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話しかけてくるものを
拒む理由は特に無い



だが会話には風が無い
実ばかりあって花が無い
羽は失く角は折れ
歌は枯葉の底にあり
声は遠く 風は旋り
ちからとかたちを連れ去ってゆく



終わりは近く 忘れられ
まばゆいひとりがつづいている
息がつまるほどの ....
熱を嫌う午睡の肌に 
蜘蛛は幾度も近づいてゆく
夏も冬も 獲物はいない
巣だけが 巣だけが増えてゆく


時の網目に掛かる埃
壁を覆う飾りの埃
彩りの無い彩りに
霞ん ....
空が空を掻き毟り
空はちぎれ ちぎれちぎれる
爪 柱 軌跡 鐘
傷の音 鳴り止まぬ 傷の音


舌の渦
声の洞
青の青の檻
空の囚人


遠い遠い 雨の色から
 ....
お前の肉のポケットに
数十年間腐らせつづけた
おまえ自身が臭っていて
皆なにか言いたげに遠去かり
皆なにも言わずに遠退いてゆく
花火になり
花火になり 消える花冠
打ち寄せる
打ち寄せる空の代わりに


どこまでも
どこまでも弦だけが
響きつづけることについて
ゆっくりと落ち 砕ける筒のな ....
雨のような風の音が
低い高さを走りまわる
電気と電気の話し声が
誰も居ない径を流れゆく


音が音を曇間へさらい
騒がしさは遠く 遠くなる
光から音 光から音
手をつ ....
言葉になりたくなかったものまで
言葉にしているのかもしれない


その責任を
言葉を記すものたちすべてが
負っていいのだ


負いたくないなら
自分ひとりが ....
冬が冬を抱くかたちから
噴き出るように羽は生まれ
冷えるばかりのけだものの声
一本の線に遠のいてゆく


永く細い針の重なり
薄く紅い流れのひろがり
目を閉じ ひらく日 ....
銀と灰の
やわらかな壁に囲まれた狭い通路が
縦に立てかけられた
白い布団のようなものに満ちていて
そこを通り過ぎて少し戻ると
金にかがやく部屋があるのでした



 ....
浪と雷鳴
岩に散る火
曇を照らす
縦を照らす


海は白く
雨の柱
かき混ぜながら
自ら溶けて


夜明けを吸い
夜明けを吸う
何処へも行かず
止まぬ震動 ....
かじり取られたたましいが
元のかたちを静かにたどり
川辺を覆う枯れ草に
うたうように立ち上がる


涙が涙を流し去り
夜のひとつの山道となり
何処に着くのかわからな ....
 



光を梳いた暗がりの川
朝と朝と朝の波音
刃の羽のはじまりと終わり
かけらを悼むかがやきの径


何処へも行けず 此処で眠る
水はさらに遠くなり
暗がりは暗がりのままか ....
乾いた滴の跡が幾つも
木板の上につづいている
溝の流れから逃れた子蜘蛛が
葉に残る滴を見つめている


遅れてばかりの日時計に
忘れた夢がよみがえる
水彩の音
水彩の ....
冷たい夜に
むらさきとむらさきが向かい合う
岩の径を
音だけがすぎる


鉱と鉛の紙
指を回る火の震え
小さな鈴の音をたて
砕けるように消えてゆく


空の一部をち ....
夜が割れ
なまあたたかい風が降り
明日の朝を見せ
ふたたび閉じる


標は暗く
音は見え 川は見えず
小さな鉄の声が灯り
水に映る夜を扇ぐ


三角の紙の群れの ....
水に嫌われ
水で追われる
隠れることもできず
すぎてゆく日々


飛ばされそうになりながら
どこへ帰るともなく進みゆく
すれちがう花も
すれちがう蝶もわからない

 ....
呼ばれ
現われ
戻れなくなったものたちが
一心不乱に花を愛でている


なびくはずのないものがなびき
冬はひとたび その身を隠す
鏡のなかを
動くきざはし


 ....
氷の上の雨
滴の上の紋
霧散 飛散
穿つむらさき


誰も乗っていない列車が
真昼の原を分けてゆく
集まる音
緑と無言


地の午後は昇り
空の午後は去る ....
光をまぶした冬の家から
粒の拍手が夜へ昇る
色 かたまり 分かれ 分かれて
まぶたの拍手 かたちまばゆく


鉄や真鍮をすぎる光
追い越し追い越し 消える光
水を追い抜 ....
何が起きても
見てみぬふりをする土地に
しっぺ返しが 訪れる気がする


何も無く
誰も知らない器の内に
ひとつの鈴が 降りる気がする


手のひらの傷に
 ....
果物の皮
草の波
腹をくすぐる
紙の飛行機


割れてしまう
雪の空
痛みはわずか
銀の柱


通りの名前
風から剥ぎ取り
霧に投げつけ
午後の川となる
 ....
静かに前髪が降りてくる
羽だけの鳥のように
やわらかな影のかたまり
ひらかれる ひらかれる ひらかれる指


