すべてのおすすめ
いつしか、
風のように地面を忘れてしまう
飛ぶでもなく、舞うでもなく
深海のようではなく墜落する
白夜の季節、朝焼けと夕焼け
始まりも終わりもない不安な砂時計
いつでも途中であきらめてしま ....
雷鳴に犬が怯える空で
やさしい言葉のように冷たく凍ったものが
老人ばかりの街を無数の宝石で覆い
 (あるいは灼石灰のような骨の粉)
まぶしく結晶に閉じこめる

今だけはうつくしいだろう ....
  鳥取の冬を包み
  かくすもの
  街の音まで凍らせて
  夜を沈黙で満たし
  立ち尽くした
  遠くで、雪おこしの稲妻が
  夜を呼びさます

暗闇に置かれた水晶の透明が
今 ....
かもめよ、教えてください
埠頭をかすめて海に消えたひとりひら
海雪の行方を

海峡の雪雲に隠れたプロキオンだって
待てば姿をあらわすでしょう
その、抱く思いに揺れていたとしても

 ....
秒針は螺旋の軌道を描いて
歩くことでは辿り着けない場所に
らせんらせんを運んでいく
生まれることで届くだろう
窓の外で、まどのそとで

  ラッシュアワーに平気で押しのける
  普通に見 ....
頬を強く叩くために
雨は雪になったのです
賀露港にたたずむ
漁船のランプを揺らして
海を越えて雪が来ます

  耳をふさぎ目を閉じると
  遮蔽しきれないものが
  肌の上でぴりぴりと ....
鳥取の冬雲が北風に迷っています
今日は大潮だというのに月が
複雑にからまっているのです

 私の言葉は上手でしょうか
 そんなことよりも伝えたいことの、
 たとえば月の輪郭を
 なぞる指 ....
今夜の雨は悲劇に酔っている
私だけは違うといいながら
誰もが同じように濡れている
無邪気すぎるから
傷付けられたことさえ忘れて
私だけの痛みが欲しいと
傘を風にあずける

  焚き ....
空に平行線をさがしてみます
飛行機雲も虹も
いつか山の端と交差して
対角は等しいのです
さっき雲の切れ目から
幾筋もの平行線がさしていましたが
やはり水平線と交差して
錯角は等しいの ....
あの街についたら
私は歩くでしょう
確かめるために
間違いなくそこにいた
影というかげを集めて

空がまぶしすぎると
鳥は切り絵になります
川面はしわくちゃにしたホイルみたい
いいか ....
海から流れてくる雲を
ぼんやりとながめていると
失われた呪文を思い出します
焼き締めた土人形を
たたき割るときに
病んだひとの名を呟く
あの、呪文

  鳥取の冬空は
  ほんとうの ....
さかなの星空はいつも
境界線でゆらめくのです
星空を落ち葉がよこぎり
岸辺のすすきも
月明かりに
にじみながら手を振って

失ってしまったときに
ひとはさかなになる
月だってゆら ....
雨滝に続く道は
聖堂のように光がそそいでいます
昼下がり、ステンドグラスの森が
橋に季節の色を映して
敷き詰められた落葉の絨毯は
通り雨の跡のように
濡れていてるのです
長い階段を下りて ....
空を殺した鉛色が
凍える水面を
錆びた銅鏡に

そんな遅い朝
鳥たちは巡礼に訪れ
しきりに頭を下げる
もう幾度も焦がれては
言い出せずのどを鳴らし
奥歯をかみしめる

本当に辛い ....
町田はタマネギだ
幼稚園の年少組だった私は
引っ越す前日になって
狭い庭の片隅に
茎を伸ばしはじめて食べ損ねた
タマネギを埋めたから

改札を抜けると
思い出の場所など
思い出せもし ....
シャッターが切り取るわけではない
それは露光時間を決めているだけで
まぶたのように拒否するのだ
ファインダーが見つめるのではない
いくつかの屈折率を経て
まなざしの限界を教えてくれるのだ ....
呼吸を確かめるように
胸の一番奥から
茶柱を吹くように
耳元にささやくように

わたしの呼気は
シャボン玉のように
きらきらふわふわと舞って
パチンと消えてしまう
不慣れなかたち ....
月を遠ざけるものを捜して
迷い込んだ森

薄紙で封印された
わたしを引き裂いて
生まれてくるものがある
皮膚がわたしを押さえつけていた
だから、だ

破りとられて流し続ける
温かい ....
携帯電話を右手に持って
駅に向かってる

携帯電話をズボンの左ポケットに入れて
噴水の横で待っている

ストラップを短く持って
くるくる回してみたりする
居心地が悪いね今日は
ど ....
蝉のように
最後の一週間で
羽化してみたい

  飛べるだろうか

そんなことより
左手と右手の違いについて
考えている
ついでに右目と左目について
も、ちょこっと
やはり
 ....
いつでもそうだなと
思うときに熱くなる胸の芯を掘り出す
それはいつも白くて冷たい指で
見知らぬリングをはめている

