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輝くような明日が待っている



誰もが思わなくなったって

明日にしてみたら

たまには輝くのだから

輝きがいがないではないかと

愚痴をこぼす時代なのだ



 ....
人が死ぬときにする 小さな音を
まねしながら このうたを うたえ
生き死にのリズムで このうたを 

「きみは いきろ ぜったいにいきろ
 まっくら闇 
 煌々とひかるのがきみのひとみだけ ....
いま この傾いた陽の中で起こる
出来事を讃えよ
祈りは虚しく 鳥撃ち落し
霜の降下は 胸患いの効果を現す
空にかかる花は 萎れ 枯れ果て
この寒気にふさわしい   闇が
笑いを噛み殺して  ....
仮に
私たちが住んでいるのが地面ではなく
几帳面に
ジオイド面か何かだったとして

町の上を
風に
山や谷が通り過ぎていくのは
えらい騒ぎだと思うが

空の底から見あげれば
気圧 ....
サルからサルに進化して

少しは賢くなりました

と、サルがサルをもの珍しそうに眺めて

いるだけなのに

と、眺められているサルは思っています。



電波を介しての意思疎通 ....
胸の奥にある涙の水琴窟よ

心でろ過された美しき純水よ

悪夢の源泉たる美味しい

ミネラルウォーターよ

かような自由の翼たる飛躍は

我が身をも傀儡のごとく

自在に操るは ....
集まり群れて
昇華されゆく時の中
足早に過ぎる回想の化石たち

ホームに駆けてゆく想いの数と
すれ違う人波の潮

微かに漂う意識の焦げ臭い、
螺旋状に流れる白い煙

更新されてゆく ....
蒼白の薄明
永遠に処女の領域

素数のみで刻まれた暗号
純粋遊離線

冷たい蜃気楼
置き去られた天象儀

倦んだ庭園
途絶えがちなピアノの音

未分化な恐怖を秘めた深淵 ....
世界は みずでできていると 
きみは言ったけれど
肝心のきみも やっぱり みずでできていたのは
きみが死んで 五日経って ようやく思いだした

(そのとき みずが流れた)

深夜 人は大 ....
命日
ギラギラリラ赤いヒヨリミゴケの蒸す炭化したブロック塀はガタガタラバタラで
露出した鉄骨に刺さる視線は痛い
敬礼
そこにテラテラ反射するクチバシは逆さ吊りされた雄ヤタガラスの
あんまりな ....
 
【一】
 
 
 春の倍音。
 
その色素の薄い、一斤染された肌に、低気圧は粘るロを開き、螺子で巻いた舌を這わせる。
常識が全身で身悶える。
振動する音幅の内部には、不幸を装った透 ....
望遠鏡で
反転する
数え切れない銀河と星たち

僕は「無限」と詠んだが
ほんとうは遙かに及ばないのよと
君は流れ星だって数えたりしない

  夜空に両手を広げて
  星を切り取る
 ....
―序

不快
不快
それは始原
または未分化の世界
身体を持たぬ亡霊の苦しみと目覚めてから思ったものである
悲鳴を上げる声帯も
じたばたともがく手足も無く
吐き気に応える胃すらも ....
ぼくたちはきっと
とても遠いところから
やって来たのだろう
永い旅の果てに
僅かな智慧も
言葉さえも失くし
全くの無力な姿で
ようやくここに辿り着いた

その握り締めた掌は
大切な ....
優しく
大切に
決して
壊れぬよう
育てた
頼りない
種は
やがて
小さな芽を
出し
いつの日か
咲き誇る
そう思っていた
幻想だった
いつまでも
小さな芽は
小さなま ....
ヨーロッピアンのバイクで
袋小路にはまった場合
ハンドルの切れが悪いので
往生する
一度でUターンできるような
道幅があれば袋小路とは言えない
単なる行き止まりである
小路だから ....
なぁいつか聞いてくれョこの負け犬の唄
だっせぇ諦めばっか繰り返しのサビも
たまにゃ 魂を揺さぶるかも知れんしョ
マジで流行外れのそのメロディも
ときにゃ ココロに響くかも知れんしョ

なぁ ....
六月の
曖昧な空の下
白くたたずむ部屋
横たわる私の身体から
刻一刻と
鼓動がこぼれ落ちる

けだるい指で
クロニクルのページを繰る
季節は私には
いつも晩くやってくる

忘却 ....
知らない足音がわたしたちを追い越し
立ち止まっていることに気づく
群れるものたちのすべてが
居場所を持っているように見えて
小さな声でいることに
少しだけ疲れて

彩られた樹木たち ....
コマドリたちが騒がしいよ
外はすっかり晴れた
夕べの雨
あれ、嘘だったんだ

緑なんかつるっとしてて
ビニールや何かみたい
走ってくる赤い点は君

氷をほっぺたにくっ付けて
びっく ....
地球はもうかれこれ数十億歳で

あたしは未だ 齢十二歳

誰も憶えてない位永い 永い惑星の歴史に比べたら

あたしの歴史なんてずっと 浅い 浅い

其んなもので誰かの胸に 

 ....
ブラキオザウルスの下で雨宿りをする ブラキオザウルスは小高い丘のてっぺんにいた ブラキオザウルスは動かなかった 雨はやむことを知らずやがて ブラキオザウルスとわたしと そうして一部の地表を除いてすべて .... 残していったものが
背中でまだ疼いている
一日の始まり
蝶のような揺らめきで飛び立っていったのは
形にならない荷物を抱えた人
遠くへと呼びかけた
朝の挨拶をすり抜けて


ここで何か ....
我が町の
奇商組合員の中には
やどかり不動産もいて
地見屋のように日がな一日
干潟を歩く
歩くついでにゴカイでも掘ればよいのに
目を皿のようにして
宿のないヤドカリを探す
着物 ....
9・11
あのときの衝撃をボクは忘れない
あのとき
ボク


牢獄から開放されたように
とてもスッキリした

そこに人がいて
大勢死んで
そんなことは想像しなかった

ただ ....
朝の駅の構内で
改札の向こうからホームの階段を上る
黒い制服の青年が障害を背負う体を傾けて
こちらに向かって歩いて来る

眼鏡の奥の瞳には
いつも光を宿らせて
不器用な歩幅を
一歩  ....
ぷくぽん!。

ぽんぽんぽぉーん。ぷくぽんぴん!。
ぽんぽんぽーぉん。ぷっぴっぽん!。

ぴんたりらりりん、ぽんたりらららん!。
ぽんたりらりりん、ぴんたりららびん!。 ....
みえない ことが
おおいから
きみの かんじたこと
わたしのこころにも
とどけてほしい
ないものねだりの
きみのそらの
てんきよほうさえ
ままならない

るいせきしてゆく
さまざ ....
梅雨入り前の風は
しっとりと
雨の色を含んで
部屋に吹きいる
私はひとり
読みかけの本をそっと置き
その匂いをかぐ
君と辿ったいくつもの夜
ふたり描いた夢のかけら
せつなく胸を締めつ ....
突き抜ける灰色の列柱
空を絡めとる錯綜した架線
見下すように監視する漆黒の翼
世界は囚われ視界が捕らわれる
可視性のリアライズに反射する陽光
はためくトリコロールの布切れに
言葉は摩滅消耗 ....
朝倉キンジさんの自由詩おすすめリスト(179)
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