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ふわっと開いたらしゅるっと萎びたり
しゅるっと萎びたらふわっと開いたり
貴女と云う秋の庭で青々と踊り明かす私 、
でたりはいったりひっこんだりひょっこりでたり ....
おはよう!
起きてんじゃねえよ、アホ
朝ごはん
....
今日も世界は青かった
にこりともせずただ青く
深い沈黙のうちに
自ら孕むもの差し出す如く
今日も私は呆れてしまった
自らの我意に振り回され
気付けばあることないこと
貴女に喋り散 ....
美酒に酔い
漁期が終わる明日を待つ
魚影は薄いと知りながら
銀鱗の重みを忘れぬよう
今宵最後の夢を見る
思い出は寄り添う
犬のように
抱きしめ、
愛おしむことができる
そんな記憶だけを
私は飼っていたかった
だが因果なもので、心の眼というのは
暗く忌まわしい思い出の方に
向いてし ....
すべてはもう終わりながら
自覚無きエゴイスト共の
競い合い殺し合い
此処は既に廃墟なのに、
解ってるって
濃くなる青に冷涼な風吹き抜け
冬の凍結した兵士達の進軍手前 、
....
物思いの先に
秋がとまる
キバナコスモスの先に
ツマグロヒョウモン
夏のような時間が
漸く終わろうとしている
熱風と湿気に
塗りこめられていた
思い出と思い入れと
....
みゃあみゃあ
きみがどこかで言うから
どこにいるのって
さがした
見つからない
きみの声が
ずっとしたまま
買い物に行ったら
傘も手提げも
どこかになくして
それっきり
....
君のましゅまろ、
丸くて白顔、
微笑んで、
目もほそい口もほそい眉もほそい、
まるで五つの三日月、
一つの白月、
首をすこぉーしだけ傾げて、
甘くてふんわり、
ゆきみのだいふく、
....
来週の月曜日で渓は閉鎖される
天気予報は曇りだから
これが最後のチャンス
華麗な山女魚とも3月まで逢うことはできない
秋は心新たに本流の虹鱒を追いかけるだろう
清流のファ ....
これをかっこいいと思っているのか
ではなくてふざけてるんだよ
と、
君はいう、君はいう、君はいつまでもいう、もうやめてくれ
そこで火花を照らす
ぼくぼくぼくぼく、そうそうそう、じゃな ....
足を切った
家族を飢えさせないため
自分が餓死するのを防ぐため
あのときは仕方なかった
もう一本、足を切った
自分の不甲斐なさに呆れながら
まだ幼かった子どもは
なにも知らず ....
こいつだっさ
あ、わざとなのね
こいつバカすぎ
あ、わざとなのね
こいつキモイ
あ、わざとなのね
こいつなんか臭い
あ、わざとなのね
こいつつまらん
あ、わざとなのね ....
涼風たつ坂 くだれば川辺
たっぷりとゆれる 青柳
樹下にたたずめば おとこの腕を
やさしい檻を思い出す
長い髪したひとでした
たてがみみたいに見えました
抱きしめられると 肩に背中に ....
サラリーマンだから贅沢は言ってられないのです。
久しぶりに息子を連れてヘルスセンターへ出かけてみようと思います。
本当は何処か温泉街の露天風呂のほうがいいんだけどね。
僕らはそそくさと脱衣 ....
虚脱しつつ
自らの狂気と恐怖
抱えながら
悪夢手前
夜陰へ突入する、
散りばめられた言の葉の
縮れた枯れ葉のイビツ 、
赤信号の横断歩道横切るスズメの形為し
あのひゃっ ....
その日は朝から晴れるだろう
神々しい耀きが沈もうとする刻
それは始まる
暁く染まった静くが 一雫
茜く沈んだ沈黙が 一雫
赫く咲いた聲なき聲が 一雫
朱く霞んだ無言が 一雫
....
愛こそはすべて
訳されたビートルズを聴いて思ったのよ。
愛って何かしら?
教壇に上がる講師の先生に聞いてみたら
これを読みなさい。って数冊の本を指定してくれたけど、
ソクラテスや ....
自尊心と自己卑下の坂道を
乱れた呼吸で行きつ戻りつ
水面に映る歪んだ笑みをこぶしでたたく
うつし世の花はあやしくかがやき
見るものすべてを惑わせる
常世のことわりを指で折り込み
祝詞のよう ....
夜の帳を漂いながら
時の灯りが揺れるのをじっと視ている
紫煙の向こうに浮かび上がる幻は
優しく誘う
ゆっくり両腕をしならせ
白い鳥になって翔んで逝きたい
反らした上半身の柔らか ....
その直線に、見つめて笑い乍ら
11の行方とタンバリンの喧騒を知らない
でも、の中に含まれていない二硫化炭素でもない限りは
小包のない橋で、どこかのコンビニが屯する
小学生ではないはず、もう走る ....
旅立ちは
5歳の夏
18番線の
プラットホーム
行先も分らず
飛び乗った列車
到着したところが
私の原風景になった
それから何度も
途中下車を
繰り返したが
一度も帰 ....
天国も地獄も信じてはいないが
死んだらやはりどこかに行きたい
煙になって消えるだけでは
あまりにもさみしいから
海の見えるところに行きたい
サーフィンにも水上バイクにも
磯釣りにも興味 ....
風邪をひいたっぽい
口が病院の消毒のような匂いする
なんか明るい朝だないつもより
この光はぼくかな
でもぼくじゃないにしても
何者かのような明るさに
ぼくの心はしばらく明るかった
....
あしをかわにつけたら
みなもがきらきら
みあげると
もりがそよそよ
きもちちいいな
ぼくのあしかな
ぼくのこころかな
かわもきもちいいのかな
おひさまもきもちいいかな
だからぼく ....
日暮れとともに出港し
太平洋を南下する航路
フェリーの舷側が
海面を撫で
闇の中に小さな白波を立てる
夜半に目が覚め
風にあたろうと
デッキに出る扉を開き
手すりにもたれた
夜空 ....
雪が降ってくる
どこまでも続きそうな猛暑の日
日々の熱を溜め込んだアスファルト
太陽で熱された屋根瓦の上で
小さな雪の結晶はあっけなく
蒸発して消えてしまう
しかしそれは少しずつ
....
気温は三十度を越えた午前九時
父は誰にも告げず、徒歩で家を出た
まっすぐな国道を四キロも歩いた末
暑さのせいか、何かに躓いたのか、転倒した
通りがかった人や周辺の住民が介抱してくれ、
一 ....
四月に種を撒いたヒマワリは
梅雨のさなかに大輪の花を咲かせ
真夏の太陽を待たずに萎れ始めた
虫食いの穴だらけの大きな葉には
小さな小さな{ルビ精霊蝗=ショウリョウバッタ}が二匹
同じ方を ....
逃げ出したくて
吐いた嘘を
骨は知らない
抗いたくて
千切った縁を
骨は知らない
痛んで
悦んで
肉がくたびれていくのを
誤魔化して
宥めすかして
心がたるんでい ....
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