すべてのおすすめ
風まじりの雨模様に海はのんびりひろがる
はてもなくさわがしい世間をのがれて
ぬれた花崗岩に足をすべらせおもしろがる
生きてきたそれぞれの体型に目がなれて
だまっていてもあたたかい空気にふれ ....
ガラス窓に黄色い熊
緑の幕ゆれる昼間
なんとおおきな図体だ
夏の青空にうかんだ

「全員参加で施設の点検
 一人一人の五分間
  始業前点検 
  終業前片付け復旧」

三ヵ月 ....

闇の海
闇の海のなやみ
闇の海のなやみの意味

いみ
意味のなやみ
あらゆる意味のなやみをのみこみ
海の波にたゆとう色好み

いろごのみの酒呑み
酒呑みのねたみの厭味
 ....
ちょっとあんたまた買ったのむやみやたら
よめもしない本ばかりあふれて気がしれない
バルザック? 二十六冊だって、そこいら
にあったじゃない『従妹ベット』やら『純愛』
荷風やら菊池寛やら小林秀雄 ....
歩道橋の階段に足をかけたのはもう深夜で
街道をゆきかう車のライトがやけにはやい
ひさしぶりに気分が昂ぶっていてなんで
突然そんなふうになったのか皆目わからない
下半身から力がぬけてよろよろとた ....
雨季のタレーがなみだつ。かなしみをたたえて、
すぎさってゆく時間をつらぬいて、
浮世のゆれつづける、虚実のいろがみえる。
とおい、タレーのかなたの国へ、ぼくはかえる。

すぐそこにきてい ....
もう何年もおまえをまっている。
とてつもないながい時間がすぎて、   
過熱した脳がすうっと凍結する。
雨のはげしくふる朝、ぬれねずみのおまえがやってきて、

にっこりわらう。ラオスとの ....
常夏の夜の底でぼくはアジアを抱いた。
こがね色にきらめくまばゆいタレーの中で
すぎさったはずの貧困がものがたられた。
あくことのない想像力の肉の中で、

一〇〇〇人の男とまじわった女はも ....
よあけの、ふかいしずかなタレーの中にも、    
やりきれない嫉妬がまっていて、
ほんのわずかなぼくの不在をうらんでいて、
おそいかかってきたのだ、手にも脚にも。

ひさしぶりの海水の感 ....
佛暦二五一三年三月生れの
ヤーとよぶ女に出会った夜
細胞の隅々まで思い溢れる  
早朝の散歩に眺める干潮の

タレー。遠のいて行く波の
後ろからあがきながらみる
果てないアヴァンチュ ....
プーケット島であそびつかれて
男たちはミニバスによこたわり高鼾。
たおした座席に足をなげだして
ふとめざめて窓越しにみあげるとき、

ああ空がとんでゆく。雲がながれて
刻々と色をかえる熱帯 ....
マレー人たちが群れ遊ぶ夜
路地裏に押し潰された家並
薄明りのしたで媚びを売る
タイの女たちの問いの意味 

なにも特別な意味などない
男たちが女たちにもとめる
たったひとつの部分的な哀
 ....
乾季にはいったらしく日毎
陽射しも強くなってまこと
南国らしいあかるい空の下 
元気ですと書いた手紙の後

ひどい雨がやってきました
ナイヤガラの大漠布の真下
さながら、川に浮かぶ船 ....
ぼくにはあしが二本あり
うでが二本ある。
どうたいが一つあり
しかもそのどうたいには
おもてがあり
うらがある。
あたまが一つ、かおが一つあるのだが
左のあしを三十分
右のあしを三 ....
血みどろの肉塊みつめ ふるえおののく
愛死の恐怖に そそぐ熱湯の滝
ほとばしる白い飛沫でも消せない記憶
耿耿と夜空にうかぶ 摩天楼の秋。

欲望の体系埋めてねむれる都市の
清潔な熱帯の緑は ....
天使のようにすんだ青い空
みあげている目にうっすら
涙がにじんでわかいみそら
浮世に見捨てられ上のそら

オレンジのように光る大地
いつもいつもゆれてる位置
だからいつもひとりぼっち ....
さがしあぐねた太古の村里
官能の奥にゆれうごく川面 
頑迷な細根の入り組む過去
身悶える蒼白い肌が密かに

産卵する苦悩の狡猾な意図
かも知れないのにもっとも
外見は無口な黒いシャム猫
 ....
一八五四年十月二十日 
北仏アルデンヌ県シャルルヴィルに生まれ     
南仏ブウシュデュローヌ県マルセーユに倒れ
空遠く消え去ったのは一八九一年十一月十日

一九九一年 ランボー没後一 ....
あつい陽射しの中にいつのまにか
とうめいな光がましてきて空は青い
『ジッドの日記』新刊本の表紙の白い
色に金と黒と朱の印刷文字があざやか

