すべてのおすすめ
後悔しないことなんてない
何をやってもどれを選んでも
もう一人の自分を羨んでしまう
もっと幸せになれたんじゃないか
どうしてこっちに来ちゃったんだろう
そんなこと考えるうちに
行き場の無い ....
ぼくたちは生きている。
これまでもこれからも、
そして今もぼくたちは生きている。
世界にはぼくたちがいる。
たくさんのぼくたちがいる。
たくさんの ....
女の指先に乗せられたヤジロベエは
ゆらゆらと揺れながら
いずれどちらかに傾く
選ばれなかった私は
女への愛よりも、
相手より何が
足りなかったのか
少なかった ....
あなたが書いた詩を読みたい
あなたは
詩を書いたことがなければ
詩を読んだことさえもないのかもしれない
だけど
あなたが一生懸命書いた詩を読んで
誰が笑うものか
あなたが書いた詩を読ませ ....
金平糖の故郷はどこにある
ご主人様の命令で
落とした飾り羽根を探し
少年と少女が町を爆撃した
美しい焼け野原を眺め
満足そうに微笑んでいる私
(大きなお釜の中で)
グルグルと ....
お店を出してくれたあの人は
やさしいひとでいい男だけど
私の好きな人じゃない
5年もごまかしてきたけれど
もう、避けられないみたい
貴女はそういうと
二人きりになった店の灯りを落と ....
教科書の世界に
自分は入ることができなかった
入口がどこにあるのかわからない
それでもさすがは教科書
わかりやすい標識と信号が
自分を中へ奥へと
自動的にぐんぐんと進ませてくれる
....
世界は闇に包まれた
でも一つだけ
たった一つだけ光を見つけたんだ
と君は言った
僕にはわからない
ただ
今日は久しぶりによく晴れた日曜日だ
愛し ....
真昼の空に
白い月
青い空の
白い月
それは
見えないけれど
そこにある幸せ
人ごみに戸惑う
あさましい人間の渦
あっちにも
こっちにも
その隣をすり抜けて
生きるためだけに生きる
僕はクロネコ
ヒナタが好きサ
のんびり生きればいいのに
人間も
のんびり ....
一弦にふれる
あのひとの
小指をもいで
私の部屋に置いて
爪の先まで
かわいいよ と
褒めてあげたい
私のほっぺの
いちばん柔らかいところに
指の腹をぺたん
くっつけて
好き ....
貴方の前に門があります
幸福に通じる門です
門扉の向こうからは楽しげな音楽や
悦びに満ちた歓声嬌声が聞こえます
貴方は開けますか?
俺は開けることが出来ませんでした
萎えた四肢 ....
わたしが遅めの初潮を迎えたとき
母がお祝いにとお赤飯を炊いてくれた
(今の子もそんなお祝いしてもらうのかな
膨らみ始めた胸の先が痛かったりして
ちょっとだけ…おとなになった気がした
それから ....
空に連なる白い花々が
青い大河に咲き誇り
そっと揺れはじめ
新しい季節が
空から舞い降りてくる
ふうと風が吹くたびに
花はなびき
ふと手に届くのかと想う
我に返れば
その飾ら ....
いつもいつもいつも自分に非があると思って生きてきて
悪くなんかないよ、って不意に頭撫でられたら泣いてしまうでしょう?
どうして君はそんなにも優しいのだろう。
綺麗になりたいと思うよ。
はや ....
同僚の刑事が撃たれ
必死で犯人を追いかける
署内の刑事たち
寝る間も惜しみ
老いた身体をものともせず
みんなで協力して
ついに犯人を追い詰めた
ぼくはそこでテレビを消した
....
陽ざかりに
影がゆれる
塀の上に
白樫が緑の枝をのばし
陽ざかりに
光がゆれる
そこに咲いている
荒地野菊の花
寡黙な額に
風が吹き
みつめる心も
そっと ....
今日一日の食事を得るために
精を出して働くことは
意味のあること
今日一日の家族を養うために
無理をして働くことも
意味のあること
それらは生きてゆくための
目的なのだから
....
時々鮮やかな夢を見る
誰かが微笑む夢を見る
白いテーブルの向こう側に
時がさらさらと流れてく
それは風のように足元を流れ
微笑む人へと続いている
時々せつない夢を見る
誰かを愛す ....
黄昏が
哀しみの手をひいて
波打ち際へと運ぶ
きらきらと
波間に揺れるものを
幾度つかまえようと
泡と消えていくそれは
知るはずのない「永遠」
時計の針を止めても
季節は巡り ....
理想というものは
一人一人にあるもので
それぞれが素敵なことを想い
それはとても美しい
理想というものは
一人一人が違うから
誰かが不満を言い始めたら
それぞれがわがままを言い出し
....
仕事から家に帰宅して
「ただいま」
と言ったら
「おかえり」
と昨日の自分が出てきた
相手の自分はいたって冷静
ものすごく驚いている自分だが
自分が落ち着いているので
自分も平静さ ....
キリンという名の
魚がいる
もちろん
首が長いのが特徴なのだけれど
サバンナの夕日を思い出すと
時々自分の鳴き声が
わからなくなって
溺れてしまう
かつてお前はあんなに
力強く 熱く燃える目をしていたのに
風のように自由で その歌声は若々しく
どこまでも駆けていけたのに
お前の炎はかくも色褪せ
かきならす竪琴は銀のささやき
お前は{ル ....
{引用=※できれば声にだして、詠んでみてください}
迷い人よ
汝
振り向くことなかれ
木、その大きな直立
階段でいっしょになって笑い
二段抜かしをした九歳のように
セミの声だけが
音でよかった
根元に座って
レンガらしいレンガばかりを
レンガと呼び
それ以外のものは ....
人が創る地獄絵は
恐怖と醜さが鮮明で
人が想う天国は
幸福と美しさが不透明
人の批判は瞬時に知れ渡り
功績はすぐに消えてゆく
否定することはたやすい
ひとたび否定の沼に溺れれば
....
未来は雷雨とともに降ってきた
次から次へと
激しく地上に落ちてくる未来
あるものは大地に地響きを唸らせ
あるものは風に吹かれ
ゆらゆらと漂いながら
音もなく落ち
誰にも気づかれないま ....
誰のためにでもなく
ひたむきに
がんばる人がいる限り
自分もがんばれる限り
がんばれると思う
結果が大事というけれど
結果にならない結果だって
大事なんだということを
がんばる人は ....
ピアニストの繊細な指だ
白い鍵盤をすべってゆく
まるで水鳥の夢見る羽ばたきにも似た
あるいは
まだ見ぬ色彩を生み出す画家の
狂おしいまでにあざやかな指先
{ルビ天地=あめつち}を踊る風の曲 ....
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