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南天に座したる青き狼の星よ
我に力を与え給へ

高鳴る心と引き換えに

天を動かす力を
海を裂く力を
大地を砕く力を

愛するものを守らんとする
命の鼓動と引き換えに
我に力を与 ....
恋は太く短く
愛は細く長い

恋は甘酸っぱいかい
愛は重く苦いかい
それを知りたくて
ぼくたちは生きてきた

わかりたくて
わからなくて
ふたり暮らしたね

何時の日かぼくが息 ....
公園の水面に睡蓮が咲いている
ウスバカゲロウがふわりふわりと飛んでいた

ときおり
魚がポチャリと水面を跳ねる

貴婦人が日傘をさして橋の上から
池の睡蓮を眺めていた

ぼくはベンチ ....
少年は命の秘密が知りたくて
東の岬にいる賢人を訪ねた

賢人は灯台のレンズを丁寧に磨いていた

あの… ぼくは命の秘密が知りたくて参りました

ほう 命の秘密とな…
この世のすべての現 ....
働いた手のひらをそっと見る

森を彷徨いうずくまる

{ルビ闇路=やみじ}の{ルビ褥=しとね}{ルビ花埋=はなうず}み
生まれてしまった歓びと
生まれてしまった悲しみに

風に吹かれて
杖を探りながら
琵琶を抱え
漂泊の旅は果てしない

春には花を愛でて歌い
夏には蝉しぐれを歌い
秋には舞散る葉を歌 ....
ぼくの瞳が濡れているのは
遠い空を眺めていたから
涙なんか流しはしない
大丈夫と言い聞かせ
春の{ルビ詩=うた}を歌おう
車を買うことになってディーラーに行った
担当者は車じゃなくて部屋の間取りを説明し始めた。
3LDKで賃料は15万
我が家は荷物が多いので3LDKでは狭いので
4LDKは無いかと聞いた
担当者 ....
どんなに遠く離れていても
心かよわせた日々は忘れない
きみだけを見ているから

大きな虹が蒼穹を渡り
ぼくを呼んでいる
あの虹の向こうへ行けば
きっときみに逢えるから

ぼくは走る! ....
誰もいなくなった公園で

夕映えに照らされ

空に浮かぶ

白木蓮

小鳥のように歌っているよ
首の無い男が梨を皮ごと食べていた
「坊… 食べるか?」と袋を差し出した
ぼくは怖くなって逃げだした
八百屋の留吉さんは首を掲げる写真を人に見せる
どうやら首の無い男は留吉さんに用があるようだっ ....
陽が昇り始めたら

おはよう。

月が頬笑んだら

おやすみ。

そんな言葉に優しく抱かれ


         ※


生きてこそ

苦しみはあり

歓びもある
 ....
南国の島で肌を焼いていた
二十歳くらいの娘がやってきて
島の事を話した
娘はジュゴンが美味しいという
ぼくは気分が悪くなり
話しを止めて清水医院に行った
ジュゴンを食べるという話しを聞いて ....
ぼくは赤ん坊だった
祖母が洗面器に湯を入れて
石鹸で泡をたてて剃刀で毛を剃られた
母と姉は心配そうに眺めていた
時計の針は午前10時だった

お肉屋さんで祖母と買い物に行った
おじさんは ....
ゴルゴダの丘に晒された御子は
悲母の腕に抱かれ
復活などは無いと知りながら
静かに我が子を抱き締め
ピエタは今も紅い涙を流す


         初出 日本WEB詩人会 2024/03 ....
軍人が来るというので
家財を全部庭に出さなければならなかった
皆家の道路に立って両手を挙げて来るのを待った
軍人は書記官を連れて家財を確認し書記官が帳簿に記した
そして父の毛糸の帽子をめくり何 ....
ぼくは女だった
夜に二人の侍女を従えて
杉の巨木が立ち並ぶ参道を歩いていた
崖に欄干がかかっていて
石窟が幾つも空いていた
ある石窟の前に来ると
礼拝をして中に入って行った
老人が一人
 ....
水晶にろ過された水ほど美味いものはない
ある天竺の行者が言った
彼は24日間水だけを飲んでいた

