映画を観る
隣はいつもポテチだ

ひとつ隣りにこの映画に似つかわしくない
カップル 隣りカップル 隣り男 隣り暗くて見えない

映画が始まる
隣りのポテチはお休みだ
始まったら食べない ....
そして
それがほしい、と言う
響かない足音が、ついて来るのを待たずに
それがほしいの、と
繰り返して、言う

これだけ
狭い雨で何が望めるというのだろう
手を伸ばせばイチからゼロにぶつ ....
音が 五線紙 に

のるとき

おとは 滑り出す

おとが trumpet に なるとき

おとは 鳴り響く

おとが 鳴り響くとき

世の中に もう 怖いものは ....
真夜中
雪の解ける音で
目が覚めた

窓を開けると
まだ小さな
『春』が
窓枠に腰掛けて
せっせと雪を食べていた


時々
喉に詰まらせて
せき込むので
背中をさすりな ....
ほんの小さな
きみとの約束
消え去る前に 流れないかな

―――風に

いのちの蝉
じいさんが 裏庭で焚いていた火

しろい息
無花果の詩を齧って
はなすことがない hanasu ....
すがすがしい、とは
あなたのことを定義する
世界中の辞書には
それが 載っていない

身を切るようだった、面影と導き
わたしの中で
希望や、愛が、泣くとき
消え入りそうな説得 ....
あなたは月へと囁きかける
破裂した心臓を正常にする必要にかられ
涙は流れない
言葉は続かない
希望はいつでも見つけることができない


きみの住んでいる澄んだ川の水に
僕の呼吸法があわ ....
美しいものを見るとき
ドキンとからだのどこかで音がして
ぼくはハッとふりかえる
遠い昔のあるときに
捨て去ってしまった故郷がそこにあるかのような気がして
なぜだろう

美しい人を見るとき ....
連絡通路には窓がある
この下を、通る線には空がある
小さな窓枠から顔だけを出して
呼吸、をするためだけに
はめ込まれた絵を、まずはどけることから始めて

アフター、通り過ぎても
落とした ....
春が恋しくなりまして
春の小瓶を
手にしました

おばあちゃんがくれた
春の小瓶
春の素が入っています

茶色の
春には似つかわしくない色ですが
少し箸で取り
カフェオレボールに ....
魔法瓶に夜空をみたし
ほの明りの朝、遠足に出かけた

あいさつをしたら
光の丘で
化石だった風が
重く熟して
翼となった
種子
小さく{ルビ瞬=まばた}きをすれば
霧散している光へ ....
咳がひとつ
窓を抜けて
枯草のなかに逃げた

草むらには
どうやら微熱の欠片が
カマキリの卵のように固まって
冬をやり過ごそうとしているらしい

わたしは昨夜見た夢を覚えていない
 ....
やってきました 羊の海へ
皮を繋いだ筏に乗り込みます
海には羊でないものが紛れていますので
くれぐれもご注意を

一面のミルクからは湯気がたっていました
間違いなく迷子です
パレード。パラーデ。歩いているものを集めて、ただそれだけのこと。川のような世界で、素数のようにひとりぼっち。2、3、5、7、11、とそこまで数えたときは、最盛期たる朝。いっそのこと、きみは世界をよく見 .... 1.

かみさまはいるよ、
って 
教えてくれた人は
もうすぐ死んでゆく人だったけど
それは黙っておいた


だって、あいしてるんだ



2.

きのう、かみさまを見か ....
星を見ようよ

同じ空の下

同じ酸素を吸ってさ

同じ気持ちで
神様が生まれた日に
僕は自分の始まりについて考える

蝋燭の炎がゆらゆらと時を刻み
その身体を縮めるようにして
わずなかな明かりを灯している


神様が生まれた日に
自分の存在以外に ....
約束を違えて

飲んだ針千本は

すべて追憶

の言葉の塔

胸に突き刺さり

屹立する炎


十二月の街
ショウウインドウに棲む人影は
追放者のごとくマッチを擦り尽くす
小指が曲がらなくて
指輪がはまらない
意図しない動きから海中を流れるくらげまで
水面に浮かぶポリ袋が
月明かりを反射した

まぶしいとは言えないまでも
指輪を包むには充分すぎました
輝 ....
剥がれ落ちた
黄色の点描
掃いた先から
人だかり

異臭にまみれた種子
壮麗に枯れていく大木
足元に塗り込められた果肉

光が空気になる
空はだだっ広く
伸ばした枝の先に
カラ ....
石榴は血の味 密の味

月の無い夜に
女を食べた、あの木製の詩人は
熟れた石榴を 銜えさせて
美味いだろうと、夜風に訊いた
共犯だぁね 、
硬花の指先はわたしの唇に触れ
睦言のように
 ....
何故 君はいってしまうのか
大人たちよりも ずっと ずっと先に
危ないよ
あんまり先を急ぎすぎると
石ころだか何だかわからないものにつまずいて
転んでしまうよ
危ないよ

とん とん  ....
頭が悪いので
ワルツのリズムもとれません

あなたは
ワルツなんて
踊る気にもならないでしょう

だから
ワルツを踊る男と
踊るのよ


いち に さん  いち に さん  い ....
どうしてもあれが
こちらの世界のものとはおもえないのです
紅、青、紫の
うすくたなびくその空間に
りぃんと、糸のような月が吊られているのを見たんです

月の糸で結ばれた一番星が
そっと彼 ....
白い息がのぼる朝

氷の指の冷たさよ

紅の蕾も頑なに

視線のゆく先は

開くあしたと

散るあした

花であるなら

開けと願い

花であるから

終りも知る
 ....
ひとり立ち姿

死んでいるように
つぶやく灰の後ろに映る
星の塔が旋回してから
七色のアーチをくぐり
一瞬する視界の腐蝕する太陽へと身を焦がす

失えるものなら失ってみなさいな
零の ....
そらにてを
じめんにてを


間近で見ることなんて
ましてやアスファルトの感触なんて

しらないよ





その小さな溝に誰かいるの?







蟻はい ....
不吉だと思って頂戴
とてもとても不吉だと思って頂戴
そう思ってくれればくれるほど
あなたの前を横切るのが楽しいから
ほつれ湧き出る緑の影
ふいに生まれ溺れるもの
双つの空と迷いの木々
巡りかがやく枝と枝
無数の緑のなかの一葉


空に立つ空
こがねの樹
波打ちながら遠去かる陽
金は緑 ....
つながっている

青く透けた日の光が
結晶となってふりそそぐ季節
つめたい雨は 灰となってしまった
存在している私
無くなる。

空から堕ちた秘密が
虚ろな視線で風を呼ぶ
無神経 ....
ふもと 鈴さんのおすすめリスト(301)
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物見映画見聞録- maumi自由詩2*06-1-25
東京Days- 霜天自由詩406-1-25
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冬の味覚- 蒸発王自由詩506-1-22
約束- 便乗鴎自由詩206-1-18
「白い花」- 阿麻自由詩7*06-1-15
帰り道- 便乗鴎自由詩106-1-14
感情をことばにすることの圧力がぼくを押し殺してしまってからも ...- 七尾きよ ...自由詩5*06-1-12
連絡通路- 霜天自由詩606-1-11
春の小瓶- 十六夜自由詩306-1-9
遺跡へ- こしごえ自由詩14*06-1-8
冬に白い靴で- 銀猫自由詩14*06-1-7
ボトル・レター- 雨虎自由詩206-1-7
パレード(いっそのことのための)- nm6自由詩1606-1-7
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- 大城 小 ...自由詩206-1-3
神様が生まれた日に- ベンジャ ...自由詩9*05-12-25
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