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友人から「いかにせん 茶飲み友だち」の上五、中七 を示されて、下五のみ、考えてみたもの。本来なら、「未句」という欄があれば、そこに出すべきものですが、ことばの面白さにつられて、付けてみました。

 ....
ピジョンロックというから
鳩岩 鳩の岩なのに
一羽の鳩もいないのはどうしたことかと聞いたら
人が撃ってしまったのだという

だから 鳩岩に鳩はいない
ベイルートに平和が来ないのは
まさか ....
人間の目は二つ並んで顔についていて
顔には体躯がつながっているから
目だけを切り離すことはできない
自分の体躯と一緒に目は移動する
しかも目は外を見るようにできている
生まれたばかりの赤ん坊 ....
灰色の朝でも、
朱色の朝であっても、
六時の時報をラジオが伝え、
その日がたとえば八月十五日朝六時のニュースです、と
個性を消した声がする。
日々つみかさねられ、くりかえされてゆく
あたら ....
蜘蛛の巣が
空いっぱいにひろがるように
石炭運搬システムはかたちをととのえつつある

複雑にからまる配管
たちならぶタンクの密集する水処理システムは
巨大都市のように姿をあらわすはずだ
 ....
六月の空を見上げると
白い雲が流れていく
「思ひ煩ふな
空飛ぶ鳥を見よ
播かず刈らず蔵に収めず」

人にあい人とかたることにつかれ
郊外の家にひっそりとこもり
目をとじると
さびしそ ....
十九世紀の石造りの建物が
蝟集する街
周囲に広がる田園や川や木々の緑の
歪んだ円形が
豊かにどこまでものびてゆく

牛糞が舞い
排気ガスや人の群れの
めくるめく騒音の海から隔てられて
 ....
言葉忘れたカナリヤのニヒリズム

金色の缶ビールお墓は草茫茫

夏痩せしたい狸の太鼓腹

古里なんてあるものかと炎暑

しろい両腕を頭に乗せて突き出す乳房

もう久しく机に向かって ....
インド最大の商業都市ボンベイ
高級ホテル 三十五階建てオベロイタワーの窓から見下ろす
女王のネックレス

アラビア海に沿うて
ゆるやかに湾曲してはしるマリンドライヴは
女王のネックレスと呼 ....
不機嫌な運転手の硬い毛髪の臭いに堪え
埃塗れの道を走り続けて永い時間が過ぎ
険しい人の顔が溢れ活気ある村落に着く
下半身に溜る不快な重量は増大してくる
乾季のただ中に晴れ上がった大インドの
 ....
江戸へ留学中との便り届いた

冷房の部屋に江戸の伝奇小説

復讐奇談安積沼山東京伝

桜姫全伝曙草紙もまた

沖縄旅行のパンフレットの華美
汗掻いてひたすら歩く狸の里

ハムもソーセージも食ってない

犬を連れた貴婦人ばかり糞をして

懐かしき乳房の重さはや夢か

なんて明るい人斬りの夏
バルザックもゾラもうんざり残暑かな

葉書来て柏木如亭少し読み

ひぐらし旅館ならぬその日暮し

歓喜天どこへ行ったかわが八月

真夏のゴリラ空を見上げて元気かな
西北東三方を山に囲まれ
南東は関東平野に面する内陸県
高崎から下仁田を結ぶ上信電鉄沿線
南蛇井あたりの豪農の何代目かの曽祖父の放蕩がもとで
国を追われて富岡に出てきた祖父徳太郎は
赤貧洗うが ....
照り返しの眩しい白い階段をのぼる
六六段を数える
栗の木の緑がむせる
コンクリートの階段だ。

後ろを振り向くとまだのぼってくる人がいる。

毎朝沢山の伝票を抱え
昔のぼった経理部への ....
長男 22歳 
卒業研究題目「二次元突起列を有する平行平板間の流動性」序論 実験方法 結果 エネルギー 有効利用 機器 小型化高効率 熱交換機 伝熱特性向上 工学上重要 問題 壁面 伝熱促進方 ....
  1
弟悦章は一九五二年四月二九日
英生院法安育徳童男になった。
母こまは一九七九年一二月一九日
淑生院妙玲郁徳信女になった。