見えない雪
目の痛み
息のはざま 光のはざま
土と風 ....
蝋燭で世界を燃そうとするもの
茎も葉も無い花のあつまり
冬の陽を模した手足の舞が
風に風を刻む夕暮れ


冬と 水晶の霧と樹と
エメラルド 空に刺さる音
遺跡を分けるひとつ ....
大陸が大陸を噛み砕き
顎から瀧が流れ落ちる
仰向けの空の背中に
海の光が照り返す


鳥は数字を紡いでは落とし
緑の輪 緑の輪
羊の喉と繋がる空
ゆうるりと廻る虹の柱 ....
旗についた氷が溶け
滴となって径に撒かれ
たくさんの音を描いている


砲声の半分は空を埋め
もう半分は地を満たす
笛は 曇の影をゆく


手櫛の雪
子の頬に ....
透明な砂地の樹が倒れ
枝が根に 
根が枝になり埋もれている
影が打ち寄せ 去ってゆく


空の名札が剥がれ
旋りながら落ちてきて
やっと捕らえることができても
暗 ....
ほどけて蜘蛛になる陽の前を
光の葉と穂がすぎてゆく
海に沈む
巨大な一文字


古い風はさらさらと崩れ
胸像の庭を埋めてゆく
誰かが居るようで居ない揺れ
家と家のはざ ....
爪だけを照らす
蒼い光
ひとつの指に
拡がる荒れ野


星の数だけ
痛みは冷える
砕けた冠
轟きは増す


二つの視線で
つまむ宇宙
それぞれの目の
 ....
時おり止まり
時おり流れる時間の上を
雪と羽はすぎてゆく
星に棘に傷つきながら


雪夜の森に星雲が降り
倒れた霧の塔にまたたき
朝の月 昼の月のふちどりが
消え ....
唐草フウさんの木立 悟さんおすすめリスト(137)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ノート(54Y.9・29)- 木立 悟自由詩217-10-4
水と虹- 木立 悟自由詩517-9-18
ゆくえ_焼砂- 木立 悟自由詩417-9-1
ひとつ_よせる- 木立 悟自由詩517-8-13
ノート(夏肉)- 木立 悟自由詩117-8-10
青と手のひら- 木立 悟自由詩217-7-29
辺_端_淵- 木立 悟自由詩117-7-23
ノート(負う)- 木立 悟自由詩117-7-18
ひとつ_描く- 木立 悟自由詩217-7-7
ノート(54Y.4・7)- 木立 悟自由詩317-7-3
砂と_巡りと- 木立 悟自由詩317-6-24
道へ_ふたたび- 木立 悟自由詩317-6-11
水へ_ふたたび- 木立 悟自由詩317-6-9
双つの色- 木立 悟自由詩517-6-2
白とける白- 木立 悟自由詩717-5-24
ひとつ_花歩- 木立 悟自由詩617-4-30
夜に至る夜- 木立 悟自由詩817-4-6
果てや_彼方- 木立 悟自由詩317-3-15
変化_またたき- 木立 悟自由詩417-2-26
ほむら_あゆみ- 木立 悟自由詩317-2-17
ノート(齋)- 木立 悟自由詩317-2-14
冬と祈り- 木立 悟自由詩417-2-11
ひとつ_視線- 木立 悟自由詩517-2-8
めぐり_潮音- 木立 悟自由詩317-2-4
ゆくえ_とどろき- 木立 悟自由詩417-1-28
ひとつ_帰途- 木立 悟自由詩317-1-24
ひとつ_海辺- 木立 悟自由詩1017-1-20
ひとつ_無言- 木立 悟自由詩317-1-11
そよぎ_しめす- 木立 悟自由詩317-1-6
鏡振街- 木立 悟自由詩417-1-3

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