カロライナ・オールラック
nm6

 
 
 
ビーチサンダルのペタつく音にアスファルト、ひとり。光るのは蛍光灯と蛍光灯とそのまた右の蛍光灯と増える増える増える、倍々に膨れ上がる音響のように目をすぼめれば「ほらほら丸くないよ」と跳ねる月も一緒だ。ペタつく音はスラタスラタとすり減って、カロライナ、何度もループする問いはハテナのカーブがシュートするくらい同じ答えで。ぼくらは負けず嫌いに輪をかけてフラフープの腰のようにとぼけた角度で世界を俯瞰する気分にかまけるもエスケープ宣言しない負けず嫌いだけれど、さて、ぼくはきみになら負けてもいいとか少しだけ思う。


詰め込めば広がるビニールの白くなる部分を、きっと空における雲のようなものだろうと思って伸ばしている。いつか降る降る降る、穴が空き破裂する雨を撫でるように眺めれば「ほらほら過剰だ」と裏返すバケツも一緒だ。ビニールの夢は果ててただうなだれて、カロライナ、何度もループする問いはハテナの点が線になり面になるくらい同じ答えで。ぼくらは嘘つきに拍車をかけてトロッコの暴走が止められないスピードで回転した頭が繰り出す上塗りがエスケープ宣言しない嘘つきだけれど、さて、ぼくはきみに負けるわけにはいかないとか少しだけ考える。




スイッチを切り替えよう。
ぼくのはひねるやつだが、タッチセンサーなやつもいる。


オン。




蛍光灯の倍々ゲームが、ビニールの雲に降る雨越しに見える。カーブがシュートして点が線になり面になって、クエスチョン、アンサー。ループするぼくらのハテナはいつもいつも思い通りで、ループするぼくら、は、いつもいつも。すぼめれば一つになる光が鼓膜を打ち振るわせる音量のようにやさしく包み込んで、運がいいんだ、と繰り返していれば、オン。クエスチョン、アンサー。少しだけまた立ち止まって、前を向いて後ろを向いて上を見て下を見て。カロライナ、そうだ、止まらないパーティだ、よ。


自由詩 カロライナ・オールラック Copyright nm6 2004-06-29 21:54:35
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