の意思で子供をつくったために

安定した職に就いている
幼なじ ....
 
 
減りもせず
増えもしないものを
あなたはステージの上で
惜しみなく見せている

たくさんの
紙幣や小銭が
あなたへの対価として
支払われていく

夕日のような
スポッ ....
 
 
水に触れると
懐かしくて
飛び込みたくなるけれど
息が出来ないから
死んでしまったあの人や
まだ生まれていないその人は
水の向こうにいるのだろう

何度も水に触れると
く ....
 
 
失ったところに立っている
父さんと僕が
二人で写真をを撮った後
ふと思い出したように
西の空を見ている
あの日と同じ
今日という一日も
その一部分に違いなかった
 
  ....
 
 
あの夏の日の
電話ボックスの中
受話器を持ちながら
あと一桁ダイヤルを
回せば届く
思いがあった

あの夏の日は
静止したまま
僕は僕の海に溺れ
窒息している

何 ....
 
 
暗闇で
手を繋いで歩いていた
手首だけになって
手首からその先は
僕のようで君ではない
魂になったように

君の息遣いが聞こえる
楽しそうに
何か話してる
僕も何か答え ....
 
 
見つめてると
雲が流れてきて
君の背中は
いつしか空になっていた

飛べない空が
どこまでも続き
続かないところで
君は思い巡らせている

地上から叫んでも
届かない ....
 
 
しまわれている
音がする
きっとそこは
水が流れている
遠いところ

私たちの
さかなたちが
静かに息継ぎしてる
幅も奥行きも
高さも失ってしまったのに

それ以外 ....
 
 
夕日が沈むと
真っ黒な紙を空にしきつめ
穴のたくさん開いた
空の向こうから
いろんな色の
ランプを照らしてる
私たちは
それが星であるかのように
夜空を見上げている

 ....
 
 
僕らは出会った
地上から空を見上げる
距離でしかなかった
そんな僕らが

とても遠いところから
生まれてきたような
そんな僕らが

買ったばかりのノート
一ページ分にも ....
 
 
蛇口をひねると
水の流れる音がして
母の声が聞こえる
何を言ってるのかわからないのに
それは声であることがわかる

蛇口をしめると
母の声は止む
雫が数滴零れると
泣いて ....
 
 
扉がひとつあった
父さんの扉だ
厳重に施錠されてるので
誰も開けることはできない
父さんの少年時代のことは
聞けば話してくれるだろう
けれども僕は聞かない
なんとなく照れくさ ....
 
 
上ってきた階段は
そこで途切れていたけれど
僕らはもっと
上らなければならないので
一段ずつ階段を
作らなければならなかった

家に帰れば
君も一段作り終えてる
翌朝には ....
 
 
ふとわたしはある予感がして
お風呂場へ走ってゆく
扉を開ければ片隅にいる
たわしは新しいたわしに
買いかえられていた

お風呂掃除係のわたしに
ぼろぼろになるまで付き合ってく ....
 
 
かつて古きよき友人がいた
というような
そんな時代でもないらしい
人は大きなしくみに組み込まれ
わたしとあなたとの
小さな友情もまた
しくみに違いはなかったけど

この人と ....
 
 
健康診断の結果
肺に小さな影がありますと書かれていた
早く再検査に行きたかったけど
仕事も忙しくて
時々そのことを思い出しては忘れ
思い出すと泣きたくなる夜もあった
実際泣いた ....
kauzakさんの小川 葉さんおすすめリスト(354)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
割引券- 小川 葉自由詩4*09-5-16
手紙の気持ち- 小川 葉自由詩209-5-15
君のカレー- 小川 葉自由詩209-5-15
散髪屋- 小川 葉自由詩209-5-11
きみは香り- 小川 葉自由詩109-5-10
ハピネス- 小川 葉自由詩309-5-10
スターバックスコーヒー- 小川 葉自由詩609-5-9
明日の予定- 小川 葉自由詩2*09-5-7
愛という字- 小川 葉自由詩809-5-6
- 小川 葉自由詩209-5-6
大後悔時代- 小川 葉自由詩3*09-5-4
象の出来事- 小川 葉自由詩209-5-2
眩しいため息- 小川 葉自由詩4*09-4-28
ランチタイム- 小川 葉自由詩309-4-27
愛の言葉- 小川 葉自由詩609-4-26
ストリッパー- 小川 葉自由詩3*09-4-24
水に触れる- 小川 葉自由詩9*09-4-22
古い写真- 小川 葉自由詩209-4-18
超躊躇- 小川 葉自由詩5*09-4-15
真夜中の散歩道- 小川 葉自由詩409-4-14
背中の空- 小川 葉自由詩309-4-12
しまわれているところ- 小川 葉自由詩4*09-4-9
夜空から、ありがとう- 小川 葉自由詩509-4-8
別れの距離- 小川 葉自由詩509-4-5
母の涙- 小川 葉自由詩609-4-3
チャイルドロック- 小川 葉自由詩5*09-4-1
ひだまり- 小川 葉自由詩409-3-31
新しいたわし- 小川 葉自由詩509-3-29
友人- 小川 葉自由詩509-3-28
日常の味- 小川 葉自由詩709-3-27

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