悲しいなんて
ひとことで書いてしまえる
だれど
それがどれくらい
悲しいなんてのを伝えるのは
すごく大変なことなんだなと思う
でもさ
それがすごく悲しいですと
延々と書 ....
どんなにつらいことが起きても
私は知りたいの?
どんなに歪んだ気持ちでも
あなたは微笑むの?
誰に聞けばいいの?
誰が教えてくれるの?
どんなにあの子を泣かせても
私は泣けな ....
君と僕
友達より近くて
恋人より遠い
だからこそ
言える事がたくさんあって
だからこそ
言えない事もたくさんあった
もどかしい・・・
そう感じたのも嘘じゃない
それでも ....
あなたがウソついたら
私にはすぐわかるよ
だって目を合わせなくなるから
長年一緒だからわかる
ウソつかないでいいのに
隠さずに言ってくれていいよ
後でわかって
嫌な想いしたくないから ....
小指が曲がらなくて
指輪がはまらない
意図しない動きから海中を流れるくらげまで
水面に浮かぶポリ袋が
月明かりを反射した
まぶしいとは言えないまでも
指輪を包むには充分すぎました
輝 ....
あなたは ほんとに やさしい ひと 。そうしょくどうぶつ の ように くさをはむ 。わたしは にくしょくどうぶつ だよ 。あなたとクラセルノカナ 。
いつでも思い出せるということと
いつまでも忘れないでいることの違いを
知らなかったのです
それは
アルバムに貼り付けてしまい込むことと
手帳に入れて持ち運ぶことのような
違いなのでしょ ....
胃が痛い
今日に限ったことじゃない
ずっと
ずっと痛かった
もうボロボロですって
医者が教えてくれた
神経がどうとか
ストレスがどうとか
説明なんて聞いてなかった
薬だけもらって ....
少しずつ蒸発していく
海に入ればいいのに
あのマツの木の陰で
思いだけ積乱する
潮は去り気なく
静かに広がる
砂を齧りながらも
生まれ変わろうとして
こんなに明るい場所に
迷 ....
疲れ果てて座り込んでいた
あなたは
公園のベンチで
まるで影が貼りついているみたいに
立ち上がることができないほどの
そんな悲しみでした
いつしかそれは
頬つ ....
冬の夜の草原の中ただ一人全てを包む星に溶け込む
夜の風すさまじきかなこの我の心の曇り飛ばす如くに
山寺の人気も消えた本堂の屋根に掛かりしひとひらの月
残業を終えて帰りの駅出ればほのか ....
甘くない珈琲を
手の中で
大事そうにしていた
猫舌だと言って
大事そうにずっと
両手の中で
十二月に降る雪のように
ま ....
傷ついた
というより
どうしようもなかった
話がある
洗濯物をたたんでいく
パンツ
シャツ
ヨーロッパ
僕の無器用さは消えない
どうしても嫌なことは嫌といってしまう
言 ....
白い雪の中 必死に走ってる人がいます。
寒い冬の中 必死に走ってる人がいます。
その人は 愛する人をおもって走っています。
白い息を吐きながら 愛する人のために走っています。
....
笑うことしかできなかった
嫌なことを
嫌と言える
そんな勇気が
なかったのだろうか
前を向くしかできなかった
みんなが
思ってるほど
明るくなんてない
知ってる?
そうする ....
夢から紡いだ淡い期待を束ね
双の棒針で器用に操る
操る毎に淡い期待は確かな予兆に変わり
なまめかしく揺らめいて
蠢いて
少女は艶やかな女人となる
月の満ち欠けを赤い細布で数え
確 ....
死が怖くて、私は
まだ小さかった夜、泣きじゃくり
死ぬのは遠い 先のことだよと
若かった父になだめられ泣き止んだ。
花が咲き 枯れる道理の
カケラも知らない
いま咲き誇る 花々
....
僕はキノコ
魔法使いのおばあさんに
呪いをかけられて
キノコになっちゃった
深い森の中で
ぽつんと
日陰に佇んでる
最初は戸惑ったけど
....
最近の空はうまく出来ていて
オレンジに似合う色を作り出している
オレンジに合う色が水色だって知っているかのように
空がその色を作り出す
だから空色って呼ばれるんだろうけど
....
吐き出したくてたまらない
感情が
弱さのために
置き去りにされていく
そうして自身は守られている
紛らわす娯楽が
今は溢れていて
でも何かが残る
痛みの無いかさぶたのように ....
沖縄ではすべてが誠実だ
海も
太陽も
ひとも
予定をたてて日々、動くんだった
一同がそんなこと
わすれたふうに。
そして
雨さえも、
ウチナーグチを
はなすくに ....
雪ばかり融けずにいる
針が突き刺したような
星夜の暗闇が恐ろしいのです
あまたを溶かすはずの暗闇が
かすかな影のいいわけを
裏切るのです
ひどく凍らせる結晶に
張り付いた切り絵を ....
そんなふうにね
上からものを言われるのが
いちばん傷付くのよね
文句があるなら
正々堂々と
アタシの目の高さまで
下りてきて言ってよね
あ〜、もうっ!
ご飯もそんなふうに見下して
「餌をやる」
な ....
兆し
まだ何のためか
なんであるか
わからないまま
僕は
昼間泳いでいる
つかんだ波
はなさないために
好きでいられるように
とつとつと
祈る
笑うひと
奪う波
死に ....
隣の白蛇が、
皮を脱ぐ。
彼は失恋すると、
いつも絶食して、
いつも脱皮する。
センチメンタルなのだ。
脱皮する少し前から、
蛇の目は白濁しはじめる。 ....
ねえ僕は単純に
君を信じてしまうよ
ねえ僕は複雑に
君を疑ってしまうよ
傷だらけの手首に香水は染みたでしょう
いつもどこかで貴女のことを気にしているよ
私たちはお互いに女だからキスも抱きしめることもしないけれど
化粧をすることを覚えて
香水をつけることを覚えて ....
ボクは外側がボクである
ヘヤは内側がボクである
それがボクとヘヤとの
相違点
しんしんと
しんしんと
目に見えない雪が積もってゆく
私の目の前
辺り一面を、真っ白に染め上げて
まるでなにも
悪いことは知りません。と
主張するように白く
その真ん中 ....
紫色の空がなめらかに
この地上を染め出せば
深い森の中で
梟がゆっくりと目を覚まし
豊かな知恵を含んだ鳴き声で
街に向かってささやく
ビールで染まる街 ....
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