俺の腕から逃げていった
逃げたのはいいけれど
逃げた先生きていけるの
俺の方が巧く飛べる
俺の方が速く飛べる
俺の方が遠くへ飛べる
翼の急所を掴んだから
もう身動きできない
一緒におう ....
うすむらさきの川に指をひたしたまま
舟が帰らぬことを願っていました
あなたは何故そんな
紙の花のようなことを言うのか
とうの昔に終わっていたのに
今がはじ ....
ひかりの加減を気にし過ぎるとき、音楽の音量を気にし過ぎるとき、階下の物音を気にし過ぎるとき、窓の外のトラックのバック警告音を気にし過ぎるとき、しんとしたノイズを求めて、しんとしたノイズだけ ....
にわかに雨が降り出す
濃厚に萌え立つ雨の匂い
という名のアスファルトの匂い
パラパラパラと傘を撃つ
雨粒が急速に嵩を増して
バラバラ
ザ
ザー
ともはや見分けもつかずに
速 ....
きみのし
考えたこともなかったし
その日の空はうそみたいな顔をしていたから
言葉は何も浮かんでこなかった
この物語では
信じられないことが
信じられないほど起こるし
それ ....
こんなにも胸が苦しいのに
あなたはそれを知らないふりをする
こんなにも、こんなにも
アナタを求めているのに
笑顔を向けるだけ
決して触れてはくれない
こ ....
乳周りは
今年4月に測ったら
130cm
ついでに
腹周り尻周りも同じ
130cm
仕事に追われ
忙しくて死にそうでも
何故か
サイズは
そのまま〜あ〜
夕飯を二度食 ....
お花がありました。
虫が飛んできました。
鳥がやってきました。
皆仲良しです。
風がそよぎ
ラッパの音が聞こえ
お城から王女様が
出てきました。
農民は皆
王女様が大好きでし ....
ほんとうは
レンジであたためなんてとんでもない
だーくな箱の中にとじこめて
ボタンを何回かピッピピッピ押して
なにかされるんです
ひきつって声も出ないたぶん食べものが狂い死んで
あたためら ....
忘れられた午後の街、強烈な太陽は、カミもヒトミも影さえも、黒いものはすべてブリーチする。
虫けらに
一匹のちっぽけな虫を
叩こうとして
いったい、どれほどの敵を
この虫は逃れたのか
私が殺害しようとしている
この虫は
わたしではないのか
これから、いったい
....
窓越しに外を眺めて
揺れる木々に風を感じた
私は扇風機に吹かれ
渇く眼に瞬きを繰り返した
そしてソファーに横たわり
髪を梳いた
このまま眠れば
全てなくなっているので ....
友人の結婚式で訪れた故郷。山が四方を囲んでいる。幾多の虫の音が聞こえる。駅のホームには人の姿が疎らだった。日焼けをした高校生の男女。運動部の学生だろう。大きなボストンバックに汗をふくためのタオルが、 ....
海よりも空よりも青い夜を泳ぐ 果てたからだは一つによじれて
晴天のすみわたるほど影は濃く 向き合いながらも表情(かお)わからずに
晴天に雨を呼ぶこえ 薄暗い部屋で待つ指磨いた首筋
晴天を裏切るような白い肌 夕暮れどきには空より染まる
カラスアゲハの
遠慮がちな青みかたが
なんともいえず爽快だったから
ぼくは急いで
シャツを脱ぎ捨てた
もしかしたら肩甲骨あたりに
あるんじゃないかと思って
見落としてきた空への切 ....
なきながら翼広げる影のあり雲間にもえる鳥のまぼろし
胸破り飛ぼうとするか呼子鳥光を背負いこだま待つ空
その薔薇を朱に染め抜いてわが小鳥囀る歌よ棘も忘れて
夏至の夜火を飼い ....
午前10時30分
一日に一便きりのフェリーが入港する
家々から 軽トラで トラクターで 人々が集まる
友人を見送る人々
来客を迎える人々
俄かに活気点いた港
ぼくは 人々をフォークリフ ....
お茶の水橋から聖橋
まぁるい大きな輪っかが見える。
下半分は揺らめいて
昼間に鎮座する月のよう
にび色の神田川は足がすくむほど
高い地点からしか眺められな
い
その水面をじっと見つめ ....
昔々の物語。
僕は白い翼を持ち、一国の姫君に情念を抱いていた。
無知で、純粋で、下卑た、燃え上がるようなその想いの先には、結ばれる筈のない主。
僕は、人間の姫君に飼われた、その羽根の純白だけ ....
たましいがつゆだくだ
秋の気配
空の雲のないところが
透明になっ
て
クーラーが前髪にあたっ
て
かなしくて幻になっていた
風が暑ぬるくほどけていた ....
みんな背中に
対になる両翼を携えて
空を飛んでいるのに
ぼくだけ
左側にだけしか翼がない
幼い頃には
確かに右側にも翼があったはずなのに
みんなぼくの背中を見て
かわい ....
眠たいときのように
井戸を掘りつづける。
ぼくは
素足
の
まま
空腹をかかえて
朝だった。
朝のコップ、
飲んだら
消え
た
いきつぎ、
掌
白桃
ぶどう
し ....
日暮の 声遠ざかる あをの中
幼き日の記憶は、夏があざやかだ。
眩しさに瞳は瞬きを繰り返し、
気力と共に確実に何かを奪われていった。
渇いた空気の中で、
いつも何かを求めていた。 ....
コンビニエンスストアで働く大学生は
夜な夜な床にポリッシャーをかけながら
有線放送の音楽に耳を傾けている
ちっぽけな自分の有様 理不尽な世界の情勢
半年も前の性交渉とか 自己流の写真のこと
....
なんて幸せな人生なんだろう
なんて素晴らしい世界なんだろう
こんなにも人々の祝福が嬉しくて
お嫁さんもお婿さんも笑っているよ
空だってこんなにも高く青く晴れ渡っているし
高速道路やダムを政治 ....
最寄駅に着いた深夜
ドシャブリ
たった 1メータだが
タクシープールへ向かう
みんな 考えることはいっしょだ
長蛇の列
あたしは 日傘は持っていたが
キャスケットを目深にかぶり
....
みんなもっと頑張れよ
血反吐はくほど頑張れよ
靴底が擦り切れるほど頑張れよ
親の死に目に会えないくらい頑張れよ
日付を忘れるくらい頑張れよ
呼吸を忘れるくらい頑張れよ
おれはここで生ビ ....
いつまでも私は鳴くだろう
様々な言の葉を毎年秋に春に冬に
其処に夏は無かった
黒い雨が降りました
私達は涙を切らして炎から逃げました
其処に或るのは、ただ愛
だが私達は互い ....
黄色と黒の市松模様の世界で
わたしは探している
くらくらするのは気圧配置のせい
でなければ起立性低血圧のせい
あなたのせいじゃない
あなたのせいにはしない
黄色と黒の市松模様はくるくる踊る ....
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