すべてのおすすめ
降り出した季節のはじめのひとしずく 僕は知らずに踏みつける夜


おぼえてるもうわすれてる ふりだしではじめにふったさいころのめは


泣き出した君の最初の一滴を 知って知らずか{ルビ宇宙 ....
  曇る窓の先は雨
  バスの湿り気に汗ばむ
  ポケットのハンカチ
  フロントガラスをぬぐうワイパーの往復が
  息苦しさをリズムにのせようとする

雨の降るしくみは
学校で教わった ....
北風が公園の遊具を
カラカラと転経するかのようで
あわてて耳をふさぐと
もう名前も忘れたあのひとが
私を呼んでいるのに

声は私を忘れて
名前はだれにも届かない

やっとちぎり取った ....
雪に閉ざされた街と
鉛に封じられた空が
防風林の向こうで
混じりあって、深藍に

   レールギャップを鉄輪が踏む音
   ポイントを焼く篝火の色

私は泊まる宿も決めず
真っ白な駅 ....
   キレットの真下の残雪で
   オレンジ色のジャケットが
   タルチョのようだ
   鳥たちの羽ばたきの音で
   あちらへと招いている

おまえはもはや
ことばだけになった
ど ....
 神が住むという山の麓は、瓦礫だらけの扇状地で、そ
こに掘られた深い母井戸を彼は「マジャール・ダー」と
呼んだ。この場所から井戸の水面を見ることはできない。
カレーズと呼ばれる地下水路はここを水 ....
砂まじりの夕焼けが
河口の水面を鏡にして
車のクラクションまでが
赤方偏移すると

空がどこにあるのか
行方を見失ってしまい
だんだん宇宙になるその正体を
冷たく知ることになる

 ....
届かない、ところへ
ささやく
あきらめではなく
染め抜くように
静かに
いちばん遠い胸の奥で


  月夜をおぼえているかい?
  欠けた鏡のまぶしさではなく
  影の地平から昇っ ....
雨に吸い取られるように
街から見上げると
あしもとの同心円は
忘れてしまう
私ではないあちこちを中心に
広がる波紋の重なりで
まちは夏の終わりに濡れて
遠い港の潮臭いしぶきまで
思い起 ....
電話番号占いって知ってる?
って唐突の質問
教えてよっていえば
じゃあここに番号入れてと
携帯を差し出すあなた
結果はどう?って訊いたら
明日運命のひとから電話があります、だって。
 ....
   積乱雲を夕刻に照らし
   今日の終わりの貌
   南南東に流れてゆく
   身代わりの月は
   時々かすみ
   雲よりも遠くで
   私を笑っている

またたく稲妻が呼ぶ
 ....
  嵯峨野の竹林をさやさやと
  ひそやかにながれていきます

  野良犬の糞を拾いもせず
  高級な玉砂利で覆ってしまい
  きれいな庭ですねと褒めると

これが普通ですよ
   ....
私がいなくても
何かが生きている気配
熱量のないぬくもり
それは香りで感じる

嫌いな言葉
じゃすてぃす
ふりーだむ
びくとりー

   わざと口に出しては
   目尻で笑ってみ ....
答えだけが
求められるから
今日は太陽が沈むでしょう
そのたびに
遠ざかっていくのです

   飛鳥の石舞台は夕日に
   廬山寺の桔梗は夕日に

やってくる未来を信じないにしても
 ....
こんな夜は
星なんかいらない
いろんな自分が壊れて

 風の吹き抜ける地下通路を
 歩くのはひとりだけど
 橋の向こうをめざしていく
 笑いながら

どこで夢見たのだったか、きみ ....
低くなる光
黒に見え隠れする温度
埋み火のいろ
仄かに消えていく
ぬくもりだから

  だきしめて
  あと十分間
  ぬくもりを

大切なものは
ときどき儚くて
握り ....
夏の真昼、それでも橋は
向こう岸へと道を渡していた
橋は境界を渡っていくという
意志の名前だ

それはいつも不器用な放物線で
あなたと わたしや
世界と そうでない世界と
あっちと こ ....
田舎暮らしに馴れきってしまい
地下街が怖くて僕は
東梅田のビルの隙間
歩道をとぼとぼ駅に向かう
汗がにじむのは
気温のせいじゃなく
コンクリートに染みついた
あの夏の影の照り返し
不快 ....
ひとりぼっちで
過ごしたい夜が
みずたまり
雨の波紋が
せまいむねのうちで
干渉しあう

