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世界の端っこのようなところで
僕と牛とがシーソーをしている
ぎったん、ばっこん、する度に
審判の人が紅白の旗を挙げて
正誤を判定する
あまりにも長すぎたね
どっちがどっちなのか
....
星空を見たかったのに。
外は青空だった。
夜まで待ったら。
曇空で。
夜空は、冷たかった。
いつも一人で帰った通学路
部活でレギュラーにはなれなかったけれど
この道ではスーパープレイの連続で
この時ぼくはヒーローだった
いつも一人で帰った通学路
テストは平均点より少し下だったけ ....
遠くで犬が吠えている
冷たい雨が降り続く中で傘も差さずに
僕は何処に向かう訳でもなく歩く
季節外れの桜は花弁の代わりに葉を落とす
認めずに生きようとする自分の愚かさに気づく ....
秋の夜に車を走らせる
いつもよりも何か
エンジンが優しい
まっすぐな道のその上には
星が散りばめられ
宇宙を走ってゆく
いつもりも何か
ハンドルが柔らかい
曲がる道のその上にも ....
ここから始めようか?
無限に続く悪意と、絶えない善意で彩られた我等の庭。
いつだってここが原点で終点だ。
この閉じた園は、決して開かれない。
君達と初めて出会ったのはこの場所だし、君達と別れた ....
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ぼくの町ではさあ
エプロンについた醤油のしみまでが神々しく輝くんだ。
- 朝 -
そいつを封筒につめてだな
なんにも書いてない便箋一枚
一緒にいれて。
灰色した丘のうえのポ ....
子供の頃は
船乗りになりたかった
世界中を旅して
冒険して
人食い人種にとらわれて
奇跡の脱出
漂流して
魚食べて生きて
雨を集めて
さめを殺して
奇跡 ....
水に流すは あなたのいたみ
流して晴れぬは わたしのおもい
春なら雛に のせましょか
夏なら精霊に のせましょか
秋なら紅 ....
十月の
夕刻にしては
あたたかい風が
秋の
冬の
装いを始めた草の
乾いた匂いを運んでくる
霞がかった空は
穏やかな表情で
まだ染まるには早い
青く連なる山々に添う
静か ....
そして狼は一頭で、
舗装された道路を、泥で汚れた足で歩き、
駅からマンションが並ぶ踏切を抜け、
渋谷までの国道246号を黄色信号で渡る。
曇り空は湿った風。
吠えるべき月は、ない。
爪 ....
行け その細い径を通って
白銀の雨のふる 森のなか
あたらしい宝物の絡み合う蔓植物の
つまらない詩句の鎖を見て来い。
案外つまらない
つまらないものなのだ
それゆえに ....
最近冷蔵庫に
レモンを一匹
飼っていたら
今朝
絞られていた
何か飲むときにいつも
瞬きを忘れるおまえは
俺をじっと見つめながら
こくこく
ちいさ ....
秋の絵を描こうと思って
外に出たら
筆を忘れたことに気がついた
これでは紅葉が描けない
真っ赤な葉の中にも
黄色があることを
描きたかったのだけれども
秋の心情を書こうと思って
シ ....
爪からこぼれる蜜の香りは
やさしく手毬に
塗り込めましょう
今宵
千切れてしまう羽はいくつ
枯れてしまう草木はいくつ
夜露は静かに
鏡となって
子守唄がにじみます
いつわりの片鱗 ....
胸の奥の底のある
ムズムズの原因のばい菌は
苦いクスリで押し込んだ
ちっちゃな天体望遠鏡をのぞき込んで
かすかに見える星達に意味無く涙をながした
黒く揺れるブラックコーヒ ....
ふっと ついた ため息が
風になった
風は コスモスを 揺らして
遠くへと 視線の先よりも 向こうまで 吹いてゆく
君 住む 街まで
届くだろうか・・・
君の やわらかな ....
脈を取ると指先に
セミの鳴き声が
伝わってくる
僕らの身体の中にも
駆け抜けていく夏があったのだ
どうかお元気で
手を振り
手を降り返したあなた
あの日に
友だちでいてくれて良かった ....
頭のいい人は頭を使わない
頭を使わないから
頭を使わないことを考える
みんなが考えて
悩んでもできないことを
頭のいい人は
簡単にできてしまう
頭のいい人は
みんなが考えて
....
「パリーへ二人で行こう」
あの頃は佐伯祐三に焦がれていて
寝物語に囁いた僕の言葉を
君は黙って受けとめてくれた
僕に離婚歴があることを
君は問わないでいてくれた
僕が夢見たパリーの空は
....
深い悲しみの色だわ
胸に漂う紺碧の思い出たち
今でも夢に見ているの
あなたと出会った嵐の夜を
もう一度愛がよみがえるなら
私のすべてを捧げてもいいわ
あなたの腕の中で生きられたら
何もい ....
家に帰ると
なかったはずの、が
いて
言わなかったはずの
おかえりを
言ってくれる
それから
なかったはずの
夕食の支度が始まる
なかったはずの、は
キッチンで月の光のよう ....
急に寒くなった秋の雨
道の脇に山から下りた
小さな紅葉の葉が
流れてくる
赤や黄色に光沢が施され
艶やかなるも
どこか悲しく重々しい
どこへ流れどこへ溜まるのか
行く末知らぬその姿を
....
夜の駅前で、響く弦も。
かれた声の唄も。
イヤホンから流れる、完成された唄に、
かき消された。
夜の闇も、彼を飲み込もうと、
段々と、暗くなっていった。
こ ....
ひとり きりの キッチン
包丁の 手を止めて
ふと
顔を あげた 窓の外
枯れ葉が 一枚
はら はら と 落ちてゆく
まだ 半袖のわたしは
深まり行く 秋 ....
彼岸の頃になると
その場所は
真赤に燃えるようでありました
急な勾配の細い畦を上れば
今来た道を遠くまで
見渡すことのできる墓所
形を成さない朽ちた石版と
名も読めぬほど苔むした石碑 ....
太陽の素顔が見たいなら
ここに来るがいい
ただひとり来るがいい
そしていつまでも
地平線をみつめるのさ
今は夕暮れ
心まで夕日色
果てしない夢追いかけた
あの頃がよみがえる
そう言うと思った
僕は
君が思ってる以上に
君のこと
知ってるんだよ
桃の産毛がこそばゆいので
黄昏は早くやって来る
桃の実を齧ると
甘い果汁が口なかに広がって
心をほわんと幸福にしてくれる
この愛らしい実のように
私もすこしは
やわらかくなったか ....
その部屋と
その人は動いていた
その人がここに来てからずっと
何もかもが止まることなく
動いていた
その人が
うれしいときには
その部屋も笑い
悲しいときには泣きもした
....
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