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マネキンがマネキンを
洗濯機で洗っている
箪笥を開けても
止める合図は見つからない
玄関に置かれた 二台の自転車
子らは皆 遊びに夢中
子らは皆 何かに夢中
....
背に花の生えた猫が
午後の雨を待っている
二つに分かれた坂道の
曇に近い方を歩いてゆく
休み休み進むのは
花が重いからかもしれない
午後に夜にひとつ咲き
朝に昼に ....
空から落ちた
無数の楽器が
土の上で砕けたまま
鳴らそうとした音を鳴らしつづける
顔を撫でては去ってゆく
浜辺に打ち上げられた
硝子片に満ちた死骸から
熱は羽のように ....
仕草から仕草に至る息ひとつ
どこまでも切れないはさみ似合う指
光には到かぬ剣を闇に植え
治っても傷つく場所は同じ場所
数秒の ....
どのくらい近く
どのくらい遠く
しあわせに触れていられるのか
目に落ちてくる
滴を見つめた
ふたつ ふたつ
ふたつのはざまの
無数の重なり
波のざわめき
....
桃のにおいの手が
空を混ぜて
はじまる
闇のなかを見つめ返す
まぶたの奥の水があり
ひとつの葉に隠されている
海岸と夜
手のありか
通り雨
....
音を持たずに水を切り
物語を捨てる
死神に無視され
今日を今日に置く
悲しみは増し
枠は増さず
光は増して
片目を覆う
朝は白に 朝は茶に
まばた ....
水に流れない塵が
水のなかから夜を見ている
水と 水ではないものの影
常の渦 常の渦
遅れる光
手になじみ
音の背の丘
曇と息は見つめあう
痛みの矢 ....
無い音が無い音のまま駆け廻る影より疾く影より疾く
花はただ花を呼吸し花に在るわたしたちでなくわたしらでなく
空つまみ冬を廻して雪を舐め夜を分 ....
気まぐれに硝子の冬は燃えあがり舌先の火に顔ちかづける
老人が甘えたらすぐ見せしめにサウンド・オブ・サイレンスを燃やす
こんがりと表裏なき ....
水の上の火
空の姿か
底の姿かわからぬまま
ひとり ほどける
風 息 原へ
去るを見る
砕けるを見る
散るを見る
傘をたたむ
遅い夜の色
ひとつやわ ....
影が動きに遅れてゆく
遅れては遅れては重なりつづけ
ひとつの歩みのたびに咲き
ひとつの歩みのたびにたなびく
海の終わりからはじまる砂漠で
影と涙は会話していた
....
そこにあなたは
いるいない
いるいない
どちらにもまばゆい
花があり
なぞる
花になれない
指のしずく
そしてあなたは
いないままにいる
いないあなたい ....
夕暮れと同じ色をした
雀の群れを乱しては進む
道標を飾る白い花
いつの世も悲しい子らはいる
わずか数秒のねむりのつらなり
分かるはずもないくりかえしのわけ
ねむりのまま ....
見失う
三行の言葉
見失う
午後の光に
のばされる腕
花を
摘みとることなく摘みとる手
灯の上の灯の道
水の上にしかない陽とともに
水のたどりつくとこ ....
唐草フウさんの木立 悟さんおすすめリスト
(135)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
ノート(マネキン)
-
木立 悟
自由詩
2
16-3-21
しずく_秘名
-
木立 悟
自由詩
8
16-2-4
夜のかけら
-
木立 悟
自由詩
8
15-12-11
ひとつ_よろづ
-
木立 悟
川柳
4
15-4-17
ふたつ_ふたたび
-
木立 悟
自由詩
3
15-3-31
いない_かたち_Ⅱ
-
木立 悟
自由詩
8
11-7-21
波のあとに
-
木立 悟
自由詩
5
11-6-8
降り来る言葉_L
-
木立 悟
自由詩
4
11-4-10
わたしたち_わたしら
-
木立 悟
短歌
4
09-12-21
冬と水
-
木立 悟
短歌
5
09-10-13
すぎる水
-
木立 悟
自由詩
8
09-8-5
会話
-
木立 悟
自由詩
4
08-8-29
ノート(ひとつ_しずく)
-
木立 悟
自由詩
5
08-5-17
波とかたち
-
木立 悟
自由詩
10
07-10-18
brighter
-
木立 悟
自由詩
4
07-10-1
1
2
3
4
5
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