すべてのおすすめ
 朝 南垂れのベランダに届けられる
冬陽という なによりのご馳走がある
     夜 裸木に呪文をとなえる
 北風という メッセンジャーがいる


      庭隅のわくら葉は いま
  ....
 猫泣き地蔵の前で言葉を忘れる
 ゆっくりと羽化する夏蝉
 冬の間取っておいた氷柱の結晶
 廊下ではしゃぐ君と僕は回想
 広場では冥界の方々が踊り狂ってる
 金太郎飴のようにどこから ....
  感情の表層を抉るように
例えば それは
 ビルの谷間を駆け抜ける

 横溢する鬱屈のアニマに
  放置された
 束の間の雨季

羽化しかけの蛹さえ
約束されたその日 ....
どうして風はやむのだろう 静かに
(怒りに満ちた夜)
並木がささやく
──どうして風はやむのだろう

……あの星に
    あの昼に

落ちてゆく
人も車も
岩もビルも雲も
平衡 ....
背なか 背なか
もたれかかった珪藻土の壁には
真昼の温みが宿り
後ろから
春の衣をふうわり掛ける

あし
足もと
埃だらけのズックの下で
蒲公英は蹲り
カタバミが少し緑を思 ....
凍てつく冬の朝
窓からはオレンジ色の
射すように強烈な一筋の陽射し
夜明けをむかえ
また一日が始まる

自動販売機で缶珈琲
温もりが演出する火曜日の朝

公園の冷えたベンチ
失 ....
互い違いの所謂握手
握り損ねてわきわきと
沈める電気を掠め喰らいて
からてを合わせてヒシと
閉じ込む

蒐集手挟みわらわらと
雷どもの閃きを
白磁の闇にて放り出す
容れ物は耐えてぐず ....
生が静かに奪われる季節は
いつのまにやら飛んでった

透明な幽霊は嘆いたままで
どこへも続かぬ帰り道を見る

マルドロールの夢に溺れながら
マシニックな笑いは見る影もない
狭い部屋でずっと暮らしてきました
誰も受け入れないように
皆は僕を傷付けようとしてきます
冷たい視線悲しい言葉
気付けば外が怖くなっていました
カーテンを閉め切って
薄暗い部屋で呼吸をして ....
19:00過ぎると
失神したての飛蚊症の雪が降る。
柳原魚屋は店終いをしだす。
臙脂色のシャッターを半開きにして
テナーとバリトンの混ざった真偽で愚痴る。
痩せぎすの長靴履いたエド ....
オリオン座が西の空に瞬く午前三時

部屋の中で独りの男が
机を照らすランプの明かりの下
白紙にペンを走らせる音 

時を忘れ
宛先の無い手紙を{ルビ綴=つづ}る深夜に
眠れる街の何処か ....
     ふと思いついて、昔書いた詩を投稿してみま
     す。一九九〇年から一九九四年ぐらいまでに
     書いたものを、自分の中では「初期詩篇」と
     呼んでいます(それ以前に書い ....
蔓長い水草の絡まりついた 手を叩き
水をたらふく吸って膨れ上がった 足を踏み鳴らす

「丘の裾野に咲き誇る
 キンポウゲの群生から
 花房一本嘴にくわえ
 夜露の空を飛び渡り
 あなたの ....
永遠の愛、が
刻まれていた
赤い鉱物顔料で飾られて
二千年の地層の中
地中にしみこんだ月の光で
風化した言葉だったから
秘密が解かれるまでそれは
王の名
呪い
花の名前
祈り
そ ....
遠くの街灯
なぜ揺らめくのか
この年になってもわからず
汽笛は質量を落とし
寄る辺ない破線となり
私を映し
私を透かす
窓ガラスをはなつと
瞳、仮初めにも
その冷たさを押し量った
 ....
さびれた館の馬像の陰から
子供が数人こちらを見ている
塀は陽に照らされ指にやわらかく
その上で子供のひとりが
虫喰いの木洩れ陽を目にあてて笑う



水たまり ....
星明りを知らない。

月が今も足元や景色を照らしてくれるように、
星明りも言葉だけのものではなかったはずなのだが。


そんなに大昔ではない昔、町でもなければ雨や曇りの日、
ひとは足元も ....
あの人へ
何が、残せますか
つぶやいた言葉には、行方がありますか




いつも夏には
揺らめいて、薄れていくものが
近くにも、遠くにも
留めて
確かにそこに居たはずの
陽炎の ....
日はこの時ついに陰ることはなく

交叉点の信号が
青ざめて進めという
曲線に添った産声が
白い手で羽ばたき
円周率へ視線をおくり

目をふせた
ふせないで
みつめて
林檎の赤
 ....
鎌倉駅の通路の壁に
寺へと続く石段の写真が展示されていた

門の向こう側の境内には
不思議な光が満ちあふれ
そっと上げた足先を写真に入れると
体ごと吸い込まれた僕は
気が付くと
石段の ....
あの日の筆圧で
定着したインクが
原稿用紙の余白に
青くにじんでいた