世紀末から新世紀をのぞむ思想家
にじみだすイ ....
雨が好きという小説を読んだことがある
雨が嫌いというのはあまり聞いたことがない
やらずの雨は都都逸にもあり乙なものである
城ヶ島の磯にふるなみだ雨はせつない  

雨よふれふれも悩みをながす ....
びっしりとつまった細字はかすみ
秋のかわりやすい天候のような
さむい冬のうすい存在と時間のような
たよりない国のざわめく都市の片隅

あたたかい寝床の中にもぐりこみ
じっと息をころし ....
一陣の風とともに
夏が 去る
この夏もついに
去年の夏はすでにくちはてる

おさない日
戦火
くりかえされた汐の満干
階段にひしめいた軍靴

あれる海も
もえる恋も
一族の歓談 ....
漆のように黒い闇が無限にひろがる宇宙の
おぞましい永遠の闇また闇の中に白い服が
浮かび小さな一点の眼がみつめる青い星の
なんという美しさ神様あれが人類の隠れ家

それにしてもあれは何だろ ....
途方もなく繰り返される通勤という愚行
なんとか自由になろうと編み出した歩行
いまでは神保町から西新橋まで徒歩強行
満員すしづめと戦いながらの空しい思考

電車と速歩各一時間でストレス解消成功 ....
インドの魔術師から花束をもらった夜
ぼくはなぜか平安時代の日本にいる
うらわかい細身の美女にかこまれて   

宴はすでにはじまっていて
ひとりの女をだきしめながら
官能がたかまりおもわず ....
真冬の外房の海は重く静かに
藍色に拡がり風も無く澄んでいる
寄せて来る波は高く聳え立つ岩に
強く白く砕けてその音に聴き入る
城ヶ崎海岸に立っても染み入る
目の届く限りの海は幻覚を乗せ
 ....
まだ若かった三十年前、薄っぺらいクラシックラルースをテクストに辞書と首っぴきで
ランボーを読み、痴がましくもその全訳を夢見たものだったが、十歳の少年が「金利生活
者になりたい」などと書いているの ....
ふたりしてはだかになってだきあい
てをからめあしをからめ
さけびながらのなみだあめ
ひごとよごとのむさぼりあい

おとことおんなのむみょうのせかい
えにかいたようながんじがらめ
あれはじ ....
秋霖 というのでしょうか 長い雨でした
三年 という歳月は 忍耐の最小単位
きみが家を出て一年ほどは手紙のやりとりが盛んでした
やっと抜けるような青空がひろがり快い
晴天がつづいているのだけれ ....
夏の空には白い雲がながれ
暗い緑色の湖にうつる木々
幼い想いを秘めた草いきれ
揺れて動く昆虫の青い狂気

母と若い二人の姉とぼくを
残して夏の日父親は死んだ
集まった縁者は皆知らん顔
 ....
たもつさんの狸亭さんおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
六月のバラッド - 狸亭自由詩304-1-23
黄色い熊 - 狸亭自由詩304-1-22
まぼろしの海辺にて - 狸亭自由詩904-1-21
悪妻のバラッド- 狸亭自由詩304-1-18
たちくらみのバラッド_- 狸亭自由詩204-1-16
タレー_6- 狸亭自由詩404-1-14
タレー_5- 狸亭自由詩204-1-13
タレー_4__- 狸亭自由詩104-1-12
タレー_3- 狸亭自由詩304-1-11
ヤー_- 狸亭自由詩104-1-8
飛ぶ空- 狸亭自由詩104-1-6
パヤオの女- 狸亭自由詩304-1-3
カノムは雨です- 狸亭自由詩204-1-1
古式タイマッサージ- 狸亭自由詩303-12-31
星港- 狸亭自由詩103-12-30
透明な平目_2- 狸亭自由詩203-12-29
透明な平目_- 狸亭自由詩203-12-28
ランボー讚歌- 狸亭自由詩303-12-26
夏休み - 狸亭自由詩203-12-25
雨が怖い- 狸亭自由詩503-12-24
白い頁- 狸亭自由詩103-12-21
夏、去る- 狸亭自由詩203-12-20
いまでも地球は青いの- 狸亭自由詩503-12-18
歩行による思考の試行_- 狸亭自由詩403-12-17
インドの魔術師- 狸亭自由詩403-12-16
冬の海のバラッド- 狸亭自由詩303-12-13
自己の言語回路からの自由へー九鬼周造著『日本詩の押韻』私解ー- 狸亭散文(批評 ...1803-12-12
はるのうた- 狸亭自由詩203-12-11
手紙- 狸亭自由詩303-12-9
五十三回目の夏に- 狸亭自由詩503-12-8

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