鳴かぬ 小鳥は
口止めされたのでしょう
ひとつ めでられたら
無くすよりも たやすく
このくちばしで
守るのは
明日の 春では
ないのです
どうしても イライラして
とにかく その減らず口をホッチキスで
閉じこんでやりたかったが
世間の目が怖かったので
ホッチキスを渡すだけで 終わってしまった
笑いたいならば 笑え
....
切なさは夜になればなるほどに膨らんでゆく風船みたいに
この手の中にある
ちいさなゆびわ
幾度も
悲しみにぬれて
幾度も
喜びに踊って
今描くよ
未来への青写真
ひとつ一つが
二人の物語
会いたくて
目をとじたよ
夢の中であなたに
会うために
月光が紡ぐ
子守唄
あなたにも
届いてる?
会いたくて
会いたくて
夜の中庭に出ると
なんと 月
さっきまで聞いていた
バロックが
うそのような 静寂
私の陰は
暗い 暗い 中に
さらに くっきりと 黒く
やはり ヒトの形をしていて
やはり ヒト ....
ねしずまった まよなか
すこし さむいな と
ひとりのへやで つぶやくと
あれこれのさむさが
いちどきによりあつまって
それは もう
さむさではない
ほかのなにかに
なってしまう
....
かわいそうな人だといわれた
カワイソウ
なんて傲慢な響きでしょう。
いまさら思い出すなんて
電話なんかとるんじゃなかった
どうしてかな
わからないことばかりよ
いつ ....
隣の古町家のトタンのお屋根は
いたく朽ちており
ときおり風雨に耐えきれず
一晩中じたばたすることたびたび
今朝も
初霰にあたふたとうろたえて
なんとも
かわいいのであった
生まれ落ちてから死ぬまでに
自分自身でプロデュースしていくうちの
一大イベントである事は確かで
お誕生、お七夜、お宮参り、お喰い初め
初節句、七五三、入学式に運動会
成人式、卒業 ....
0時を過ぎたら現れる
深夜組の君に逢いたいがため
貴重な睡眠時間を削って姿を探す
確証もなければ
確立もそれほど高くない
約束などあるはずもなく
連絡を取る術も持たない
いっそ、と素直に ....
一晩中浴びた
ビートでバラバラになっちゃった
からだの破片を
いつもの鞄に押し詰めて
歩く四条通りは
ビニール袋が散乱していて
海かと思った
始発が出る時間だけど
まだ今日が来てい ....
春までの道のりを
手探りするきみの指で
うたは束の間、白く結晶する
凍れる河と
色褪せた山並みと
特急列車の行方を挟み
わたしの前で野分の一陣はわらう
今日も約束の書けぬ手紙 ....
羊毛のコートを、僕にくださいますか?
腐りかけのパンを抱きしめて、
高級洋服店の前で、
おなかが空いたけれど、
今はとりあえず、
あの猫が、凍死しないように。
羽毛 ....
息をトメルのは
簡単で
走るのに疲れたら
歩いても良いと
言ってくれた
どうせなら
簡単に終わらせることができる
この道の先を
ちょっとよそ見して
誰かと手をつないで ....
寒い夜暖房よりも暖かいあなたの温もりほしがる身体
今晩サラダにして食べる
ほうれん草つみながら
思い出すことは
そろそろ描かなければ
モチベーションの消えてしまう
描きかけの絵
うとましく見ながら
考えることは
今日はまだ帰ら ....
切りつけられた痛みは何処へも行けない
刻まれたままで足が無いもの
誰も消そうとはしなかった
その努力すら切り捨てられた
何者もその跡を追跡しなかった
僕はそうして大人になった
理不尽で ....
ふとした瞬間に
還ってくる彼らの声
意味もないことで
笑い合ったね
支えあうとか
本当の意味も分からずに
薄っぺらい情愛が
僕らを包んでた
本気、だったよね
かりそめ ....
昨夜の飲み会で終電を逃し
駅前のネットカフェに泊まり仮眠を取った
リクライニングの個室で夜明け前に目が覚めて
出勤時間よりも一時間早く職場に着いたので
シャワーを浴びた後
休憩室の畳の上 ....
ふいにはじまり
ふいに終わり
悲しくそこにとどまるもの
晴れた夜の無灯火の群れ
光をちぎり 与える誰か
ちぎれる前の 光のありか
地に倒れた外灯が
赤い星を聴いている
青に ....
もう下校時刻だと言うのに
未だに君は
鉄棒と
対峙して
地面を 蹴る 蹴る
この歳になって
逆上がりもできないのかよ、と
馬鹿にされたのが
悔しかったのかな
それとも ....
好きだから、近づけなくなる。
好きだから、見れなくなる。
好きだから、好きすぎて
好きだから、もう会わない。
....
ベランダは東向きだから
朝はとても眩しいよ
彼ね
厳しい審査の結果
高得点で合格しないと見せないよ
足の親指を齧ったあとの
くりん、とキャット半回転
もう ....
遅すぎたかもしれない出会い
僕は遠回りしすぎた
時刻票なんてみてなかったから
終電に乗り遅れた
歩いて帰らなければならない
誰もいない深夜の曲がりくねった道
それでも
....
はかなく燃える この哀しみは
灰になることなく 燃え続ける・・・・
たった1つ狂っただけで すべてのネジが狂ってゆく
自分の心を ただ見つめている
どうしようもないこともあるし ....
一人分の命、今零れた
その手の平の温度で溶けて
一つになりたい
一つになりたい
君と一つになりたい
私が消えれば貴方になれるの?
貴方が消えれば私になるの?
溶け合う心より確かな ....
大切なモノが何か わからなくて僕は探してた
だけどわかったんだ 大切なモノなんて
探す前にここにあるんだと
辺りを見てごらん 君の側で笑っている人たちや
泣いている人たち
....
上昇していく海を
泳いでいた
常に水面から顔を出しているのに
何故か息苦しい
いっそ
どこまでも沈んで
深海魚の餌になりたかった
けれど
空気を吸いすぎてしまったからか
....
昨日 男が欲しかった
非常に発情しているのがわかるの、”らん”は左側から排出されていてよ。
けれども赤く、流れてしまった
あなたが早く来ないから、流れてしまった
お会いできるの ....
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