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木は両手を拡げて
わたしを暖かく抱きしめた
拡がる手の先には
青々しい梢がさらに広がり
そこでは緑の子供達が風に踊っていた
寝ころんだベ ....
080913
ガス抜きを致しますと
クエン酸
パチンコ屋のご亭主は
幼児はお金がないから
遊べないよと
すげない顔して
駄菓子屋の親父に下駄を預け
古く ....
{引用=玉子の親じゃ、ぴよこちゃんじゃ、ぴっぴっぴよこちゃんじゃ、アヒルじゃぐぁーぐぁー。}
(一)
「兄ちゃん、コイツをくんねぇ」
カーバイトランプに照らされた
みか ....
初めて会う人の顔の真ん中に
或いは胸の真ん中に
おへその辺りに
とにかくその人の中心線に
隙間がないかどうか
確かめる
それは
ある時はボーリングの球くらいの大きさだったり
ある時は米 ....
月が綺麗な筈なのに
どう考えても
街燈の方がまばゆくて
少し
ちょっぴり
悲しかった
同じような空でも
どこか少し違うから
そう言って
その日の雲の形を惜しむように
写真を撮る、君
同じ空を見上げ
何が面白いんだろう
そう思いながらも
念のために持ってきた傘なんか
....
エコバッグがエロバッグだったら
今いそいそとエコバッグを持ってる人は
誰もエロバッグを持ってなくて
エコバッグなんかまるで知らない人が
いそいそとエロバッグを持ってるかもしんない
で、
....
かみさまという鏡のような未来は
ぽろぽろとこぼれながら
なにか悪い事を口にしかけて、
小さくなっていく産声
どうやらここは初めから
ちきゅうという
名前もないどこか遠いところ
....
風の音がした
ふり向くと誰もいない
十八歳のぼくが
この街をつっと出ていく
いつも素通りしていた
その古い家から
いつか誰かの
なつかしい声が聞こえた
敷石を踏む下駄の
細い ....
季節も
コンピュータも
風も
液晶画面も
叫びたいほどの
この孤独を
呑み込んでいく
そのたび
余計に孤独になりそうな気がして
あてもなく
答えのない何かを
探し始め ....
野の果
薔薇 が ああ 馳ける しらしらと ため息
柔らかさ から 聳え、 そして 語るな。
....
ずいぶんと歩いていた
ぼんやりとそれだけはわかる
ふくらはぎの痛みの感覚は通り越して
いつか読んだ本の陳腐なストーリーのセリフみたいに
「それでも行きたい先がある限り歩くんだ」 ....
080911
暴力的な
対立が
心を無くし
武器の備えを
唆す
大陸間弾道弾が
発車される度に
歓声があがり
戦果を期待する
勝った負けたと ....
空が流れて
夏が止まって
指をのばせば
静かな想いを
星をみつけるまで
まだ帰らないで
とまった景色を
衣にして
まとう
無言蜻蛉、するりするり
夕陽が焼ききる
あな ....
テレビの電源を
オフにする
それだけでは
現実と私は切り離せない
と知ると
カーテンを開け放って
現在と対峙する
朝焼けも
夕暮れも
物悲しく過ぎた日の
言葉を吐くことを
一 ....
切羽詰まって
吐き出される言葉より
感じ始めて 喋る言葉のほうが
人は豊かなはずだ
時代(とき)よ 追い詰めないで
なんとなく
一緒に過ごす時間を大切にしよう
たとえ ....
野菜が野菜の味がしないし
なによりも
僕が僕の味がしないから
ごはんは船に乗った
旅に出るつもりではなく
綺麗な女の人に会うために
船は川でも海でもない
水があるところならどこ ....
見た記憶と
見たかもしれない記憶を
理解しあおうなんて思わないほど
ふたりで見つめ続けてしまう
ひとつの景色
秋の{ルビ夜=よ}の 月のライトの 帰り道
ハロー、マチルダ
カビ臭さが紙の匂いだと思っていた古本の
ひさしぶりに太陽とすずしさの午後
公園では、抱えた小脇に
ひとつ大きななにかが終わるのを願っている青年と
ぼくが彼女に薦められた物語 ....
なめらかなあまりにもなめらかな
?
乙女よ
南国の熱病 稲妻に撃たれ
しばらく眠りつづけよ
肩先からふくらみかけの胸をつたい―――足先まで
オリブオイル塗る
その ....
純粋ではない動機
から始まって
純粋な気持ちが
後からやっと追いついた
そんな愛のカタチは
すでに複雑に捩じれ
その崩壊を
待つだけになっていて
暗闇に少しずつ
オレンジを敷き詰 ....
お人好しの楽天家を
気取ったって
些細な石にもつまづく
几帳面
後ろを向きながら
前へ歩いていく
ちょっと湿っぽい
僕らしき僕
典型的なO型気質を
なぞったって
大雑把な素 ....
その彼の面影に勝手な幻(りそう)を重ね
もし隣りにいても相手がどうしているとかは
空ゴト
その彼が生きてさえいれば
自分は要済みの人間とハンを押したくなり
消えてなくなりたいのに ....
渚のざわめきは
ナトリウム灯のオレンジに溶けて消え
九月の海が
わたしの名を呼んだ
絹を広げたように
滑らかな水面が
夜の底へと続くしろい道を見せる
爪先からそっと水を侵すと
....
ピアノの雨を浴びて
君は待っている
冬の駅を急ぐ、
冬の人々。
冬の空気を吸いこんで、
冬の顔で笑っている。
ピアノの雨を浴 ....
心臓が集まるとファンタジーになる
初秋に夏をふり返る日
スパイスをスプーンいっぱいほおばるような
日常のすてきな刺激のような
心臓がより添うときを
見たような日
旅から戻ったベ ....
からだがあって
こころがあって
たましいがあって
ここに
となりあって
ふれあって
かさなって
いつも
さいしょは
しらない
さ ....
憂いを全て詰め込んで
川に流せば お魚に?
自由に泳いで行けるでしょうか?
黒い部分を 夜空にこっそりと
投げあげたなら
闇夜に紛れて 空の一部になれるでしょうか?
重荷を全て広い ....
窓辺の四角い夜に うなだれた手をかざすと
しずかに風は
終わりの夏を打ちつけてくる
部屋中を駆け巡る息づかいは
いつもそこに置き忘れてあるから
死をつつましく夢の先に灯して
ただ耳を ....
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