すべてのおすすめ
公園のベンチで寝ている女を
小学校三年生の女の子は汚いと言う
ずっとそう教えられて来たから
口をとんがらせて泣きそうになって
汚い汚いとかん高い気分が滅入る大声で叫ぶ ....
詩は勝てない
自分の意見を言葉にできる人に
詩は決して勝てない
気づいたことをちゃんと調理せず(素材そのものの味とか言って)
なんとなく寂しいだとか嬉しいだとか
そういう気持ちのソー ....
何となくよく目が合う
他の部署から異動してきた
その女性が気になる
何処かで逢ったことがあるような
ないようなよくわからない感じ
とにかくよく目が合う
人見知りな僕だけど
自然に ....
あなたの登録メールアドレスは生きてますか?
あなたがあなただと 今も証明できますか?
あなたへ わたしの言葉は届きますか?
メールアドレスとパスワード
あなたをあなたたらしめる ....
もしも 三人が しゃれこうべになったら
三人は親子だと すぐにわかる
なぜなら 同じ頭の形してる。 と、言われ
ハチマキ姿のタコの絵のような 立派な おでこを
三つ つきあわせて
婆さんと ....
だいじょぶよ
愛とかそういうのは
べつにどうでもいいことだから
気が滅入らない何かを見つけておけば
べつにどうでもいいことだから
愛とかそういうのは
だいじょぶよ
....
愛が美しい
言葉で語られ
手帳に書く時間も
ないくらい
肉体が支配する
頃にはもう
正しいレシピを
忘れたような
クリームシチューの
中にいるから
熱くて皮膚が
敏感 ....
あなたの顔が赤くなったり青くなったりする。
いま映画館でスクリーンの前だ。
キャラメルポップコーンをつまみながら観ているがその手が止まる。
あの慈しむべき人がナイフを向けられている。
そし ....
空き地の段ボールハウスが
雨で溶けてる
Krispy Kremeの窓から
それを見てきみが言う
「17になったらあんな家に住むわ」
この矮小な世界の
ドア付近に立っていたので
わたしは一度この世界から降りねばならない
何を厭うこともない
のちに改めてやってくればよいのだ
しかし入る隙がすでになく
乗り込むことを拒否 ....
新宿が風邪ひいた
ミサイルが国こえた
満潮で重油の匂い立ちこめる
みどり濃き砂利道を墓まで散策
ビジネスの商談
近く死ぬんだと
分かっていても
する商談だ ....
野菊が 弾く
露の 散弾
衝動に 燃ゆ
火種は 雨
戻れぬ 時に
靴を 埋め
針が さした
五時へ ゆく
はや 暮れぬ
静止を 集め
野菊は いま
一言を 持つ
土 ....
特別な技が
あるわけじゃない
卵を割って
殻が入ったら
それはもう
誰かの涙なんだ
「残骸」
僕のこころは死んだから、いつまでもちゃんと笑えるよ。こころの残骸が涙を流すこともあるけれど、寿命まで生きるから許してほしい。星を見上げたことなんてないです。希望を持ったことなんてないです。 ....
水溜りを打つ雨の雫は
白いスニーカーに
汚れの履歴
行ったことのある
場所で濡れたから
この地図はきっと
破れないはず
今までもずっと
これからも多分
そうやって歩いて
行 ....
月の横に大きな鯨が浮かんでいる
ちいさな星や人工衛星を食べて生きるまぼろし
ごちそうさまの煙を吐くと
オーロラに乗ってどこかに帰っていく
きっとあれは
我々のことなんて何も思わなくて ....
誰かの幸せに
揺さぶられても
自分の思い出
輝く時は
大きすぎる手に
五本指足りず
泳いで潜って
爪の先で会う
無印になった
爪の色は負け
さよならといつも
隣り合わ ....
先生、それならどうして
教科書にそれが
記載されていないのですか?
いいかみんな
歴史の教科書というのは
歴史の許可書なんだ
歴史の記述は
その時の権力者の
思惑に沿って許可さ ....
自分の夢が
現実になろうとする
現実になった
今までの経験が繋げた
夢へと伸びてゆく道
リアルなイメージが
現実になること
何倍も早める
ポジティブに日常を楽しみながら
....
取り柄なんて何もないし
いたって目立たない人間
脳みその出来はわるいのに
考えてしまう性格
くよくよとジメジメとぬかるんでいる人格
中学の頃は太宰治にのめり込んだ
ような気がする
....
雨のなかの声
とおりみち
夜に立つ
銀の生きもの
夜を 揺らす
曇の音
手をふるもの
雨の去る音
月が照らす海
小さな声
静かな ....
死から遠ざかる方法
あと一二年のいのちから夜を見つめる
信号の赤やみどりが頑張っている
信号無視する派遣社員ぽいひと
コンビニから大きな袋持ってでてくるひと
ああ、いま、 ....
点と線で描く
風船の中
詰まった言葉を
透かしながら追う
軌道の先で
詩人は待ってる
釘をさすような
最後のひと声
丸い形を
変えたくて割った
地球の中心
少しズ ....
死にゆく蛍がかじった、かもがやの隙間の細い風
すっかり軽くなった腹を抱え
夜霧の中をしっとり歩いている
大きな風に
人の声が洗われて、草木の本当の
美しさを見る日を待ちわびていた
....
気が狂っちまった
宮沢賢治はどんだけ正気?
中原中也はどんだけ正気?
誰もがせつなくて
俺の半分以上が俺のもんじゃねえ
狂うってこたあそういうこったあ
さらにさ ....
落書きは落書きだ
嫌なら額縁にでも入れて
大切にしまっておけ
本人だって
書き終わった後のことなんか
知ったこっちゃないと
思ってんだろ?
あー、バカどもが
クソ落書きに何億も ....
不幸とはある日突然やってくるものでもない。
わずかな年金生活で独り暮らしをしていた老人がとうとう動かなくなった。
そして私に「メール」を送ってきた。
「生きる価値もないのなら死ぬ価値もな ....
自信をなくしてしまっているのね
あなたは
何もかもなくして
捨てられた{ルビ花束=ブーケ}みたいに道路のうえで
眠ってしまっているのね
眼を開いたまま
こんな真昼なのに
あなたを恐が ....
八段目をうまくクリア出来ない
こんな毎日を誰が見てるの
時計の針が正しく刻んでる
薄明の月も少し笑って
命を更新していく放課後
持たされたランドセルを跳び箱に
超えていきたいマーブ ....
なんだか疲れてしまった日は、
おいしいパンを買って、一人でこっそり食べちゃおう。
僕らは何度でも、この世界に生まれる。
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