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ネアンデルタール人は亡き人に花を抱かせ葬儀を行った
死んでも花に包まれ
あの世に幸あれと祈ったに違いない
生の世界と死後の世を観ていたのだろう
そこには既に信仰があったと思われる
人類学者の ....
月に一度の通院日
ドア通ドアで二時間弱
雑談だけの検診
渓流の話しを興味深く聞いてくれ
土用の丑の日に鰻重は食べたかと
あの店が美味いだの
やはりこの店が美味いなどと…
担当医は ....
午前三時に車出し
一番乗りで渓に着く
一投 二投 三投と
次から次へと
銀鱗は舞い躍る
真夏日の
渓は明るく煌いて
涼風は香り
熱くなった肌を冷ます
あまりにも静かな流れだった
釣り師から
坊主になって
しょげかえる
渓を夢みて酒をのむ
釣り人の竿には{ルビ鉤=はり}は付いていない
{ルビ水面=みなも}に糸を垂らし
静かに佇んでいる
一幅の絵のように
渓に溶け込んでいた
灼熱の
陽射しに晒す
我が肌は
焦げ茶に染まり
ひとり旅ゆく
ひとりゆく
そらの青さに
溶けてゆく
昨夜は午前2時に起き
奥深い渓へと向かった
午前5時頃に渓の入口に着き
身支度を整えて路の無い藪を掻き分け遡り
25cmのニジマスと20cmのヤマメを釣り上げ
今夜の夕餉はこれで良いと渓 ....
夜のスーパーは人影少なく
ゆったりと買い物ができる
入口を入ると野菜コーナーでアスパラとエリンギが眼に飛び込んだ
明日の朝はベーコンと一緒にバターソテーにしよう
このスーパーでは半額シール ....
甘いささやきが
ゆったりとこの身を襲う
抗っても
酒を飲んでも
憑りついて離さない
渓流竿は刀のように美しい
日本独自のもので
種類は今まで数百はある
明日は碧羅という強竿を携え
大物を狙いに行ってみる
熱いシャワーを浴びて
火照った気持ちと体を吹き飛ばした
気の置けない友と友との笑顔が嬉しい
年に二度の宴にジョークは飛び交い
無言の内に元気で居ろよと励ましあった
私は魚を釣ったらすぐにピックを使い脳天絞めをする
頭にピックを刺してゴリゴリと捻じるのだ
魚はポッカリと口を開き昇天する
少年の頃はフナの解剖やカエルの解剖をエスケープしていた
臆病な私は ....
酔い酔いて
独り旅ゆく
我が身かな
休日の昼下がり
虹鱒を追いかけていた
ザブン! と飛び込む親子
魚がいるぞ! 父親が叫ぶ
ぼくは仕方なく水と戯れた
人として生まれたのならば
死を迎えるまで
強靭かつ しなやかでいたい
この世をすべて理解しているわけではないのだから
真っ白なキャンバスのように謙虚でありたい
この歳になっても好奇心はい ....
午前3時に起床
アイス珈琲を2杯飲み
{ルビ微睡=まどろ}む{ルビ眼=まなこ}を排除した
速乾タイツ 速乾パンツ 速乾Tシャツを着込み
釣具・クーラーボックスを車に押し込んで
走ること2時間 ....
5時30分に起床
アイス珈琲を飲みながらグールドによるバッハのゴールドベルクを聴く
*
7時30分朝食を採る
納豆たまごかけごはん、残り物のチャーシュー、水茄子の ....
納豆たまごかけごはん
自家製チャーシュー
丸ごとトマト
きゅうりの浅漬け
チョコレートアイス
渓に静と動あり
静は岩
動は水
森はそよぎ
小鳥がさえずる
明日の天気は午後から大雨の予報
明後日は1日上天気だという
日曜日は釣り人が押し寄せて釣りにならない
渓谷の王や女王に臨むのは来週になる
ただぼくは仕掛けを作るのみ
....
これほど繊細で美しい釣り竿は無い
先端径は1mmを切っている
細くて見えない糸で
これで30cm以上の渓魚を釣るのだ
30本に上る竿たちは
袋に納めるとどれがどれだか解らなくなっている
仕 ....
文字通り{ルビ酒盗=しゅとう}というものは酒を盗む
土佐の山之内容堂公が名付けたといわれる
カツオのハラワタを塩辛にしたものだ
ちっとも生臭くなくて香ばしい
メーカーによってはとても塩辛くて食 ....
明日は梅雨の中休み
曇りのち晴れだという
渓谷の奥深く入り
源流の王イワナを狙う
バッハの無伴奏チェロを聴きながら
メーカー希望価格の最高級ラインが2,500円
大手釣具ショップで2,200円くらい
それがネットでは1,400円から3,400円で売っている
釣り針も大手釣具ショップで16個入りで200円くらい ....
{ルビ渓=たに}と渓が合流する遠い澱みには
銀鱗の女王が潜んでいると釣人たちはいう
普通のロッドと仕掛けでは逃してしまう
いよいよ本流竿の出番がやってきた
7mで250gの本流ロッドは軽くしな ....
月が欠けてゆく
今宵は更待月
琥珀の水を傾け
夜は更けゆく
明日を占う指先が震える
愛のためなら命を捧げよう
でも愛より大切なものがある
それは見えない我が魂
この身は仮の姿だから
いくらでもきみに捧げる
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