すべてのおすすめ
この硬い道には
菜の花など咲かない
けれど
その種までもないと
ほんとうにここにないと
誰が言えよう
それが
ありきたりに書かれた詩だけのことと
誰が言えよう
....
どうやら焦燥感
と云う一種の熱病にかかってしまったらしい
くるったように息を切らしながら
朝から晩まで自転車で
ぐるぐると円を描きつづけている
進むのは
まっすぐでなければ
どこにも行き ....
・
ずいぶん昔
わたしたちは恋人同士だった
あんなにも完璧に
理想的な形で
つながっていたのに
満月の夜だっただろうか
わたしが
あの柔らかな部屋から
いとも容易く
追放されてしま ....
こどもの頃
よくやっていたのは
梅の枝を一本切ってきて
瓶にさして風呂場に置いた
すると
風呂場は毎晩温かいものだから
梅が早くつぼみをつけて
白いちいさな花が咲く
金色の ....
明日は晴れだそうだ
一ドルは百十四円だそうだ
独居老人が遺体で発見されたそうだ
宝石はみんな鳥に
持って行かれたそうだ
誰かが売春で捕まった翌日に
似たような誰かが
表彰されてい ....
愛する人と手を繋いだりキスしたり抱き合ったりするとき、
いつも考えることがある。
私達の身体の境界は何処ですか?
心の境界は何処ですか?
いつからふたりはふたりで、
いつからひとつになる ....
きみは
花のみるゆめ
よりも
冷酷さ
けれど
くちびるが
とじられると
小鳥が
鳴いてる
風が
吹いてる
きみは
ぼくの
好きなひと
そっと
やさ ....
靴紐がほどけたまま歩き続ける
家に着くまでに3回 無様に転んだ
擦り傷をつくるたびに上がる口角
もっと もっと 痛みが欲しい
壁に頭を打ち付ける
どうして生きてんだ どうして生きてんだ ....
公園の
ぶらんこの前に
散乱した
足跡
視床下部に
舞い込んで
そこで朽ちる
落ち葉
はい
だいじょうぶです
わたしは
元気です
*
今宵もまた
お父さん
あなたは咳をしていますね
青い毛布をかけましょう
それはあなたの首元で
小さな海となるでしょう
*
お父さん
わたしは
あなた ....
からっぽの海。
からっぽの空。
そして、からっぽの
からっぽの。
「ありがとう」と言われたその瞬間
なぜだろう
口の中に栗が入ってきた
思わずその栗を噛み砕く
栗の味とその匂いが
自分を包み込む
なぜだろう
食べてもいないのに
そういえば ....
曇天の空に
はりつめる夏気の
清らかなうとましさ
そして
むらさきのむくげ
気付くなという忠告
それが聞こえる胸のうち
そう、もう気付いている
それでも気付くなという忠告
....
真夜中の風呂場で
魔法が解けて
僕は泣く
いつかの涙が帰ってくる
骨ばった身体を
折りたたんで
声を漏らさず
溶けてしまう
曖昧な夜に
曖昧な君の存在に
僕は君の少 ....
いっぱい入れると
足りなくて
足りない
足りない
もう
全部要らない
と
箱をひっくりかえして
からっぽ
いっぱいあると
足りなかったのに
何もないと
一つ ....
自分の存在意義を問う
存在価値を問う
答えは出る筈もなく
無理に出そうとしたならば答えは否
いつもいつもそうなのだ
純粋に手伝おうとしているのに
実際、蓋をあけてみれば ....
大人の塗り絵
色鉛筆は
木のじゃなくちゃだめさ
わたしが絵を描くのをやめたころ
色鉛筆は
みんな子どもにやったのさ
塗り絵の風景画は
なくなりつつある田舎の風景で
あったとして ....
がちゃん
ものの割れる音がする
ごとん
ものの落ちる音がする
どんどん増える音
増えすぎたので
耳を塞いで居る
ガチャン
ガラスの割れる音
ゴトン
電車の繋ぎ目から
重た ....
理想の中だけで生きるものは
理想に押し潰される
理想に溺れる
現実の中だけで生きるものは
ざらざらを味わう
無味乾燥の意味を知る
残高を見て
笑ってしまった
昼寝をして
梅雨明けと思われる
青空のまだら模様を見てる
日焼け止めをぬるのを忘れた
ペディキュアもぬっていない
除毛もしていない
わたしは
毛の ....
あたしよりダサイきみに
運動不足だと笑われて
ムカ つく
けど隠す
確かに
歩くと太ももの肉が重いさ
全身運動汗水たらしたら
500mlの水のみ干して
眠れるだけ眠りたい
騙 ....
比較は悪ではない
比較で終わることが悪なのだ
こんにちは
なめくじ
イカの塩辛じゃないんだね
きみがもし
飛んだら
恐怖
生ものだから
でんでんむしじゃないから
はだいろだから
なめくじら
なめくじり
なめくじる ....
釈明はもうたくさん
閉じこもり
かたつむり
夏の身体になれないまま
靴下を履いてねむる
囲いのない
実家の庭の花はどれも美しく
囲わなければならない
わたし達の家は
自己満足
....
事実は小説よりも奇なり
そうは言うけれど
思い描いた考えよりも
事実が 現実が
かえって奇妙だと云うのは
かえって不思議だと云うのは
思考がそこまで及んでいなかった ....
IN MY LIFE
お元気ですか
ときめいた季節は過ぎて
あの
真っ青な空があったことすら
忘れてしまうほど
ずいぶんと
私等は
目の前のことにのみ囚われすぎですね
い ....
ここにいるひとが
もしか
あのひとだったらと考えると
笑えるけれど
そんなわけも無いだろう
いくらなんでも
でも
こんなにたくさんいるんだもの
一人くらい
近いひとがいるかもしれ ....
鞄に付いた鈴を鳴らして
いそいそ
歩いてゆく人の気配を感じながら
わたしは
こんなことは後で打ち込めばいいかなと思う
そう思いながら
忘れないうちにと打っている
とても横になりたいくらい ....
生活をここから始めます
一つ約束事
頑張ります
きっと泣きます
くじけます
いつか
隣に誰かいます
知らない街へも
恐れず往きますね
広げて広げて
たくさん愛して
....
今日も何処かの角っこで
誰かの小指が別行動
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