浸された水は
つめたく
ねがえりもできないほどに
なぜか凍みたまま
あの人ごとをさらって
いって

かなしい
のふちにいるあの人
たしかにいかされ、芽生え
一つの
さむさの中にい ....
一.


青を
反故にした

よりも
事情がある

真昼につき、
雨はふらない




二.


鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手 ....
  未来への現実的な不安と
  矮小でそれでいて強固な無知の塊
  それと あの娘のスカートの中の世界が
  十四の僕のすべてだった



  鼻がもげるような春の異臭は
   ....
ゴダールの中で女が叫んだ

芸術とは フォルムを人間的にするものだ と。

生きた人間は、しばしば死んでいる
私はそこに存在していた
ただそれだけだ


あなたは 見ている


 ....
まず 最寄の駅に向かって下さい
そして みどりの窓口で「鳥の国に行きたいんですが」と言えば
ほぼ確実に「え?何ですか?鳥取?」等と聞き返されますので
「”鳥の国”へ行くには、何線に乗れば良い ....
{引用=


   ワるつ

暗い モン・マ%#*:〜の丘に立つ
やせた木の
枝から離れた
一枚の枯葉が
静まった 晩秋の街路を
からからところがる

遠い向こうで
猫の影が ....
・僕は電車で真ん中に座る

少し語ろうと、思う。今しか語れない事や、それから少し前の事を。先の事を。
もうじき30歳になるある日、僕は友人と酒を飲み、そうして勢いで、次の日の仕事を休む電話を会社 ....
孕まないことにすがるのはよせ、と
男は背中にいろいろな武器を背負う
産卵を邪魔しないで、と
女は腹にいろいろな楽器を抱える

部屋の中がけむくじゃらになって
お互いの顔も見えないのに
ど ....
めまいがするほどに単純な設問の数々
「はい」か「いいえ」のいずれかで答えよと記されていた
簡単な筆記試験だからと
人事部のひとはわたしを残し出て行った
小一時間もあれば出来るよね
何だかなあ ....
窓辺のヒヤシンス







薔薇戦争が波打ち際に青いヒヤシンス騒乱を呼んでいた...



青い油絵具のような花弁が幾重にも重なっている戦争を見ながら

 ....
赤い川縁を歩いていた時
僕にとっての君と
君にとっての僕が
同じだなんて信じてた

夕暮れの合図が
街に鳴り響いた時も
どうにもならないことなんて
どこにも無いって信じてた

月が ....
雨の降る夜
マンションの入り口に猫
雨宿りしてるみたい
近寄ったら奥に入ってった
でも
見える位置で待機
こっち見てら

毛繕いして
寝転んで
そのくせこっちの動きには敏感で
一 ....
電気をつけて

ぶっ倒れるまで 

起きている
缶詰は


ラベルがない方が


うまそうだ
 公園の水のほとりで
 老人が自爆している
 ソフトクリーム胸に突き刺しながら


 芥子色のニット帽が
 つぶれて落ちている
 喘ぐ声は、聞こえない


 だ ....
外から
窓を叩いている
さむかぜが吹いている
部屋のなかで
ふくらんだふうせんが
飛んでいる
鍵はかかっている
入れる扉もない
窓を叩き割ることも
思いつかなかった
ふうせ ....
{引用=



水の中を
月が通り過ぎていく

 旅人は何処へ行くの



水の中を
夜が通り過ぎていく

 旅人は何処へ行くの



水の底を
風が歩んでいる
 ....
ひとりで
回転寿司に行きますと
何周もしている
モンゴイカにふと
周回遅れのじぶんじしんを重ねて
真向かいの
ホスト風の男が
うにいくらと注文しているのを
同じ色の皿ばかり積む私は
 ....
ゼリー状の七色のトポスが死んだ日。――
愛しいカルメラを焦がした甘い匂いまでが
いつか知らないうちに喪に服しちまったみたいで
それは廃れた漁師町の瓦礫の打ち寄せられた海辺にも似て
今宵も古びた ....
ラジオステーション#12で
女たちの嬌声がはじまっている
ぼくたちは通信を確立しようとする
月は襞におおわれながら、
打ち破られるのを待っている
低周波電流で筋肉をびくつかせ
煙草と硝煙の ....
{引用=




 月の光があたりを
 照らしています



むかし海辺の寒村に
傾いた粗末な小屋があり
結婚間もない若い二人が
寝ていました
あまりに貧しくて
布団の代 ....
 001: ママが偶数ならパパは奇数 〜Mother Goose&Father Keith〜


ママは卵を二つ割る パパは煙草を一本吸う

ママは窓を六枚拭く パパは欠伸を三度する
 ....
{引用=



 明け方の空に
 白鳥座は見えないのですが

  九月なら9時ごろ
  天頂に見えます




あるとき あの人は
白鳥に呑まれた魚だった
その十字架にぶ ....
歩幅の合わぬ錦帯橋で
先人のそれを知る

真似てはみるが無駄なこと
染み付いたものを落とせはしない

悔しさは川に流れることもなく
虚しさが風に吹かれてやってくる

怨めしの吐息を柳 ....
哀しみをうたにしたいのだけど、
感情は言葉になる前に溶解して、
つるりと喉の奥へ消えていったよ

哀しみはどうにか優しくなろうとしていたのか
最後にスープのような、甘い味がした


誰 ....
パサリと乾いた音がした



遠くに何かが有るのだろうが
僕にはそれが何なのかは見えない
夜中の公園のような気もするし
昼間のようなな気もする
それは随分と昔に見たような
初めて見る ....
{ルビ蟷螂=かまきり}の貼りつく道の女かな 美しい国が
海岸線を漂う
せつない季節があった
溢れ出す
何度も調整された成分が
朝日でも夕日でもない
光にただ照らされ
そのたびに
つないだ手を
何度も握りしめた
          水に挿した青磁器を彩る

          切り裂かれた花々たちが

          私に{ルビ現在=いま}の終わりを告げる

          過去の栄華を断 ....
授業の間、生徒がノートをとりつづけるだけの
つまらない教室の窓の向こうにS山があって
半世紀かけて、削りとったそこには
これまたつまらない工場と採掘現場の跡が残る

どんよりとした曇り空。ワ ....
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