父今吉は一九八三年三月二四日
瑞生院法禅嘉徳信士になっ ....
お墓参りに行くから早起きしよう
しかも
いつものように バスと電車とまたバス
ということでなく
自転車で行ってみよう。

そのとおり
めずらしくみな早起きした
長男 長女 二男 三男
 ....
明るい
床の上
人頭大の
石ころが
二つ
向かい合って寝転んでいる。
色違いの格子縞のシャツを着たりして
そのくせ
肉体は
無い。

人は誰も
生まれて
死ぬが
詩人
金 ....
05:50 目覚ましが鳴る
ピッピッピッ
頭を押すと目覚ましが止まる
ピッ ピッ ピッ ピイ ピイ ピイ
小鳥の囀りにかわる
ぼんやりした靄をつきぬけて
06:00 妻が起きる
06 ....
おとこおんなおとこおとこ と
四人の子らが次々生まれ
奥様大変ですねえ と
まわりのひとはみんな言う

五歳 四歳 二歳 三男坊は七カ月 よくもまあこんなに連れて
はるばると来たものですね ....
人はなぜ恋文を書いたか
体内の炎を紙につけて燃やすため
でもあるが案外
紙と鉛筆がそこにあったから

近頃では
恋人たちはテレホンカードを消費する
電話器は二十四時間鳴りっぱなしで
体 ....
何処か知らない 浜辺
の砂の上に座りこんで ぼんやり
海を眺めていたようで
すぐそこの岩屋の蔭

から蟹が一匹
ちろっと動いた ように感じて
眼を凝らそうとしている
つもりが逃げ ....
フィリッピンの
バタンガス地方
カラカの
小さな漁村が消え
三〇万KW石炭火力発電所 出現

あつい日盛りで
海には風もない

遥かセミララから
ふるぼけた石炭船が着いて
なんに ....
舞台の中央には透明な攪拌機がありまして
僕によく似たピエロが登場します
ピエロは無言で虚空を凝視めると
両手をひらひらさせて様々な八月を取り出します

粗末なリュックに詰め込んだサツマ芋 ....
隔離された仄赫い闇に影二つ。
兄妹のようにも見え恋人のようで
単なる友いや仇敵の頭骸骨。
何故どうして一緒にいるのかあくまで

秘密のようだ。だあれも知らない三月。
それぞれの幻灯をもって ....
たもつさんの狸亭さんおすすめリスト(86)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
いかにせん茶飲み友だち- 狸亭俳句503-12-5
ベイルートの鳩の岩に- 狸亭自由詩303-12-3
百億の目の数だけ目の位置があり- 狸亭自由詩203-12-2
ぼくはあたらしいか- 狸亭自由詩1003-11-28
現代詩は貫流するシステムを越えられるか- 狸亭自由詩703-11-25
思ひ煩ふな空飛ぶ鳥を- 狸亭自由詩803-11-24
カルカッタの動物園にて- 狸亭自由詩303-11-23
続続続続斬暑御礼- 狸亭俳句103-11-22
女王のネックレス- 狸亭自由詩203-11-22
水牛を追う少女- 狸亭自由詩403-11-21
続続斬暑御礼- 狸亭俳句203-11-20
続斬暑御礼- 狸亭俳句203-11-19
斬暑御礼- 狸亭俳句203-11-17
今吉とこま- 狸亭自由詩503-11-16
階段- 狸亭自由詩503-11-11
平成元年ヤング事情家庭篇- 狸亭自由詩703-11-9
戒名 - 狸亭自由詩303-11-7
おぼん_’86- 狸亭自由詩403-11-5
石が話をしている- 狸亭自由詩303-11-4
何もない日の朝- 狸亭自由詩303-11-2
男女男男- 狸亭自由詩103-10-30
恋文考- 狸亭自由詩403-10-29
コレスポンダンス- 狸亭自由詩603-10-6
石炭船の船長の話- 狸亭自由詩403-10-3
八月のミックスジュース- 狸亭自由詩603-9-28
幻灯- 狸亭自由詩103-9-18

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