ふたりだけで
見つめていたい夜が
みずうみ
交互に投げ入れた小石が
たいがんへ
消える ....
僕はゆくだろう
鍾乳石の先で抗う
水滴の
夜のために

待つものも
さだかではない
暗闇のもっと底
染みこむ
朝のために

屈折がつくる道
灯台が照らす
霧の先に

ゆく ....
京都には
たくさんの色がある
錦の糸、その数だけの

雨が降れば、石畳の
風が吹けば、竹林の
雪が降れば、杉山の
星が舞えば、祭囃子の

さらりと、するりと、
あたりまえの顔をして ....
花を褒めるような言葉で
君を傷つけてみたい
月を愛でるような文字で
君に刻んでみたい

どんなにやさしくて
気持ちのいい言葉も
押し開くことのできない
君の肌の下
暖かいものが満ちた ....
好きなところを数えるのは
大天井岳のてっぺんで星を
数えるようなものだから
その暗闇まで含めて
全部が好きなんだ

そしたらあなたは私を
うそつき、と言った

ほんとうには
遠かっ ....
桜花を散らせ
次の季節が吹かせる
湿った風に
なびく美しさを隠したまま
洗い髪みたいに
君は濡れている

よこぎる鳥を数えるように
ひとつひとつ忘れていく
透明な霧の向こう、輪郭
 ....
流れていくのは
いつも昔のもので
西でギラリと
湾を満たすものは
せめて夕日に
清らかに染まろうとする
 
夜の寒さなど
思うこともなくながめていた
港を出て行く
貨物船の短いマス ....
細いだけのものを紡ぎ
不器用に飾られた
花のネックレス
朽ちてしまうことも知らずに
綺麗さだけが
二人を青空にする

失ったものを見上げる
高層の谷間は
つくられた
あの娘の{ルビ ....
はじめての深呼吸は
君に会えない夜に
街灯にうかれた虫たちを
見上げる時の角度で

  波を見上げる魚でもない
  雲を抜き去る鳥でもない

手に入れた感情の
空虚な その熱さ
埋 ....
  はぐれものは
  ふるさとの名前を知らない
  だから、私の汗ばんだほほを
  冷たい指でぬぐいながら
  細く、薄青いくちびるで
  君が名付ける、それが
  たどり着きたいふるさと ....
広島への出張なんて
もう馴れたと思ってたけど
今日は新幹線の
閉まる自動ドアが恨めしい
これから会議だっていうのに
君の涙の理由ばかり
そればかりが気がかり

  帰り道、駅までの路地 ....
餓えているのではなく
影を落とす孤独が
乾いていくということ
砂漠
その影に
息づくものがある
星は照らしているけれど
遠い過去が
輝いているだけで

君が乾くとき
僕は海を ....
恋月 ぴのさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト(448)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
仮称_流星雨- たりぽん ...短歌10*07-10-6
路線バス(系統21番)- たりぽん ...自由詩1007-10-1
夏の望遠鏡- たりぽん ...自由詩11*07-9-26
駅・五所川原- たりぽん ...自由詩10*07-9-17
空には関係のないこと- たりぽん ...自由詩8*07-9-16
マジャール・ダー- たりぽん ...自由詩507-9-12
ユーリイ・シンドローム- たりぽん ...自由詩11*07-9-10
忘れたくないから- たりぽん ...自由詩1107-9-6
フランクリン・シンドローム- たりぽん ...自由詩16*07-8-30
魔法じゃなくて- たりぽん ...自由詩11*07-8-29
くうふうりん- たりぽん ...自由詩11*07-8-22
きょうとさんけい- たりぽん ...自由詩6*07-8-13
祭りの夜だというのに街灯は- たりぽん ...自由詩6*07-8-10
さーくる- たりぽん ...自由詩10*07-8-8
アルクトゥルスの頃- たりぽん ...自由詩7+*07-8-6
Proxima_Centauri- たりぽん ...自由詩6*07-7-31
橋、ただの橋だけど- たりぽん ...自由詩11*07-7-28
駅・大阪- たりぽん ...自由詩15*07-7-22
海よりも、行方を- たりぽん ...自由詩1307-7-19
疾中(微熱)- たりぽん ...自由詩1007-7-17
くろのかたろぐ- たりぽん ...自由詩1307-7-12
トレジャー- たりぽん ...自由詩9*07-7-11
コマクサ- たりぽん ...自由詩12*07-7-10
烙月- たりぽん ...自由詩907-7-8
駅・大阪港- たりぽん ...自由詩12*07-6-30
ジルの野原- たりぽん ...自由詩12*07-6-28
ディラックの空- たりぽん ...自由詩14*07-6-15
故郷- たりぽん ...自由詩12*07-6-13
麗ちゃんで「7番」- たりぽん ...自由詩8*07-6-9
海で乾いていく- たりぽん ...自由詩13*07-6-6

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する