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一年と半年住んでいる七畳の部屋から
331歩
その角を曲がる瞬間にはいつだって
轢かれることを夢みてる
交わることのない飛行機雲
沈丁花の押しつけがましい匂い
片耳 ....
「風が少し冷たいね」と笑いかけると
まだ早かったんだとふてくされた声
まあまあ、って君のポケットに忍び込む
合わせなくても同じ歩調と
規則正しい腕時計
まだ寝なくても良いの?と、
いたずら ....
友人のパペットは詩人です。
有能な助手である腹話術師は、実はシャーマンです。
もちろん彼は左利き。
そして真白いシーツの手術台にいつも乗せられて
セルロイドの顎をカタカタ鳴らして話しているのが ....
コオロギの 濁点のような生涯
悲しい肉色の
西洋ツツジを切らさずに
昏々昏々 赤子と眠る
お日様が
頬を撫でる
午後一時
隣の庭先に咲く
梅の花がほころび
花の裡に蜂がとまる
虫たちのざわめきが
夏に実を結ぶ
黙々と続けられてきた営みに
僕は言葉を失い
ただ注視すること ....
彼が祈ったのは、眩しさに無感が押し潰された日。
厳しく繋がれた巨大な孤独はついに皮膚を突き破る
茫然自失。しかし吸い込まれるほど鋭利で
歓喜にも似た覚醒感に両の拳が打ち震え、加速していく鮮烈は反 ....
空に墨を塗ったら
穴に住んでる鳥が鳴いた
「病気はどこにでもある
赤い熱は誰もが持ってる
だから苦しまなくていい」
やさしい言葉をかけたいけど
フェルト生地ばかり重ねて
尖った万 ....
三月は忙しい
頭がだんだんごちゃごちゃしてくる
寝てる間に
パソコンにするように
デフラグできたらいいのにな
フラグだらけになっちゃうかな
何かわからなくても何かいいことの
予約が出来た ....
こんなふうに
手足が生えそろって
二つの目と耳があり
呼吸も嚥下もでき
発語さえできる口があるのは
不思議なことだ
それが人間の
かたちとして当たり前に
認められているのも
不思議な ....
僕を殺して
君は明日になるだろう
白を浴びて
生まれ変わった気分
ただの記憶喪失さ
君には過去も
現在も未来も
枷にな ....
雨に濡れて 春告草が咲いている
曲がる枝に 柔軟な想い忍ばせて
静かな雨に 黙って濡れている
真紅の花は 冬の寒さも知っている
過ぎた雪の重さが 想いだと知っている
生まれた地より ....
前職を辞めた理由はって面接で問われてもねえ
誰もが正直に答えられるのだろうか
いやらしい上司にセクハラされたからとか
お局様に村八分されましたとか
かくかくしかじかで辞めましたなんて言える ....
少年は、チョークを手に持っている
軽石かもしれない
壁に描くのはいつも、目。
みゃぁ、と鳴く、猫の、みゃぁ、と鳴かない部分。
少年は、いつも日が暮れる前に帰る
煉瓦の、壁には、破れかかったポスタ ....
わたしって
どこまで贅沢なのか
生きてゆく理由も、死んでゆく理由も
どちらも欲しがって
どちらも見失いそうだ
三角屋根の向こう側には、空
その向こう側に潜んでいるようなあたたかい嘘
....
永遠の愛とか
無限の可能性とか言われても 困ります
わたしたちは永遠には生きられないのだから
わたしにとって愛とは 残り少ない歯磨き粉のようなもの
早く買い換えようなんて思いません
最後の最 ....
何もかもが無意味に思え
何もかも信じれずにいる辛く切ない夜
考えないで感じて
確かな答えなんて見つからないでいい
曖昧なまま形を変え続けるその行方
少しずつ確かめていけば ....
なまぬるいお湯の中
しわくちゃになった書物を
指先を付け合せてすくいとる仕草で
かき集めます
誰かが告げた
さようなら
ひとすくいで用件を済ませば
ばらついた指先からこぼれだして
....
希望を持って
今を生きる
不安の傘はカバンの中
絶望の雨が降ったら
差したらいい
そして止んだら
また片付けて
両手に希望を持ったらいい
僕の中で爆発する
バクとハツ
バクは奇蹄目バク科バク属に含まれる哺乳類の総称である
ハツは架空の人物、性別は女、推定年齢七十歳前後
幼少の頃、本家から分家に養女に出される
分家の ....
あなたを狂わすあたしのカラダが
あの人のことも狂わしてるって知ってた?
2こ上の先輩も
行きつけ飲み屋の店員さんも
テレビの中のあの人も
あなたとブラザー
世界平和 ....
小さな気配の命が
無数に散らばる
大きな実存の生命が
今日を生かして生きる
明日はお前のものだ
日は昇る
月も昇る
星は広がる
空はお前 ....
自分の読んでるものが
自分の書いてるものが
たまらなく
たまらなく 卑小に見える
あたしって
なんて アタマ悪いんだろう
19から成長してないよ!
と思ったら
だれかが ....
きのうの満月を空に探すのを忘れていた
期末が三月なので売上のサキヨミとその検証、P/Lのシミュレーションなどでこんな時間になっていた
クルマから出ると春の夜の匂いがした
涼やかな水っぽい匂い ....
笑顔を魅せる希望の空
咲き並ぶひまわりの群れ
感謝の気持ちを表して
季節伝える
愛しさが弱さになった夜
涙でにじんだ手を握りしめ
鏡に映った自分に求める答え
....
現実世界にこそ悪夢がある
わたしたちは同列を見比べれば
無秩序な鉄槌を下しているのだ
(ジョゼフ・メリックの泣き声を耳にしたか?)
コンマ数秒という早さで鉄の雨が降りだす
今日は ....
たとえば小学生のころ
家族遠足でともだちの妹に
オウム小屋の金網に指をいれて見せたのは
ぼくだった
それをまねた彼女は指を失った
たとえば三年まえ
離婚も考えていな ....
延長コードをひっぱってきた
先はどこにあるのか知らない
足りない気がしたから充電したいんだ
長く繋がっていることで
安心できたけど
先はどこにあるんだろうと不安になった
見えないこ ....
墨いろの街道
放たれた欲望は
雨上がりの夜にさえ
涙ながして飛んでゆく
飛んでゆく
好きだけじゃ
足りないみたいだ
このせつなさを
春の切実と名づけ ....
空をあつめて
泣いてみたいとおもいます
たったひとりで
その
重みに
耐えかねて
幸と不幸の中間あたりを
泣いてみたいと
おもいます
海は
寡黙です
わた ....
あのころあたし失恋したら
生き方までかえなきゃ気がすまなかった
だから名古屋で派遣してやった
カレの親友が好きだった
カレも親友も研究なかまだった
カレに結婚してって ....
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