膨らんだ真っ赤な少女が綻べば真綿の雪に椿がぽとり

  体内で春を待ちきれずに芽吹く血潮に染まった椿のつぼみ

  花びらを散らさぬように雪の上そろりと歩くも染みが点々
 
  赤い紅 ....
9号室のミズノさんの指は、
ときどき奇妙に震える。

登山中の滑落事故で全身麻痺、
凍傷に損なわれた右手は人差し指だけを残して。
そのまま数十年を経て皺んだ指、
その指が何かを書いてるよう ....
あるところに男と女がいて
であって 好きあって
子供ができて 家庭を持った

あるところにできた二人の家庭は
明るい家庭で
子供は二人
跳ねて 飛んで

子供の頃によ ....
季節外れの海辺に残されたものは
一夏の甘い恋物語
青春時代最後の思い出
そんな綺麗なものじゃない

あるカップルは
変わらぬ愛を誓い合いながら
かき氷のカップを砂浜に投げ捨て ....
流星群は行ってしまった
銀の光の尾は思ったほどの残像を残さず
地に這うものと宙空の距離を
夜という名で引き離す

星が流れる
わたしは物語として知っている、
祈りのかたちで
手を胸 ....
美しい花で満たされた花束
それを手渡す時に
その人との架け橋が築かれる

しかし美しさだけで作られたものを
手渡すのが怖くなる時もある
これで築かれた架け橋は
実は幻ではないだろうか?
 ....
ああ見えていつも

甘いモノを欲しがっている人だった

それなのに結局

私が差し出したものは選んでくれなかった

だから あの夜飲み込んだ金平糖は

今もおなかの中でイガイガ ....
ラブ&ピーーーーース
爪先のうた あぁ、いちごの時計は止まる
逆走疾走喪失酩酊
カラフルな映像いっぱいの見えるモノって一体?

北斗七星でも探す
ちっさいちっさい、あのちっさい星は残念なが ....
廃墟の街に雨が降る
昨日の繁栄は窓の外
地下室の中で雨宿り
嫌気性のキノコを探せ

廃墟の街は晴れ渡り
輝く青空に白の月骸
人無き路に風が降り
無機質がリンと鳴る

廃墟の ....
なんということ
こんなにもきれいな
瞳をしているのに


のに


祖母は私の瞼に触れて
また少しちいさく
かすれてゆくかのように
そう言ったんだ
薄い皮膚で感じた
あなたの ....
音もなく降る雨を
ぼんやりと眺める

眼鏡が塗れて
視界が薄れていく

咥え煙草
白い息と煙
止め処なく
途切れなく

溜息と自嘲
そして後悔

顔をしかめながら
通り過 ....
― 見てらっしゃい!

  アタシ、絶対キレイになってやるわ!!


そう叫んで駆け出したブサイク
美容難民 目指すはコリーア
キムチと人体改造の国

頬骨削ってコラーゲン注入
シ ....
(クスリをください)


銀のアルミの包みを破き
白い錠剤のそれを飲む
それは良く眠れるためのクスリ

他にも
不安にならないためのクスリや
落ち着くためのクスリや
発作を押さ ....
早坂サイクルで6千円で購入した中古自転車に乗って俺は
職業安定所へ向かった。なぜ職業安定所という言葉を
使うかというと、職安の安は安定の安だ。今はハロー
ワークという愛称になっているがハローなん ....
blank































並盛一杯380円、は、お高いでしょう?

「ネギだ ....
みかん畑の夢を
あなたもいつかきっと見るでしょう
深い緑に
橙色が星のようです
母なる木の枝に包まれて
静かに眠るみかんの実は
いつか生まれた場所を遠く離れ
めぐり逢った人に必ず ....
胸のボタンを外すとき
あなたの狡猾な指先を思い出す
背後から不器用そうに
それでいて
未来に待ち受けているものを欺くかのように
(それなのに忘れられないのは
部屋の灯りを消しても
情念の ....
 すみません。
 すみません。

