あなたをね
叩いたらティーンって
鳴いたのね
あなたをね
撫でてもティーンって
鳴いたのよ
チクタク チクタク ティーン
チクタク ティーン
チクチク ティーン
....
満員電車を疑え
毎朝毎夕当たり前になっている満員電車を疑え
変わりようのない日常でもこれぐらいは疑え
おしくらまんじゅうとよく言うが
俺たちはまんじゅうじゃない、人間だ
人間はいつも箱詰めに ....
あさがおに釣瓶とられてラプンツェル
ろくろっくび幽体離脱ラプンツェル
その子二十櫛に流るるラプンツェル
マドモアゼル・ラプンツェルかじるプレッツェル
人魚姫の姉さま達の長い髪
12時 ....
下校する子どもたちの声がすると
夕暮れが首をもたげて
うす緑色のゼリーの咳で
私の口に話をさせる
闇の中でコスモスが笑って聞いていて
私は話をやめられない
二時間ほど話を続けたとき
突然 ....
秋の空気には
透明な金木犀が棲んでいる
陽射しに晒した腕が
すこし頼りなく感じ始める頃
甘く季節を騙す匂いは
思い出の弱いところを突いて
遠くにいるひとの微笑みだとか
風邪気味の ....
だから僕が書きます。
僕が生まれた時
町の中に小さな森と小さな川があった
森も川も縮こまっていて/肩身が狭そうだった
本当は大自然の中に/町が点在しているはずなのに
子供が認識できる世界 ....
夏の夜に
いくつもの太陽を揺らすひまわり達
仕事帰りの疲れた男に
わさ わさ わさ わさ
大きい緑の手のひらを振る
日々の職場では
密かな善意を誤解され
....
?.
あなたを
あなたのすてきなところを
一日
大切にする
あなたを
あなたの汚れたところを
裏返して
日に透かしてみると
おかしな影ができるから
その影に指で ....
バックする車に轢かれて
空が青いと知ったのよ
それから
しわしわのブルドッグがやってきた
ぱっくり割れた空から
ぽたぽた
青いのが降ってくると思ったのね
息をしながらふたりで待ってた ....
あなたは手慰みの指先で
わたしの身体をくるくる回す
言いなりになんかならない
と思ってはみても
あなたにだけは嫌われたくなくて
股関節の痛みをこらえ
アンディオールのポーズを取る
(わた ....
奥歯が抜け落ちるほど激しく殴りあった後に
擦り剥けて血が滲んだ手で握手して
また殴りあって抱き合った
近所の定食屋でカレーうどんを仲良く食べた
口の中を切りまくったので沁みる
それでも涙 ....
人々が漏らす{ルビ溜息=ためいき}で
街の輪郭が{ルビ歪=ゆが}む土曜日の夜
場末の Bar の片隅で
翼の生えたアダムとイブの人形は壁に{ルビ凭=もた}れ
虚ろな瞳で古時計をみつ ....
150億円の借金を抱えて
華厳の滝に飛び込んだら
借金が重すぎて
華厳の滝の
滝壺の
水が溢れて
日干しになった
カワガラス
クイナ
セントロニクスのプリンター
関係ないじゃんとい ....
山里深く
美しい女が独り
淋しく庵を結んでいるとの噂を聞きつけ
伊達男や
誇り高い益荒男どもが
我こそはと
鼻孔をうごめかせつつ尋ねて行ったが
その度に女は
こんなときを ....
金太郎飴を舐めんなよ
ヤツは世界最強だからな
金太郎じゃなくて金太郎飴がだぞ
どこを切られても平気な顔して
いつまでも若々しくて
最後の最後まで全力で生きている
歳を取れば取るほど誕生日が ....
遊ぶために生まれてきたんだ
それだけだ
それが人間だ
仲良くみんなで遊べばいい
それなのに俺はここ最近
とらわれてる
檻の中に
自分の模様に
なあ月が
見え ....
東京にいるということは
木葉を隠すならば森へ と同じ意味であり
隠れた!隠れきった!やった!
と思っているのは実は私だけで
その滑稽な姿さらせば
ユニチャームのサンプルをもらうことも出来ない ....
のら犬がいた
そいつは
安全な距離を保ちながら
一生懸命に
オレを吠えた
かるく
しっぽが揺れていた
もとは白かっただろうに
よごれた茶色が寂しかった
砂利道にし ....
水色のキャンパス
白い花びら、ふたつ、みつ
風の描いたような君の唄
軽く手をふるハロー、ハロー
鉛筆画の微笑みは
鉛色の雫でできてるの
はじめから
うまくのれてなかった、 ....
激しい夏の日々は遠ざかり今は秋
太陽は街を焦がし山を焦がし海を焦がした
熱は放射され僕達にも注がれた
まだ肌が小麦色に残る腕や背
夏の思い出そのあやふやさ
祭りのように胸が騒 ....
ブラボー!
物言わぬ獣だってさ
そんなときには
ブラボー、ブラボーと叫ぶんだ
なに言ってんのそんな暇に
自転車ドロボー掴まえろ
2本足なら十分だ
羽根が生えたから飛んでっ ....
草のしないだ後が 私の靴後
手の中にある と思うものだけ
鍵だから いつまでも開かない
ふさぐ風だけ 私を知ってる
つぶれない 心の輪 とじない宇宙
弾く ひくく
触れさせ ....
「生き春巻」です
店員は言った
メニューを見直す
確かに「生き春巻」とある
生き春巻は時々皿の上でもぞもぞ動くが
その間も気持ちを見透かすかのように
目のようなものでこちらを睨み続けて ....
秋の公園には
白いベンチが
木漏れ日を浴びて
鎮まつてゐる
桐の葉がひらりと
ベンチにのる
どうぞ私を敷いてくださいな
またひとひら ふた ....
耳奥で焼き増しされたセミの音が我を迷宮入りにしている
デフレーション起こす八月森の血は居眠り空は高く冷えゆく
ヒグラシのサイレン、夜の上澄みに震えて詩集をよむ手も止 ....
Is that a banana?
No,it isn't.It's a gorilla.
あれはバナナですか?
いいえ あれはゴリラです。
俗にいう一人の少年が英語を見限った瞬間を
....
ことばならなんとでも言える
「よく晴れているから…」
そのことばに
あなたは安心したような気配を残し
携帯電話をそっと切る
(雨降りなのさ、ほんとはね
幸せだったひと時は何も言わずに遠のい ....
ぴかりと光る輪郭
来る日も来る日も
ボロ雑巾で磨いたのだろう・・・
乾いた雑巾をバケツの水に浸し
力強く絞る
その表情は
鬼の面
何を睨む
血しぶきを撒き散らす
その部 ....
私のノートには白い文字で
フラットに似た記号ばかり並んでる
決して声に出してはいけない約束が
一番目に載ってたはずなのに
白すぎるせいで見えない
知らないで言葉にしてしまうと
「ん ....
バスの停留所に
動物列車がやってきた
乗ろうとするけれど
人間はお断りです、と
動物の運転手に怒られてしまった
レールも無いのにどうして
そう思ってよく見ると
窓から次々と動物たちが ....
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