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夢の終わり際から
はぐれてしまわないために
さしだした手が
たどりつく見知らぬ行方
秋の終わりを騒々しく
告げる雨まじりの北風が
夕焼けあとの闇の色を
城跡の石垣に染みこませる

ま ....
眠れない夜の窓際で
二重に映る折れそうな月
見つめるわたしの虚像が屈折して
見知らぬ冬をさがしている

ひときわ風の音が強く思える夜は
肩の震えが止まらないものだ
ハーパーを湯で割って
 ....
そこに左手を添えるために
アスファルトの途切れる場所を探している
私のからだを投げ出す場所は
小さなムシたちのわずかに湿った住処の
その上でありたい、そして
右腕が支えきれなくなった
 ....
それは
口づけをせがむときの仕草で
そらに生まれたのでした
ふわふわと漂うようままに
虹色に、つややかに
とらえられない言葉で
とらえたまま
雲のすきまに
ずっと住んでいると
思 ....
影に追われながら月を追います
切り絵のような林の向こう
夜空の手鏡に手をのばし
まぶしさの向こうに空蝉をさがすと
指先にしがみつき
掴み取るとカサカサと砕ける
乾いた血のような残照の地平で ....
海沿いに並ぶ発電風車をくぐり抜けて
海風が膝を抱えている

吹かれて揺れる磯の花が
太陽の傾きを数えている

ぼろ布のように絡みつく
影の正体をゴム底に貼り付けたまま

そらを見上げ ....
真昼のソファーで目を閉じると
いつだったか、夜を待った日の
高原の風を思い出します
肩の高さほどの草むらを抜けて
尾根にむかう踏跡をたどり
軽く息を切らしながら
ずっと星に近いところにたど ....
僕が夜食のブタメンに湯を注いでいると
君は、子供の携帯からメールをよこす
「きょうのはなびはきれいだったよ。おかあさんとみました。」

ひとり暮らしのマンションから
夜空はつながっている ....
猛禽の切り取る曲線を雲に重ねてみると
南風の通り道がみえるだろ?
無粋な飛行機雲が一直線に
線香の燃えかすみたいに消えていく
なんべんもね、手をかざしたんだ
日差しが眩しかったからね
ふい ....
まぶしくても欠けていた
陽気なあなたの翳りに
こんなにも離れてから
気がつく、それも
霞んだそらのむこうで
つばめの描いた空の季節を
きりりとつま弾いた爪痕が
胸の奥で道程をたどってゆきます
命あるものの、ほのかな光が
湿った夏草の先で揺られています

  防波堤で砕ける波が
  どれほどのう ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう

僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう

僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで

湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
さようならと言うことが
お別れではないように
決められた夜明けは
訪れないのです、私の朝に

どんな明日が来るのか
誰も知らないから
眠れない夜も
夢見る眠りも
明けてしまえばまぶし ....
息苦しい毛布に潜り
生温かな呼吸を繰り返している
朝が来れば、くれば、と
闇のない夜に


  恐れる心が奪ったから
  やさしい鳥は渡ることができない
  闇でなければ輝かない
  ....
眠れないまま過ぎてゆく
夜明けとともに
境界線の不在を知る
そのために

昼を住処としたわたしは
眠らない深海のさかな
見えないものは無いわけじゃない
何度もなんども、ただ気付く
深 ....
夜汽車に揺られているということだ
どこかから離れて
どこかへ近づいていく
珈琲を飲み干しただけの私は
すでにさっきまでの場所にも居ない
どこにも居ないのに、ここにいる
誰かの居なくなったそ ....
そのひとが指した
暗闇に
また星座ができる
夜空の不確かさに
うなずきながら
長い髪が揺れると
それは五等星ぐらい
小さく笑うと
三等星ぐらい

月影を手に入れるために
なにもか ....
半世紀も祈り続けて
鳩が太っていく
公園の木は
故郷から引き離された子供のように
ぽつん、ぽつんと育って

生きていこうとする力に
種類なんか無くて
他人の生き様を非難できない
太っ ....
いらない
欲しがったりしない
夕日も、太陽を奪っていく時間も

    カロリーゼロドリンクを
    餓えたキャンプにばらまく悪夢
    眠れない夜の寝苦しい暗闇

幸せの意味、
 ....
  この季節に居たくない夜
  どこか、向こうがわを見ようとする
  すべり台の天文台に寝そべって

どんな温もりでも
消えていくときはいつも赤い星
経験の記憶が
証ではないのに
あい ....
まずは網膜と虹彩の特性を
知らなければならない
細めた瞳に形、またはそのありか
私は照らされて存在する

ただ視界になりたいときには
井戸の底に住みたいと思う
遠い水面に朝と夜を
切り ....
綿菓子の 桜の枝にうずくまる 蕾に咲けと 満月の夜

涙なら頬をつたって濡らすでしょう 春の足跡 そらの手鏡

春の星 咲いた証はあしもとで かざはなと舞い 銀河流れる
{引用=桜の咲く春が嫌いとつぶやいたひとの
手鏡に映したそら、霞のようにたなびく
僕は戦うだろうあなたのために
僕は祈るだろうみんなのために}

満開の花は汚れたあおを覆いつくして
春とい ....
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから

僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
新しい季節へと
かわっていくなにか
さがすように風を嗅ぐ
子犬になれそう

  正しいとかまちがい
  とかはしらない
  模造できないほんとうを
  さがすように風を嗅ぐ
  そん ....
{ルビ蛍石=フローライト}の屈折系でねじ曲げる
透明ゆえの分光
赤道儀のその先で
一つとしてそろわない秒針を
幻想のように共有して
誰かの未来で僕たちはまばたきをします

季節から時計が ....
ぶどうはブドウとよばれてから
葡萄になったのでしょうか
私が生まれてきたとき
やさしくよばれた名のように

もう一度、問うてもいいですか
せみはセミとよばれてから
蝉になったのでしょうか ....
二人の時間をはかるために
砂時計がほしい
と、君がいうので

硝子の器に閉じ込める砂を探し
砂丘に鳴き砂を求めてみたけど
どの砂もしょっぱく湿っていて
完成しないのです、砂時計は

 ....
雪が私の小さな夜に降りしきます
冷たいものを無限に受け入れて
静かなまま染まるのです
記号という名前だけをもらった
小さな星雲たちみたいな
街灯が青白く照らす夜です

星を頼りに渡る鳥は ....
恋月 ぴのさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(448)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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