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鉛色の暗い雲の下
群青の波間に雪が降りしきる

船の舳先に立ちすくみ
雪が痩せた肩に降り積もる

寒さのためか
失われた者への手向けか
透明になってしまった愛のためか

青い涙がほ ....
笑いながら

泣きながら

ゆったりと話した時間

互いの未来図を広げ

幸せになることを誓った
妻が来院して誕生日を祝ってくれた
二人の共通の友人である江中さんと三人で
ぼくはイチゴのショートケーキ
江中さんは確かイチゴのタルトだったと思う
妻はチョコレートケーキ
草団子とクッキー
 ....
愛の欠片が粉になり
冷たい風に飛ばされ
寒空に消えてゆく

残ったものはセピア色の影となり
再び戻ることはない
{ルビ掠=かす}れたフィルムがカラカラ回り
観客はぼく独りだけだった
楽 ....
{ルビ繭玉=まゆだま}の中で柔らかな{ルビ生命=いのち}を見付けたよ
これでぼくは生きられる
北風の吹く枯れた野原も
雪の降る山でも大事に育ててゆこう
息を吹きかけるとホンワリ光り
手のひら ....
愛と{ルビ細=ささ}やかな経済力があれば
やって行けると思っていた

疲れたぼくは入院することになり
毎日を{ルビ繭=まゆ}の中に包まれ
平穏な時を過ごしている
知り合いもたくさん出来て寂 ....
今夜のメニューは
厚揚げの明太味噌焼き、つみれと大根煮、水菜のお浸し
ワカメご飯だった。

ぼくは何時も残してしまうが、食事管理の小枝さんは
「よく頑張ったね!」と褒めてくれる。
小枝さん ....
午前三時
茹で玉子の薄皮のような眠りは破られた
ゆうべ飲んだ珈琲が効き過ぎたのだろうか
迎え珈琲に冷えたTULLY'Sのブラックを飲み
ホールで覚醒を{ルビ促=うなが}した
煙草が ....
冷たい雨の中

{ルビ真紅=しんく}の椿が凛と咲き

冬ざれた街かどを{ルビ細=ささ}やかに飾る

一輪挿しにしたら

殺伐とした部屋も和むだろう
松本さんは珍来のチャーハンが食べたいという
それにビールが飲みたいと
毎食ペーストと栄養飲料
牛乳だけの食事を希望したのは彼の意志で
病院からの強制ではない
ぼくはレバニラが食べたくて
昼 ....
妻との決着は穏やかに着いた
様々な想い出が走馬灯のように通り過ぎてゆく
長いと言えば長く
短いと言えば短かった

二人は別々の路を選び
晩秋を待って別れることになった
互いに別々の白い路 ....
父はギャンブルと女に金を使い果たし

家に給料を入れることは殆どなかった

幾度となく踏切りの前で躊躇したことか

カンカン カンカン ゴォーッ ゴォー

母は嗚咽を押さえてぼくの手を ....
空がとても青いから

ぽろぽろ涙を流します

ハンカチを持っていないので

涙を拭うことはできません

地図を持っていないので

トコトコ家に帰ることも難しくて

夕陽が沈む頃 ....
愛ってなに…

恋愛。

慈愛。

無償の愛。

自己犠牲?

愛は己を捨てる事?

愛は我が身や心を蝕む。

それでも愛したい。

愛に埋もれたがる。

愛より深 ....
松本さんは重度の統合失調症で
時々大声で叫ぶ
その後にぼくとハグをして泣く
ぼくは背中を撫で、ポンポンポンと軽く叩く
ストレスで叫んでしまうと言う

お酒がないのでぶどうジュースで乾杯もす ....
あ 愛よりも深いものは何だろう、と君は言った
い 今飛び立とうとするのは
う 生まれてきた喜びを知るためだ
え 縁というものは愛より深いかも知れない
お 大空を目指して飛んでゆけ
か 彼方に ....
生まれいずる痛みから

素肌を晒して息を吸う

重いコートを脱ぎ捨て

まっさらな心と身体で

大空の彼方に浮揚する
ヤマメやイワナは今頃どうしているのかな
釣り人の居ない冷たい水の中
安寧に暮らしているのかな
冬は餌も少なくておなかがすいていないかな
無情な魚食者の言うことではないな
美しい魚体に見惚れ
 ....
青い涙を流した林が風にさらされ
色褪せた枯れ葉の残り火の
漂う煙りが眼に滲みる
他の誰かに抱かれるであろうきみを後にして
俺はコートの衿を立てて往く