掘り出されたものを
届ける先を知らないので結局
夜の繁華街
閉店 ....
雨の温度が秋であれば
降りしきる時が吹かせる
あの風が好きだ

小雨であれば
プリントアウトした君からのメールを
焚き火にくべよう。

消去するときは軽々しい一瞬だったけど
剥がして ....
異次元というもの
そこへの入り口があると信じて
目をこらせば手がかりが見える

透明で美しいレンズで分光されるまぶしい輪郭も
普通じゃない異常分散というレンズで結像する
ありのままを知るた ....
砂に埋もれ
沈みそうに生きて
手の届く範囲の幸せを
ただただ全うする
あたりまえに生きることが

どうして
美しくないと
思っていたのだろう

  みんなの中に居るか
  「だれ ....
  かなしくてもしあわせでも
  かぜはいつかあめになってしまう

僕の知らないところでも
発電風車をすり抜け
ロウソク工場の煙をながし
ビルの隙間で口笛を響かせ
千切れた段ボールを蹴飛 ....
鏡で色を盗むと
空は気圏のように薄らいでいく
ひかりだけで染められたセロファン
退色した虹がいろどる夜
沈黙ではない静かな
月光の耳鳴り

声は聞こえるものだろうか
それとも伝えるもの ....
波打ち際に作られた砂山
いつかのあなたのよう

私の胸の潮騒
いつしか海にかえって
公園で蝉の骸を踏む乾いた音に
夏の日差しが醒めていきます

夏は生まれゆく季節ではなくて
燃え尽きていく黄昏だから
皮膚の下を流れるもののような色で
手の届かない場所へ
沈んでいくのです ....
ゆるやかな緑の山稜から
墜落した日差しに
めまいがする
真昼の木陰はさらに黒くて
鳥たちも飛ばない季節風
私の見えないところにも
染みこんでいく

切り絵の空に逆光のきみが
遠く ....
本当はあなたが生まれたときに
おめでとうと言いたかった
私の知らないあなたの時間に
こんなにも嫉妬しながら

また季節を一巡りして
出会えた感謝を伝えたい
公園のブランコの影がのびて
 ....
恋月 ぴのさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(448)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
極夜、瞳のおくで- たりぽん ...自由詩509-1-18
やさしき雪にふるえて- たりぽん ...自由詩9*09-1-13
夜雪- たりぽん ...自由詩6*09-1-11
立待岬- たりぽん ...自由詩609-1-4
いちばん遠い朝- たりぽん ...自由詩7*08-12-30
冬の航跡- たりぽん ...自由詩208-12-27
月の輪郭、風の影- たりぽん ...自由詩19*08-12-22
雨は名前をくれない- たりぽん ...自由詩12*08-12-16
そらに、へいこうせん- たりぽん ...自由詩6*08-12-3
あの街についたら- たりぽん ...自由詩6*08-11-26
土偶- たりぽん ...自由詩8*08-11-20
さかなのよる- たりぽん ...自由詩32*08-11-15
橋、滝に続く小径で- たりぽん ...自由詩7*08-11-13
巡礼、訊ねることもなく- たりぽん ...自由詩208-11-6
駅・町田- たりぽん ...自由詩6*08-10-31
視線、と誰かが言った- たりぽん ...自由詩408-10-30
はじける、そらから- たりぽん ...自由詩508-10-26
あわせかがみ- たりぽん ...自由詩22+*08-10-19
まちあわせ- たりぽん ...自由詩608-10-12
うつしみ- たりぽん ...自由詩808-10-3
月を縛る、朝が来ないように- たりぽん ...自由詩308-9-26
眠りたい、雨の日は- たりぽん ...自由詩17*08-9-21
蛍石の望遠鏡- たりぽん ...自由詩308-9-19
よわき星雲への- たりぽん ...自由詩18*08-9-7
僕は世界に旗を掲げる- たりぽん ...自由詩9*08-9-1
ろうそくのための- たりぽん ...自由詩808-8-24
胸に打ち寄せる- たりぽん ...携帯写真+ ...808-8-19
季節は生まれたりしないのに- たりぽん ...自由詩9*08-8-17
残照、とりのこされて- たりぽん ...自由詩708-8-13
「日時計」と、ささやく- たりぽん ...自由詩5*08-8-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する