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即席のバーベキューセットで
思い出を焼いた
崖から海へ降りる際に
つかんだ植物さえ
根こそぎ収穫した
無人島生活は今日で
一ヶ月目になる
暦の上ではすでに
夏は終わっていたはずなのに
 ....
夜が土に潜る
朝が地上に発芽する
空にツルを巻き付け
昼の花を咲かせ
西の空に飴色の実を落とす
その実を私が食べる
夜がわたしに発芽する
砂に埋めた記憶が
呼吸を止めて
海水の表面張力が
零れそうになる

あなたは
なくしたものばかり
瞳にうつしたがる
雨の空を見上げて
あなたからの手紙を待つ
何日も何日も
待てども待てどもこない
手紙は連日の雨で
空にとけてしまったかもしれない
そう思って家に帰ると玄関先で
それは静かに待っている
 ....
人違いをした
人違いしたのは
はじめてではなかった
はじめて人違いしたのは
デパートのおもちゃ売場で
母親とまちがえて
知らない女の人に
おもちゃをねだったときだった
知らない女の人は ....
橋の上を
こどもたちが
笑いながら歩いてる
橋の下を
川が笑いながら流れてる
あんなに笑顔で溢れていた橋が
今は静かにこわされてる
橋の向こうに
笑うひとが
いなくなったために
悠詩さんの小川 葉さんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
光速の美夏- 小川 葉自由詩4*07-8-18
発芽- 小川 葉自由詩407-8-6
表面張力- 小川 葉自由詩507-8-6
雨と手紙- 小川 葉自由詩607-7-14
人違い- 小川 葉自由詩907-7-10
- 小川 葉自由詩907-7-10

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