正しい街
なるせ
知ってる
きみが「信じて」と言う時は
訳もなく泣きそうな時だってこと
微笑みかけて髪をなぜれば
ほら、もうどうだっていいだろ
此処には真実なんて無いんだから
あの丘に埋められた死体には
首がない
みんな怖がって喉を奪ったのさ
恐ろしく歌のうまい女だったから
空だと思ってたあの色は
本当は偽物
だって太陽がいつも緑色
風がない
雨も降らない
星も見えない
ていうかそれ、なんだよ
してはいけないこと
この街から出ていくこと
「信じて」
「まもるから」
無理だ
ぼくらのなかの正しさは
この場所にしかないんだ
わかるだろ
どこまでも正しい街
偽物だろうと、どうだっていい。