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花火に君は独りなんだよと突き付けられた気がした
火薬の匂いに過呼吸をおこしそうになった
独りなら大声をあげて泣くことが出来た
でも物理的に一人になれなくて
涙を見せれる人はとなりにいない
....
親父に関するエッセイを書こうと思ってやめた
だってお前の声が聞きたいから
何時まで繰り返せばいい?
脈の無いコミュニケーション
脈の無いカンヴァセーション
赤剥けるまで繰り返すマスタベー ....
黒い太陽が投げつけている
スライダーに似せたにびいろの雲影を
つつじが丘のひだと
八幡の森のぼんぼりに
....
回転を速めた車輪
高速で円を画き
観てるこっちは目が回りそう
笑えるほど気持ち悪いんだけど
こっちはみたいものがあるから
轢かれる間際までジーっと
興味あるのは ....
日没にはまだ少し早い
真昼の太陽で暖まった道は
この足どりを重たくする
ふうと
ため息に似て
諦めともつかない
息を吐きかけたとき
風が首のあたりを
掠めていく
この道の
....
ことしはまだ梅雨明けの宣言がない
そのさなかにあって
不透明な吃音で
....
それは肢体のまわりから立ち昇って、存在したと確かに(それはパトス)、
薄暗に陰が頭をもたげるから、ながくひきのばされた刻、刻、刻、
は消息を知らせてくるけれど、
不在の中で微弱に生動す ....
天窓に響く雨の歌が
唐突に激しい叫びに変わり
秒針が半周も回らない内に
また静かな声に変わった
空の激情を表現した雲が
宵闇に何を描いたか知りたくて
僕は窓にへばりつき
....
知ってる
きみが「信じて」と言う時は
訳もなく泣きそうな時だってこと
微笑みかけて髪をなぜれば
ほら、もうどうだっていいだろ
此処には真実なんて無いんだから
あの丘に埋められた死体には ....
あるスピードをもって
街の夜明けをめぐっていると
辻つじを曲がるたび
まあるい月が現れては消え
消えては現れるのだ。
四角い建物の影に、
あるいは影から。
黒い樹樹のあいだに、
あるい ....
君を抱きしめたり唇に触れたり
暖かさを知りたくとも
エンディングを迎えた世界
僕の隣に君はもう、いない
鮮やかな情景を映し出していたスクリーン
今では黒い背景に白い文 ....
体の芯に残った熱と
反発する冷やされた肌
生きることに必至なだけの
気化してしまいそうな
僕を鎮めるように降る雨は
まるで誰かの変わりに
泣いているようだね
....
憧れはそのままに
眩しい陽射しを浴びながら
身に纏った、功績やプライドを取り去ろう
今、暖かいと感じること
明日を思い描けること
喉が渇いたと言え
時に心が痛む ....
気が違くなりそうに
青い空の下に
かみさまは
三匹いた
そのうちの一匹が
高いビルから
飛びおりて
死んだ
残りの二匹は
その死を
食べて
大きくなった
....
耳が聞こえないのに
風鈴を近所のホームセンターで
買ってきて
「ねぇ、これどんな音がするの?」
だなんて
やめてくれよ、母さん。
「ねぇ、これどんな音がするの?」
そんな ....
ざわわと、海が鳴る事は
地球が三回転半しても
難しいことだろうけれど
すきだと、僕が声を出すことは
地球が三回転半するまでに
何万回言えることか。
ぱたりと、本が倒れることは
風 ....
青い 朝爪
くとん と
葉の 胸
黄緑 透ける脈
まだ
まぶしいの
月に
あずけてた
から
順繰りに咲き誇る花々は
緑に浮かぶ星の煌めき
晴れ晴れとジューンブライドになるはずが
ほんのちょっぴり なみだ顔
夜の帳の降りる時間も
知らぬ間に間延びして
雲がたれ込めている ....
青空の下
少し疲れた大人たちが集まり
この広い世界いっぱいを使って
間違い探しをしている
私は右で あなたは左
お互い自分の側が正しいと思いたいから
間違いはすぐに見付かる
けれ ....
アスファルトに額をつけた
この世界が汚れているのは僕のせいだと
窓からみんなが叫んでいた
走ってきた子供が僕の右手を砕いた
みんなが笑って 家からでてきた
僕を蹴飛ばし ....
人に見えないものが見えたり
聞こえない音を感じたり
テレパス
そんなものに
憧れていたあの日
そんなものは
なかったけれど
好き
ただそれだけが
私に残る
超能力だ
....
あなたの瞳に映っている森が
あまりにも美しく澄んでいたから
僕はあなたの瞳を押し開いて
中へ入っていった
あなたは目の前にいた僕を見失って
慌てふためいている ....
横っ面を殴ってくれ
失望に安堵したい
その優しさを
嘘だよと言ってくれ
全てが覆された失望に
ああそうかと安堵したい
加減しないで殴ってくれ
夢は見たくない
失望に安堵したい
空に流れては消えてゆく歌
冬の鼓動に
白の盲目に
他者を知らない目の奥に
銀の花は降りてくる
光の時計の前に立ち
影をつくり
針を止めても
流れは止まらず
星 ....
夕暮れの湖に
浮かんでいるもの
あれは
たしかに
ぼくの心だ
あの日から
消えてしまった
道連れを探す
寂しいぼくの心だ
青空の片隅で
膝を抱えてうずくまっているもの
あ ....
夜の底で
とうめいな液体を
グラスに注ぐと
風景がゆがみはじめる
どこにもない空間の
だれのものでもない腕に
すがろうとしている
私の指先に
流れるはずのない涙と
あるはずの ....
君は双眼鏡で見えるものだけに手を伸ばした
頭の芯が縺れ本のない図書館のように
視線と物体は空っぽの焦点を結んだ
揺れる木々もなく、鳴く鳥もいなかった
そんな風にしながら沢山の時間を掛けて
僕 ....
あの暗さは
助手席の母さんとハンドルまわす父さんの背中
トンネルは楽しむためにあるのだと思っていた
トイレットペーパーの芯をのぞいて見える景色
オレンジのライトとゴーという音が見えてく ....
電気信号によって動かされる心臓
によって体内をめぐる血液
手足が冷える末端冷え性
冷たい自分の手を見る
まるで女の手
机に落ちた髪の毛
思い通りにならないあれこれ
無呼吸症候群
近 ....
愚かなまま沈んでゆく
定義をポケットにつめた
冷たい流れの中でいつも目を閉じた
耳に浸水、視界すら揺らぎに変える
何処かで小鳥が泣いている
誰も居ない静かなこの場所で
誰も描け ....
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