冷たい風が頬を掠め
{ルビ掠=かす ....
人はみな線香花火のようですね 悲しいですね
苦しいですね
人は誰しもただ独り
後ろ姿を追いかけても
戻ることなどできなくて
ポツリと独り呟くことばかり

交差点ですれ違った人があの人に似ていて
ポロリと一粒涙を流し ....
朝 ミートボールコンソメ煮、キャベツとベーコン炒め
  鮭ふりかけ、サトイモ味噌汁、ヤクルト

昼 サバのゆず胡椒焼き、ポトフ、春菊とにんじん和え

夕 豆腐ハンバーグオクラなめ茸あんかけ、 ....
失くしたものは多かった

しかしながら得たものも多い

互いに自由の翼で羽ばたき

大空に舞い上がり

未来の空を飛んでゆけ
松本さんが転室してきた
彼は対人恐怖症と潔癖症で他人とは話せないのだ
今朝散歩に行きませんか? と誘ったら
ダウンジャケットを着込み
無言で頷きにっこり笑顔で眼を見開いた
病院近くの土手を歩 ....
悲しみ色の青空が視界を透明にする
失う物など何も無くて
白い路が真っ直ぐに延びている

風が吹き
雪が積もり
雨が降ろうとも
{ルビ止=とど}まらず
独り歩いてゆく

花を{ルビ愛 ....
空がとても悲しくて

白いベッドに横たわる

空がとても冷たくて

熱いココアをかき混ぜる

{ルビ暮色=ぼしょく}の寂しさ微かに{ルビ凍=し}みた
ベージュのカーテンで仕切られた三畳ほどの病室は
ゆったりと温かく眠りを{ルビ誘=いざな}う
母の胎内に浮かぶように

睡魔に襲われ入眠時間を間違えた
10時に薬を飲むはずが8時40分だったの ....
地下牢に閉じ込められて{ルビ幾年=いくとせ}か

サラリ サラサラ 銀の砂
凍えた肩に積もります

サラリ サラサラ 金の砂
閉ざした心を放ちます

いつの間にか手枷足枷は外れていまし ....
晴れ渡った冷たい青空のもと

中庭の木製ベンチに座り

板チョコアイスを噛っていた

銀杏の葉がつむじ風に舞いながら

ぼくを襲い

ペタペタと黄葉が身体に張り付いた

落ち葉 ....
美しい海を観たよ

寄せては返す波しぶき

{ルビ碧=あお}く{ルビ零=こぼ}れた涙色

{ルビ仄=ほの}かに白い月は頬笑み

もうお帰りと{ルビ諭=さと}された





 ....
田中宏輔さんのレタスさんおすすめリスト(452)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
海に降る雪- レタス自由詩5*25-1-13
五行歌_別離- レタス自由詩6*25-1-12
【病棟日誌】_誕生日- レタス自由詩4*25-1-11
追憶- レタス自由詩4*25-1-10
珠玉- レタス自由詩3*25-1-10
【病棟日誌】_徒然に- レタス自由詩4*25-1-9
【病棟日誌】_晩餐- レタス自由詩4*25-1-8
中途覚醒- レタス自由詩4*25-1-7
五行歌_花一輪- レタス自由詩5*25-1-6
【病棟日誌】_明日- レタス自由詩7*25-1-5
和解- レタス自由詩8*25-1-2
母が教えてくれた歌- レタス自由詩6*24-12-31
家路- レタス自由詩7*24-12-29
- レタス自由詩3*24-12-27
【病棟日誌】_友達- レタス自由詩5*24-12-26
君に贈る- レタス自由詩7*24-12-24
五行歌_新生- レタス自由詩4*24-12-22
【渓流】_禁漁期- レタス自由詩5*24-12-22
子守唄- レタス自由詩6*24-12-20
火花- レタス自由詩6*24-12-19
逆風- レタス自由詩5*24-12-18
【病棟日誌】_今日のメニュー- レタス自由詩7*24-12-17
五行歌_一首- レタス自由詩4*24-12-15
【病棟日誌】_散歩道- レタス自由詩7*24-12-14
旅人- レタス自由詩3*24-12-14
五行歌_冬空- レタス自由詩5*24-12-11
【病棟日誌】_蚕室- レタス自由詩5*24-12-9
旅路- レタス自由詩4*24-12-8
【病棟日誌】_黄葉- レタス自由詩3*24-12-8
五行歌_浜辺- レタス自由詩3*24-12-5

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