その万年筆の字体は
水性の化石だった
硬質のにじみの層は
幾重にも連なったブレストーン

そこでは私の声もに ....
精神だけが人は、と書いてある。私は、そのまま書きとめて置いたものらしい。炎熱にだまされて、わからないから、見破ることが澄まして注意を
くばって見ていると、見破ることが
とも書いてある。ナツカシイワ ....
行方もない風たちを
帆にはらませて
もう帰らない船の
船笛の消えていく先
短い呪文
アストロラーべ

二人の旅路を
羊皮紙に書き出しても
深海の底に
沈む姿があって
透明な海藻に ....
空から音も無く降る雪の
つもる速度のいじらしい熱

ちょっとまえの流星は
乾燥した鋭い声で失礼のないように
(絶望はできない。
と軌跡をのこし消えていった
このとき雪はしゃららららん
 ....
薄馬鹿下朗だっきゃ工場さ勤めで長げくて、数年前から屠殺係についでらっきゃさ。
レバー上げれば格子さ固定されでら豚運ばれで、
レバー下げれば豚の首っこ飛ぶ。
一日中椅子さ座ってさ。

塗装し直 ....
その人が、燃えていった
毎日よりも人は集まっていた
いなくなったというよりも
手放した、と言いたかった
彼らは笑う声で
透明な空を細い道にして
順番に順番に、昇っていった
花が、咲いてい ....
なでつけるような冷たさや
レミンカイネンの背を越えて
光は荒れ地を駆け抜けてゆく
渇き くずれたものたちの手に
透明をひとつずつ置いてゆく


森の音が
別の森へ届き
 ....
海を見た
海を見ていた
昨日のこと
一昨日のこと
それはあったこと
それともなかったこと
過去を過去として
それは言葉を介在して生まれる
創られた過去
生み出された時間
認識は言葉 ....
氷の轍を駆ける鳥
ふいに枯葉のなかから飛び立つもの
朝の終わりを告げてゆく


遠く幻のように
冬の林がつづいている
常に空の色より暗く
風のなかに立っている
 ....
紫陽花の頃
手をつないで買った気早な花火に
火を点すことは結局なかった


意地をはる間に夏は去り
空は遠のき
てのひらはかじかむ









(恋は続 ....
朝倉キンジさんの自由詩おすすめリスト(179)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
冬ざれの詩(うた)十五- 信天翁自由詩206-2-20
三時に駅で君と- 如仁自由詩406-2-19
ビー玉遊び- 紫音自由詩3*06-2-17
枯葉- 浅見 豊自由詩5*06-2-15
春まだ浅き- 銀猫自由詩21*06-2-14
rusty- KADY自由詩106-2-14
白磁の闇は形代を好む- かぜきり自由詩1*06-2-13
季節- 竜一郎自由詩2*06-2-13
部屋でひとり- AKiHiCo自由詩1+06-2-13
曰く、人はもっと節度をもって死に接しなくてはならないと思うん ...- 人間自由詩206-2-12
ある真夜中のポエジー(第二稿)_- 服部 剛自由詩10*06-2-12
初期詩篇選集「尾行者の音楽」- 岡部淳太 ...自由詩7*06-2-12
水死体が歌うバラッド- 金槌海豚自由詩306-2-11
記念碑、月に埋もれて- たりぽん ...自由詩8*06-2-11
最果ての、風景の、- バンブー ...自由詩206-2-11
祭の客- 木立 悟自由詩606-2-11
「天の光は全て星」- 小池房枝自由詩9*06-2-9
夏の奥、油性の足跡- 霜天自由詩1106-2-7
(ペチカの黙秘)- こしごえ自由詩13*06-2-7
ある日の夢_〜鎌倉の寺へ〜- 服部 剛自由詩10*06-2-2
にじみ- こしごえ自由詩19*06-2-1
Dの治療- 官里舍自由詩206-1-28
とりたちの星座盤をまわして- たりぽん ...自由詩14*06-1-28
楓(かえで)- こしごえ自由詩10*06-1-28
アルビノのウスバカゲロウ- 人間自由詩906-1-27
昇華- 霜天自由詩906-1-27
冬とうたごえ- 木立 悟自由詩206-1-26
5分前の世界- 紫音自由詩1*06-1-20
照夜_Ⅳ- 木立 悟自由詩4*06-1-17
水花火- コトリ自由詩6*06-1-13

Home 次へ
1 2 3 4 5 6