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今なお
例えば通り過ぎざま つい降り返るときも
大抵は どこか似ていたりするのですが
ときにうらやましく思います
ひょっとすると 謝るのも筋違いです
幸せそうに笑っているでしょう
うれ ....
ベランダに産まれた雛を祝福します
遠吠えでもいいでしょうか
忙しさに そぞろにかまけます
できないものはできないので
ベランダで空地の雑草が生い茂ります
今なお 石に躓く幼さですから
....
青信号の色は淡い水色にちょっと緑色がかっていて
クシャミとも咳ともつかぬ勢いですり抜ける
ぼくらは
マンホールの下に流される水の色を確かめる術がないので
黒い地面の バリエーションにとんだ想像 ....
丸まったマフラーがぼくらの頭に見えます
黒かったので
そういえば ぼくの20万円はたいた
この出入口も黒いのですが
むかし 色はつくれません
ぼくらは 植物と一緒にくらしてきたので
R ....
1.
かめはめ波のポーズで
洗濯物に影をつくるその細かなしわから
隙間に入るハイパワーの酵素になって
ぼくは自分の皮膚の細胞のそのわずかな隙間から
入り込んでしまったくだらない時間を ....
槍投げですか。
投げやりだが、
おうおう。
なんだよ、特に話すことはないよ、
別に、
それは、最初はあれだね、
まいいや、いそがしくてってて
仕事なんでば。ん、なんだ ....
全然違ってしまったときには
炭酸のような音楽を
太陽が間近の窓で
メッセージを少しだけ受信する先の
光って白くなってしまって
見えないのは
ただの 気のせいさ
....
足先のようにつめたい
するどさの くるおしさの 家路につきます
耳たぶは 暖かそうにも 通りぬけて赤いし
温度の分からない小石に躓いて
ストーブで焼けた服が
怠けた洒落心に 鞭打つので
....
パランカ・トランカ
ぼくらの思いつきの架空の都市ですが
なにが名物だろう と笑いあいます
きっとそれはぎょうざのような食べ物で
チリをつけて食べるのでしょう
パランカ・トランカ行きの ....
空の底に飛んでいく何かを眺めたいのですが
ただでさえ寒いこの部屋の 窓は開けません
想像してください
「矢印が3つばらばらに別の方向を指していて
その三角形の真ん中には 目のグラフィック ....
だからクーピー
暗室に三日月を浮かべる夢なんだそうです
地の色は黒です 真ん中に黄色と白
アルバムをひっくり返して
深呼吸
サル顔の赤ん坊の名前を呼んでください
逃げません
塗り ....
肌を刺す自転車の風アマルコルドままよ抜け切る踏切の溝
満月と見紛うばかりに丸時計ゆくりゆくりと短針の夜
クラクションパパラパパラに道路際過ぎ去る豚の色彩の妙
暗闇に減速する性からから ....
君と僕は天気予報をしよう。小さな声で。今日のことで明日のことを考えるので、植物がのびるようにそのまま続いていくから、おぼろげな勘でいい。
ウェザー・リポート、ウェザー・リポート。スープはトマ ....
トビウオがサンマの仲間であるのと同じくらい
パラシュートはビニール傘の仲間であるので
空から降ってふわりと揺れる君の昨日のことばと
肌を冷やす冬の雨を避ける僕のかなしみとは
そんなに変わらない ....
シェリー・シェリー
元気ですか? という意味だと
いうことにして ビール
浮かんで浮かんで押し寄せる
図らずもまわるカラッポの観覧車の午後1時に
昨日電車から眺めた風景の残像でした
....
なぜだか忘れてしまったりするので
書いておく
そこにも あそこにも
ピリリと鳴ったり 震えたりすると
ポケットの上から触れずにはいられない
現代人なのですか といわれればそれはそうですが ....
どうしても白熱灯でなければいけないのです
冬はあたたかいし
心なしか 黄色く胸がおどり
照らすと天気の記号のように半分になるので
そう こわれものはやわらかな
空気の入ったビニールでつつ ....
堂々巡りの話が止まらないのでいっそのこと
回り回って溶けてバターになってやろうかと思ったが
パンのカリカリの表面の上できれいに塗られずに固形のまま
押しつぶされたりするのが嫌だったのでとにかく反 ....
喉の奥を製本したような風邪をひいて
いっそのこと美しく装幀されて図書館でカビ臭くなりたいと夢見て
布団に入るといつのまにか17時間半経っていた晴れた午後4時に
炊いたお香でひとつ咳をして
....
机の上で顕微鏡に誤解されたい
絵に描いた夢に初恋が覗かれて
家出の新聞記事に胸を痛めたその隙に
始まりと終わりが泪の後で同時に流れた
ツー
ツー
流れた
ひっくり返ってたたみかける空 ....
卵、みせかけのベニヤの殻をぺりっと突き抜けた
明るい中から暗い夜へうなだれぶち込められたどろりの光を
そのまばゆさの産物がひとつひとつ小さなゼリー状で次々と分裂し
粒が粉になり地球上に拡散しまた ....
全身黒ヘッドフォンが千羽飛ぶ 都会の空に響く雑音
*
一羽からは TOKYO-FMのハーフのDJの声
(猛暑苦)
一羽からは ソフマップに行くとかかっている歌
(広東語)
一羽から ....
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