すべてのおすすめ
海よりも空よりも青い夜を泳ぐ 果てたからだは一つによじれて
晴天のすみわたるほど影は濃く 向き合いながらも表情(かお)わからずに
晴天に雨を呼ぶこえ 薄暗い部屋で待つ指磨いた首筋
晴天を裏切るような白い肌 夕暮れどきには空より染まる
ことばをぬすまれたとか
ことばをよごされたとか言って
泣いてるけど
辞書のなかのことばを
てきとうによりあわせただけだよ
わたしたちのことばは
書き起こすとみるみる光をうしなってひ ....
きょう楽しくて
たくさん笑ってしまったから
きょう死ななければならないな
と
おもった
したしい浴槽に
清潔なおゆ
わたしのからだは黒ずんで
おおきな澱
しっている
海はも ....
なぜかはわからないけれど、世界はとおくにある。
朝顔の花でつくるいろ水や、
海辺でひろう角のとれたガラス、
いいにおいのする果物の皮
そういう、心地よくて意味のないものになりたかっ ....
ゆうだちに窓にはりつく蛾を迎え
てっぺんをあかるく染める夏至の月
梅の実と氷砂糖がからと鳴る
紫蘇の葉に赤く染まるる指の香よ
梅雨寒の肌と肌とで温みあい
蛇の子の細くすず ....