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おはよう、と一言写真へ声を掛ける老人。
写真のなかの人は宙へほほ笑んでいる。
木製の円卓の上には朝食のパンとコーヒー
祈りの言葉を宙へささやく老人
陽光に影は濃さを増し、老人はパンを持ち
....
蜩(ひぐらし)の かなかなかなかなかなかなかなかな……と歌う歌声が
空へ心地好くひびく
一人 林の陰に立ち 傷を思う
傷の増えた この銀製の指輪は
あの人が亡くなった頃に求めたものです
....
それは、背中で引戸をしめて
出て行きました
それを、見送った
濃紫している縁の眼鏡に映る
グラスと氷水を
小刻みにゆらします、と
氷たちの涼しくかろやかな音
生ぬるい空気を透過します
....
「 ほころびる時 」
宇宙の襞目にある 水のこころ
器をえらばず しん透し いのちを潤す
真空において純粋回帰する単音
貴殿の耳にこだまする
(覚めることのない果実を。
遠いま ....
落葉がそぞろに風にふかれ
雲は青く高い空をゆく
うらの{ルビ小径=こみち}の縁石に腰をかけて
杉といっしょにゆれている
夏の{ルビ遺言=いごん}は朽ちることなく
静かに実 ....
かえるところがあるのならば、それでいい)
お葬式
カラスが黒く はばたいて
おひとりですか、と
月へ笑う
いいえ
あたしは迷子です、と
黒く燃える
火へ手紙を焼べた
....
西日の{ルビ紅=くれない}に照らされた
誰もいない部屋の
あの日は永遠に暮れずに
私を傾きつづけて
太陽電池式腕時計の刻みつづける
秒針の先にひっかかっている
スープに影はささないでい ....
いつくしむ
いつくしむということを
忘れ去ってしまったならば
それは つながりのもつ距離が
不鮮明にとまどっているの
けれど立ち止るな
そこは業火の唸る 底無しの淵だ
それでも振りか ....
ふりしきる雨
雨してしまう
雨の
冷たい
季節
星夜
の
さく{ルビ夜=や}
の
雨
の
下
影もなく
灯る
灯台の夜が
流体にひそみ
その吐息にふれれば
はち切れて ....
ほほを桜色に染めた
小町娘が夜道をすっすーと横切って
午前零時の散歩
{ルビ映日果=いちじく}の葉に反射する
コウモリの声
超音波時計に刻まれた
わたしは悲しみに冷静でいたつもりだった ....
atsuchan69さんのこしごえさんおすすめリスト
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カテゴリ
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日付
或る日の一日
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こしごえ
自由詩
4*
23-10-10
傷のこと
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こしごえ
自由詩
4*
23-9-15
ある夏の背中
-
こしごえ
自由詩
5*
09-8-1
極小詩集_〜_青い果実_〜
-
こしごえ
自由詩
3*
09-6-1
きもの
-
こしごえ
自由詩
18*
07-9-15
故郷における影
-
こしごえ
自由詩
33*
07-3-30
翳り_(かげり)
-
こしごえ
自由詩
21*
07-3-3
群青を連れて
-
こしごえ
自由詩
27*
06-12-24
鮏_(さけ)
-
こしごえ
自由詩
19*
06-11-20
刹那の星
-
こしごえ
自由詩
17*
06-9-20
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