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どこか遠い所へ私も行きたい
誰も私のことを知らない外国へ行きたい

何故だか心がギュッと痛くなる
まるで真っ暗な世界に1人置き去りにされたような

そんな気持ち
どこか遠くへ生まれ変われ ....
暗闇に浮かぶ顔の輪郭
やけに高い鼻
落ち窪んだ眼
弛みを帯び俯き加減で
暗い表情のようにみえる
皺は寄りやけに年寄り染みていて
年輪ばかり刻む
深刻な風でいてその真意
はかることのでき ....
砂糖がスッと溶けてゆく
複雑に絡み合い頭悩ませてた何もかも
さらりと溶けて柔らかに包む

〝私はここにいてもいい〟

着地しようとしてすっ転んでも
優しい笑顔あえたから
貴女の笑顔あえ ....
気づけば私の隣には誰もいない
誰も彼も嘘っぱちの仮面被り
煽てたり冷やかしたり蹴落としたり
それは神経という神経蝕み
徐々に体の自由を奪う麻酔
頭のてっぺんから足のつま先まで痺れさせ
動か ....
目新しさや物珍しさに惑わされて
若者はぐんねりとねじ曲がった世界で息をする
声高々に荒げて語られるのは
コガネ色したメッキを被せた紛い物
メッキが剥がれ落ちればただの鉄屑でしかないのに
本当 ....
届かぬ声に喘ぐ日々
言葉を尽しても尽くし切れないなら
きっとその言葉は力を失っている

軽く舞い上がったままふわりと落ちた一枚の無地のコピー用紙
沢山並べたはずの文字がいつの間にか消えていた ....
少女は涙を流した
涙は薄紫色の水晶でキラキラ光りながら
紅潮した頬の上を伝い落ちていった
少女は強く握った拳でゴシゴシと目を擦った
擦られた瞼はたちまち赤く腫れて分厚く垂れ下がった

やが ....
誰かを赦すことが蔑みや嘲笑の的となり
誰かを許さず非難することが賞賛や奨励の対象となる

逆さまに吊るされた男が
哀れみを含んだ瞳で私を見つめた
男は足首を2本纏めて荒縄で縛られ
両腕は下 ....
遠くで誰かが泣いていたら
そっとそばに寄り添って慰めてあげよう

ただ横にいるだけでいい
何も喋らなくてもいい
喋らせなくてもいい
君の涙が目と頬の間で乾くまでじっと待つよ
君の胸深くま ....
硬い殼に閉じこもりじっとしている
ダンゴムシのように背中丸めて蹲りながら

外環からの刺激は毒だ
抽象的な光や記号は頭を混乱させる
より明確な
より鮮明な形が欲しい

太陽光線を長時間 ....
苔むした頑強な石壁は
まるで全てを否定するかのよう
密閉された空間で闇は蝕む
どこから漂ってくるのか
鼻につくような死臭
夢みたすべてを否定するように

まるで白い点のように見える光は
 ....
まるで我が子を送り出すように
赤いポスト口にそっと茶色の長形3号の封筒を差し入れた
中身は頭で捻り出した詩をまずはワードアプリに書き出して
それから所定の原稿用紙に書き写したもの
この日の旅立 ....
テレビの画面上の竜巻警報
思わずギョッとする
表示したかと思えば消え
また表示されてから数秒で消える

「そういえば」
私は思い出す
職場の昼休み
ランチを食べに行った帰り
職場玄関 ....
信じたい
今は亡き祖父のことを
信じたくない
祖父が戦中行なった行為

祖父が戦いに行ったボルネオにも
台湾から強制的に連れて来られた従軍慰安婦達がいた
祖父は「戦地でカフェのマダムと仲 ....
相手に愛がないと解ったときどうすればいいのだろう
ただ黙って耐えるしかない
傷が癒えるまでただ待つしかない
そうして過ぎ去ってしまえばすべて忘れられる
何もかも無かったのだと

楽しくて胸 ....
飛び交う砲弾は 罪なき子どもを傷つけ
飛び交う呟きは 罪なき誰かを傷つける

そこにはルールはなく
人権を無視した軽視や蔑視
差別発言が幅を利かせ
怒りの矛先はトチ狂った方角へと拡散し
 ....
大小のシャンデリアから放たれる間接照明
ピアノの音が気持ちいい
カップから立ち上る湯気が香ばしく
焦茶色のくすんだ水面を湛えている
雨上がりの外の喧騒
車の走り去る音も人々の話し声も遮断され ....
夢の中でも詩を作っていた
映画のパンフの写真の切取りを二種類ぐらい並べて
物語風に詩を作っていくのだ

〝いまはまだ蒼い空の下で〟
〆の文句を考え付いたところで唐突にもう一つ詩を思い付いて
 ....
「本当にお母さんと声がそっくりね」
電話口に出てしばらく話をしてから
母の知り合いである女性にそう言われた
思わず顔を顰める

