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ぼくのココロとかいう愚がプラスチックでできているらしい、とのことを知った夜だった。冷蔵庫は突然ブイーンとか鳴って、唐突な哀愁の、青色を特集した雑誌がぼくらをブルーに攻め立てる。明日いつどこだか知らない ....
車の走る音が聞こえていて、「くらい」と「くろい」の境目をさがしています。光る点は、ぼくは、時間とは。かすかに白がぼやけて湿らせた夜、ゆら・ゆれるあふれをせきとめるようにして、すれ違う日々/人々をなぞり ....
夜闇。暗さに光線、たとえばただアスファルトの隆起したひとかけらを照らしている。点は(このままだよ)とささやき、いつしか光の粉をまいて。すふすふと積もり、埃のようにけむりながら少 ....
鳥角度、見た(ぼくの)ひとにちを終電車、ふりかえり逃げる。どうしてあんなことを(こどもの)と流れてゆく(せせりだしてしまう)蛍光灯。つるつるとした(足の爪で)金属の棒にもたれか ....
夕、の
色褪せた
暮らし術が浮遊する書店をあとに
ネクタイが黒光る昆虫にもたれかかられ
車内から逃亡する方法を探し
散在する吐露をいぶかしがりながら
圧し焼ける空がつぶれ落ちる坂道 ....
それはもうやわらかさの
空気の眠い部屋が体積を主張し
捏造した自信がゆるりと溶解する夢の直前に
膨大に散乱するやわらかい洋服の
それはもうやわらかさの
叫べど数学的に整頓される時間で
おも ....
洗濯機が、地響きも小さく回っています(グオーヤ、グオーヤ)。床をころがる、ずり回る、LANケーブルの蛇たちはついに世界をぐるぐると征服、電線のフリをして鳥たちをからめとりました。地響きの回転は早くなっ ....
駅前にすべり込む黒塗りのクラウンに太陽光。降りてくる半起ちの牛若丸に「クソ暑い」と吐き捨てて夜を待てば、彼女は得意げにチャイナドレスを着て「誕生日のプレゼントだ」と言い張る。ああやりきれない。「バロッ ....
肌を、エア。気づくとイラつく太陽は頂上。知らずのぼくらの、ここそこあそこを均等に、均等に照らすのでした。光、光光、だから見えるってさ。記憶って、街中に溶けて流れて固まってつまり建物とか電柱とかそういう ....
歩きながら印をつけて、この探検のタイトルは未定だ。バウンスしてクリップ、クリップ。スタートを風のように切ったぼくらなら、どうぞご自由で。つまりは丸い月をどうなぞるかとかそういう ....
喉の奥の、肺の先の、それでも呼吸器とは歴然と違う部分です。詰まるものを、イマジン。そんなようなしびれを指先に集めます。午後の窓の外に体を拭く記憶が放置されて、ユラる洗濯機の渦か ....
ビーチサンダルのペタつく音にアスファルト、ひとり。光るのは蛍光灯と蛍光灯とそのまた右の蛍光灯と増える増える増える、倍々に膨れ上がる音響のように目をすぼめれば「ほらほら丸くないよ」と跳 ....
コントロール、して、クローズ。巻き付いて離れないターバンのような頭痛が周りを跳ねて泳いでトビウオの羽が銀色に輝いて次にくるくると高速で回転してターンテーブルを指先で逆回せば戻るような軽やかな時間に華や ....
[あ]
明日は晴れますと断言する少女と、一概にこうとは言い切れない少女とが、嘘が上手すぎて悩み方を忘れてしまった少女の、絵になって仕方ない少女なので、大きな木の下で哀れなオレンジに照らされている少女 ....
どうにもやるせない自転車です。雨水の玉つぶてなサドルの革を「そうでもなく茶色だ」と言って、拭き取ればままよ、と走りました。光、スロウ、アウェイ。そして溶解するするりとした残像を肴に、ウィスキーに言い訳 ....
話し相手をさがす。空白は濃度の問題で、強い時間に埋もれるほど離れては胃の中で体育座るかのような空洞、そう、空洞にも逆説的な密度があって、クラクラとしては見失ったスタイルに慣れて、ぼくらは文字通り緩い財 ....
1.エスパー(もしくは君)
エスパーも、変わらない。ただ気づいてしまうというだけで、同じように揺れ動いて、俯して、辛うじて立ち上がる。忘れてしまおうとしては、切れ端に、文字。読めないけれどつ ....
よこあるくスベスベを、イメージの先に融解する。
涼しくさらっていく風が、撫でるのは喧騒だ。
こうしてぼくらは息をしていて、いつもいつも、いろいろな状態をことばにする。悲しい。うれしい。お腹 ....
まろんまろんな、かなしみだ。貧血でクラリとするときのあたまのイメージは、からっぽでしょう。カウンターパンチで、どう?投げて様子見、投げて様子見で、過ぎていくは時計の針、折り折りだよ。四角いだけのビート ....
そんなもんはすべて、知らないフリだ。
そんなもんは。だ。
左から右へ焦燥をフェードしてつきぬけるのは、たとえば車が走っていって、硬質さが強がりをほんのひととき掠め取るのは、たとえば ....
ぼくらは電波に乗って。
つい揺れて悔いて後退るぼくの間違いも、変化する内側を訴えるきみの気まぐれも、あけすけで譲らない誰かの嘘も。電波に乗って、浮かんでは飛び交うそれらがもし、全て空気中にう ....
陽が当たらないこの部屋には夜が堆積したまま、おはよう。
けして眩しくはないけれど、それは挨拶だ。
腕を下にしていたのでしびれた。下敷きが平たく硬いのは、しびれずに楽に生きていくための防 ....
ニュー。ニュー。
新しくなることについて考える昼すこし前の柔らかい光だ。
上着のポケットにしまっていた石を垂直に投げる。加速度と重力。そう、加速度と重力がせめぎあうその瞬間の曇り空に、押し ....
スライド、スライドしていく音階に、立ち止まるための目印はない。ギター、弦の上を滑ってゆくぼくらの、とめどないものを抑制する旅。そしてタブ、タブ譜を読むためのフレット、フレット。区切りをつけて、数を数え ....
リバーサイドは
駆け抜ける5歳児の髪にからまる花吹雪です
遠くを
視線が地平に出し抜けてカーブする先を
指折り数えている ものおもいする午後は
集合が いつか知ったことのように繰り返 ....
きっとこれはライグレと煙草で
味とも匂いともつかない艶めきが乗りかかる部屋に
トタンに雨が踊り狂ってしまって 音楽のほうが薄っぺらで
勢いあまって気が違ったか なだれかかり
この季節の 凡 ....
駅のホームは終電まで1時間の23時で、ぼくは「のりかえ」が「チェンジ・ヒア」と訳されているのに気づく。「チェンジ・ヒア」というのは「いる」ところからスタートしているが、ぼくらは「いない」ところからスタ ....
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みずたまる、みずたまる、みずたまるこ。
みずたまりに、みずたまるこ。
みずに、みずみずし。みずたまるこ。
みずみずしみずたまり。みずにみずたまるこ。
むこうみず、かえりみず ....
自転車のサドルってやつは、大抵ピッタリしているものだけれど、一瞬どこだか忘れてしまうその名前はさておき、色はタンカーから流れ出す按配の、石油的な黒だ。とにかく座る場所なんだけれど、それがそいつはどうも ....
夜になるとたまには
その日の些細なシーンの積み重ねで
あわよくば 後戻りしたくなります
ぼくらの夜は
そうやって 濃いっぽい空に包まれ
浮かんで混ざって消えていく それらで出来ている
....
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