すべてのおすすめ
 僕が死んでしまっても ずっと喪に服すことはない
君が幸せになるためなら すぐにでも忘れてください

もしも 君を幸せにしてくれる『いいひと』がいれば
僕の代わりに幸せにしてもらってくださ ....
実は好きだったんだよ

照れくさそうに 懐かしそうに 君は言った

嘘だあ 

私は 水分が足りなくなった喉元から 乾いた笑い声をひねり出した



好きです 好きだった

こ ....
 
 
その日の空は
限りなく紫なオーラを帯ていて
隣の青山さんが
酷く赤っぽく見えていた
 
学校では
校長がメッシュを入れていて
それが限りなく絵の具っぽくて
生徒全員含み笑い ....
試しにね

目を瞑ってみたの

取り乱したり

泣き喚いたりは

絶対にしたくなかったから

あの人の言う事

ちっとも意味が分からなかったけれど

全部が言い訳に聞こえた ....
夏の
夜が
激しさを増し
ぼくは
水が欲しかった
とても

海水浴
波に
持ち上げられて
足がもうつかない場所へ
つま先に虚無が触れ
頭上には
目を閉じても赤い
太陽

 ....
これまで
たくさんの人と出会ってきた
ただぶつかっただけの人もいたし
ふり返るだけの人もいた
目線を合わせただけの人も
いい出会い 悪い出会い
たくさんあったろう
だけど私 ....
これから向かう家庭教師先の
国語のテキストを
電車の中で読んでいた

その内容はあまりにも悲しかった

戦争で両親を失い
家もなく食べるものも満足いかない
それでも生きようとする
子 ....
    庭土が連日の梅雨で 満足げに
         雑草まで育てている
   庭木も梅雨の晴れ間で 満足げに
      みどりの息を弾ませている
       そして 生垣の隙間には
 ....
向日葵は上を向いてなにやら
太陽とお話をしているようだ

太陽さん、
私と一日だけ交代しませんか
お疲れでしょうし

太陽は答えた
そうですね
一日くらいお言葉に甘えて
休ませても ....
荷物を取り上げられ
 髪を切られ
 消毒され
 写真を撮られ
 左腕に囚人番号を刺青されて
 工場・鉄工所・炭坑で働かされて
 木で作られた三段ベッドに
 マットレスの代わりに
  ....
まあるい泡を
ぷくりと吐いて
そっと寝床を抜け出す
水の流れは
暗いぶん少し冷たい
おびれとむなびれ
ぷるぷる舞わし
水草の間から
夜の空を見上げた

真昼の水面を
きらきら照ら ....
1 + 1 = I Love You

2 - 1 = I Miss You
僕はゆくだろう
鍾乳石の先で抗う
水滴の
夜のために

待つものも
さだかではない
暗闇のもっと底
染みこむ
朝のために

屈折がつくる道
灯台が照らす
霧の先に

ゆく ....
いま 俺が自殺しても
臨時速報で流れへんから
まだ やめておくわ


いま 俺が自殺しても
株価に影響あらへんから
まだ やめておくわ


いま 俺が自殺しても
国葬にならへ ....
境界に ぬぎすてた 皮膚と肉を
まいあさ まとう直前 わたしの
あばら骨のすきまに 火を
ともして くれているのは
誰だろう
ぼくはサッカー部のヒーロー
試合で何度もハット-トリック
もうぼくなしでは試合には勝てない

まさに今
強豪チームと対戦が始まった
早くも味方からボールを渡される
まずはドリブルで前へ
 ....
良く頑張っているよね

そんなふうに
自分を褒めてみるのは
なんだか
むなしい気がする

お馬鹿さんだからなあ

そんなふうに
自分を卑下してみるのは
どうしてなんだろう
ふぅ ....
台風の夜

徹夜をした

夕方は青くて濃かった

西の空が明るんだり

ぱらぱら降ったり

たまにざあっと来たり

そとではときどき風が鳴った


夜9時ごろ焼肉を食う
 ....
低く垂れ込めた
嵐の雲のなかへ
灰緑色の階段が続き
海は大きなちからに
踏みしめられるように
しろく崩れながら
膨らんでは混じり合い海岸線を削ってゆく

風はいっそう強くなり
雨と潮 ....
でたらめに星を繋いで星座を創る


あたししか知らない天球
一人遊びは得意なの


でも本当はあの人にも見せたい
なんて
なんてセンチメンタル


妄想も後悔も
追いつけ ....
父の傘は
とても大きかった
雨が強く降ろうとも
何の心配もいらなかった

父はその傘を
若い時に買ってから
ずっと使い続けていた
何度か壊れかけたが
それでも修理して使った

雨 ....
燦々と
そそがれる陽を
うけての青

朧々と
つめたい雨に
うたれて紫の

移ろう色は
六月と七月の境界を曖昧にして
暦がめくれたことにさえ気づかず
深い場所で息する哀しみに黙す ....
雨の空を見上げて
あなたからの手紙を待つ
何日も何日も
待てども待てどもこない
手紙は連日の雨で
空にとけてしまったかもしれない
そう思って家に帰ると玄関先で
それは静かに待っている
 ....
魚はニワトリをけった
蹴られたはニワトリはウサギをけった
蹴られたウサギは転がった
転がったウサギはポカンと
まかるくなって
また転がって
落ちてきた

それを拾ってまた蹴った
蹴ら ....
追うべきものを
見失ってしまったのです

何を目指せばいいのでしょう

やる気がでないのです
溜め息ばかりが零れます


ボーっとする時間が増えたのです

夢が見つからないの ....
決めた!


先に「愛してる」と言ったほうが 勝ちということにしよう!
道端に傷ついた
音符落ちてた
すぐに崩れそうなので
そっと拾い上げて
家に持ち帰り
ちり紙ひいた
丸い缶々に
いれてやった
何をしてしてやれば
いいのだろう


ピアノの上に置 ....
朝のバス停に
雨が降っていた
傘一本だけで
自分の身を守っていた

バスは来ない
時折り
普通自動車が勢いよく走りぬけ
傘を前にして道路の水を避ける

気づけば
髪の毛が濡れてい ....
今日は盆の入りなので 
夜家に帰り門を開くと 
家族は敷石の一つに迎え火を焚き 
両手を合わせ
揺れる炎を囲んでいた 

初老の母ちゃんが 
「 お爺ちゃんがいらっしゃるわよ 」 
と ....
吐いた者(吐瀉物)が復び街を闊歩しています 優しさの対義語は不優しさです 憎んでいます 空っぽの空から降って来るのは橙色のお月様です 欠片が見えます あの何もない部分は食べられてしまった部分です 残り ....
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