嫌なわけじゃない
ただ別人格であるはずの母とそっくりだと言わ ....
夜中の二時前
布団の上で頬杖つきながら
スマホのワードアプリから今この詩を打っている
頭の左隅っこがジンと響いて痛い
なぜこうなったのか
これからこの痛みについてどう対処すれば良いのか
わ ....
熱い湯船に浸かりながら昼の出来事を思い出す

病院の帰りに行きつけの喫茶店に立ち寄った頃の話
私はお気に入りのコーヒーを片手に
瀬戸内寂聴氏が現代語訳した源氏物語を読んでいた

そこへ現れ ....
昼前の日差しはまだ苛烈に地上を照らし続け
ひとの肌を焦げ付けてやまない
熱波で急激に上がる体温を持て余し
真っ赤に火照る顔に
滝のように止まることを知らぬ汗

裏腹に農協主催のレクリエーシ ....
バスから降りた途端
ざあーと襲いかかるように雨粒が落ちてきた
薄緑に茶色のフリルのような模様の傘を急いで差して
目の前の喫茶店へと一直線に走った
大きなガラス張りの洒落た白い喫茶店の
ギシギ ....
水分を含んで少し重くなった衣類のカゴを片手で持ちながら
スリッパを履いて縁側に降りたつと
低木の緑の陰から一斉に黒いものが飛び出した

喪服を纏った蜻蛉だった

体にまとわりつきながら飛び ....
喫茶店のカウンター席で少し苦味の強い珈琲を啜りながら辺りを見回すと
カウンターの真上一直線に吊られた細いステンレスの棒に
ドライフラワーふた束が仲良く並んで吊り下げられている
そしてそれらに並ぶ ....
第二次世界大戦中の上海
天皇機関説を唱えた美濃部達吉の弟子だった為に
難を逃れて移り住んだ家族
話をしてくれた女性の方は当時まだ幼く
美濃部の弟子だった父親が教鞭を取る
東亜同文書院大学近く ....
和室から見える景色はまさに夏そのものを現している
水色に薄められた絵の具に白を淡く馴染むように付け足した
そんな背景
伸びる焦茶の自由な線に緑は白く光り
ときおり吹く生暖かな息に気持ちよさそう ....
朝のドラマを見終わった途端母が涙目で
「住んでいる家を売り払って財産として三分割する」と言い出した
そのドラマの内容は主人公の学生時代の友人が封建的な家制度に縛られ
横暴な夫にも悩まされた挙句そ ....
バッハはキリストが復活するまでの受難を描くことで
困難を乗り越える希望を描こうとした
後々の人々もお互いの違いを乗り越え
声を合わせて彼の曲を歌い継いできた
長い年月を経てどれだけの人々が流し ....
誰かの詩を読んでいてふと意識が途切れる
微かな自分の寝息に気づいて少し慌てて瞼を開いた
どうやら座布団の上に座ったまま眠り込んでしまいそうになっていたみたいだ
心なしか頭がズキっと痛くて重い
 ....
atsuchan69さんの栗栖真理亜さんおすすめリスト(247)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
遠くへ- 栗栖真理 ...自由詩125-2-8
輪郭- 栗栖真理 ...自由詩125-2-7
まほう- 栗栖真理 ...自由詩125-2-7
振り返り- 栗栖真理 ...自由詩2*25-2-6
贋金- 栗栖真理 ...自由詩3*25-2-6
真心- 栗栖真理 ...自由詩225-2-5
水晶- 栗栖真理 ...自由詩225-2-4
吊るされた男- 栗栖真理 ...自由詩3*25-2-3
見守る- 栗栖真理 ...自由詩1*25-2-2
クローズド- 栗栖真理 ...自由詩125-2-1
夢遊する物体- 栗栖真理 ...自由詩225-2-1
旅立つ- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-31
竜巻- 栗栖真理 ...自由詩3*25-1-31
あやまち- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-30
White_out- 栗栖真理 ...自由詩1*25-1-30
SNS_〜正義なき戦争〜- 栗栖真理 ...自由詩3*25-1-28
安息地- 栗栖真理 ...自由詩1*25-1-27
睡歌- 栗栖真理 ...自由詩225-1-25
Copy- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-25
暗転- 栗栖真理 ...自由詩225-1-25
怨念- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-24
水浴び- 栗栖真理 ...自由詩125-1-23
翡翠- 栗栖真理 ...自由詩3*25-1-22
蜻蛉- 栗栖真理 ...自由詩1*25-1-21
青い鳥- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-21
上海租界- 栗栖真理 ...自由詩225-1-20
羽蟻- 栗栖真理 ...自由詩2*25-1-20
影響- 栗栖真理 ...自由詩3*25-1-19
受難曲- 栗栖真理 ...自由詩1*25-1-19
午睡- 栗栖真理 ...自由詩125-1-18

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