 あなたのお持ちになられている。
 切っ先鋭いそのナイフ。

 どうぞ私に貸して下さいな。

 え。どうしてって?
 いやー。あのね。

 どう ....
遠き空より舞ひ落つる
雪の光を感ずれば
やはら一ひら手に取りて
心を開く花と見む

近き川より流れ寄る
水の光を眺むれば
しばし一向き佇みて
心鎮むる音とせむ

遠き国より打ち寄す ....
夢を見て泣いていた
スリッパが重たくて
空を飛べない夢だった
食後、健康に良いからと
母親がみかんを一つ勧めてくれた
外に出ると
街にサーカスが来る日だったので
誰も淋しくなどなかった
 ....
人間と人間の間で起こりうるものに
無限の可能性 
無限性の可能を感じた
わたしが何者であるかとか
彼女が何者であるとかはそれほど重要ではなくて
彼女との出会いを通して
わたしのなかに新 ....
ふゆのめだまはゆめみるめだま。
ふゆらふゆらと、
ふねこいで、
ゆめやゆめやと、
ゆめをみる。


つめたくなったら、
めをとじて、
まぶたのなかで、 ....
あの曲がり角を右折すると
あなたのステージは燃えてしまってるわ



火の粉が
ひとつ、またひとつと
逃げてゆく

今度は一度にいくつも

あなたは
愛しい場所と野次馬たちと ....
黄金! この街にまだ雪は降らない
灰鼠色の空は浅い冬のまま
恋人たちの吐息や
ブランコを揺らす手に護られている


わたしの何処か深くにある黒いものや
寒い、と寂しい、が似ていること
それに気 ....
ぜろてんのうた
なんてむいみ
とかおもってたけど

だれもてんくれない
なんてむかち
とかおもってたけど

ぜろてんのうたがあって
いってんのうたがあって
にてんのうたがあって
 ....
あなたが わたしの心の奥まで 突いてくれないから
 奥まで届かない 性の不一致で別れましょう
あなたは短くて わたしは深いの
 サイズが合わないのよ 浅はかな わたしたち
  コップには液体  ....
喜びのうたが
空から零れてくる

おはよう、おはよう、おはよう

躍動するエネルギー
まあるく紅く凝縮すると

ほら、朝が来る

大きな蒼い空に雲

浮かび、たゆたい、 ....
マホガニーは薄明で 薄命の夜を始める
教室の窓から身を乗り出していたら
まさにいま
夢中で描いている赤い紫のペイズリーが
絨毯が
迎えに来ないかしら、と よぎる
若者よりもはしゃぐ現在進行 ....
塊を握り締める
指の間からはちきれた渦
おろし器を経て屑になっていくわたしのからだ
君のために熱をいただき、
君のために繊維をほぐそう
あたたかくやわらかくなろう
 ....
イダヅカマコトさんのおすすめリスト(404)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
【短歌祭】赤いつぼみ- 容子短歌1006-12-20
Michaelが来る- 佐々宝砂自由詩9*06-12-19
あるところに- 水在らあ ...自由詩74+*06-12-19
海水浴場- 1486 106自由詩3*06-12-19
祈りのとき- 銀猫自由詩25+*06-12-18
花束と架け橋- 紀ノ川つ ...自由詩8*06-12-17
金平糖の夜- 衿野果歩自由詩6*06-12-17
walk_walk_metro_min.- 無知アコ自由詩2*06-12-17
望郷- あおば自由詩9*06-12-17
なみだのつぼみ- Rin K自由詩34*06-12-17
バカボンのパパみたいなのだ- 松本 卓 ...自由詩5*06-12-16
ココロがブサイクなおまえらの理想論はブサイクに失礼なのだ。- 知風自由詩206-12-16
クスリをください- ベンジャ ...自由詩5*06-12-16
大伽藍三十三間六十米長- 構造自由詩4*06-12-16
『並盛一杯380円』- しろいぬ自由詩2*06-12-15
みかん畑の夢- 遊羽自由詩19*06-12-15
悦楽(黒薔薇の微笑_其の二)- 恋月 ぴ ...自由詩33*06-12-14
ナイフ。- もののあ ...自由詩12*06-12-14
心走らす空と知る(ぽえむ君と合作)- 肉食のす ...自由詩8*06-12-14
みかん- たもつ自由詩1506-12-14
ぼくらに必要なもの- 七尾きよ ...自由詩8*06-12-14
「_ふゆめだま。_」- PULL.自由詩15*06-12-13
舞台炎上- 白雨パル自由詩8*06-12-13
いちょう- 馬野ミキ短歌906-12-10
雪待ち草- 銀猫自由詩21*06-12-7
ぜろてんのうた- 水中原動 ...自由詩506-12-6
ちいさなひかり_情報の一部- 狩心自由詩7*06-12-6
*空にあってよかった*- かおる自由詩16*06-12-4
レインミュージックはマホガニーの薄明で - たちばな ...自由詩8*06-12-3
ハッピー_ミール- ________自由詩6*06-12-2

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