それを知るために20年の歳月を費やした
誰に指図をされた訳じゃない
ただ行者の言ったことを ....
隣の家の4歳年上のキーちゃんと
石神井公園にザリガニ釣りに行くことになって
乾物屋に餌のサキイカを買いに行った
サキイカの値札を見ると20,000円だった
ぼくたちは二人あわせて100円しかな ....
漆黒の夜は墨を流すよう
月を映す川面に
ひとひら ふたひら はらはらと
桜花びら舞い落ちて
ゆるり ゆらり {ルビ花筏=はないかだ}

きみの面ざしを垣間見て
もういいよと呟いた

 ....
父の会社に泥棒が入ったというので
夜中に起こされ父の背中におぶさった
東の空に紅くて大きな月が登っている
黒猫が急げ 急げ!とせかしていた
下り坂をどんどん歩いても月は紅いままだった
父の歩 ....
黒猫がにやぁとぼくを誘うので
ついて行くと其処は巨大な化学プラントだった
あちこちに蒸気が噴出している
あと五分しか時間がない
ぼくはバルブを閉めにかかった
黄色いヘルメットの男がバルブを開 ....
狂った磁石をバッグに詰めて
スニーカーの紐をキツく締めたなら
寂びれたこの街を出よう
何処に行くかは解らない
あの虹を求めて出かけよう
明日はきっと晴れるから
そこはぼくのParadise ....
風の吹く草原で空を飛ぶ練習をしていた
ホップ ステップ ジャンプ
何回も繰り返すと
徐々に身体が浮かんで
やがて風に乗って飛べるようになった
風は涼しく清らかで頬をなでていく
それを餃子屋 ....
はらはらと降る雪は
積る処がなくて
群青の波に消えてゆく
紡いだ言葉は幾重にも
続いているのに
赤は皆にとって
ぼくの赤と同じ赤なんだろうか

白は皆にとって
ぼくの白と同じ白なんだろうか

青は皆にとって
ぼくの青と同じ青なんだろうか

黄は皆にとって
ぼくの黄と同じ黄なん ....
うぉ~ん うぉ~ん と森が鳴る
樹齢300年のミズナラの大樹を倒すため
ぼくは特大のチェーンソーを抱え
森の奥を彷徨った

腹がへったので
紅鮭、イクラ、昆布のおにぎりと
ロースカツサン ....
深海の水底に眠る者たちよ
我らはいま至福の中で歌っている

君たちは永遠に若く
我らは次第に歳をとってゆく

君らが捧げた{ルビ生命=いのち}は
決して無駄ではなかった

傲慢な思想 ....
金と銀の龍は螺旋を描き
{ルビ蒼穹=そうきゅう}をかけ昇り
久遠の果てまで行ってしまった

アレクサンドリア図書館に
地球の円周を解き
数学者は美しい数式を描いた

ガンジスの行者は
 ....
朝霧のもやる中で
ぼくは尾瀬の夢をみた

ニッコウキスゲの咲く湿原に彷徨い
{ルビ詩=うた}を歌いながら
ぼくは大切な何かを忘れてしまい
グルグルと彷徨った

あれは何だろう
ルビー ....
田中宏輔さんのレタスさんおすすめリスト(406)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シリウス- レタス自由詩6*24-3-23
ある日の想い- レタス自由詩9*24-3-22
朝の夢- レタス自由詩6*24-3-21
命の行方- レタス自由詩5*24-3-19
破調- レタス俳句2*24-3-19
何処へ- レタス自由詩4*24-3-18
五行歌_春の歌- レタス自由詩4*24-3-18
夢十夜_⑩- レタス自由詩4*24-3-18
虹になりたい- レタス自由詩5*24-3-17
五行歌_鋼色の空に- レタス自由詩4*24-3-17
夢十夜_⑨- レタス自由詩4*24-3-17
五行歌_日常- レタス自由詩3*24-3-16
夢十夜_⑧- レタス自由詩2*24-3-16
夢十夜_⑦- レタス自由詩2*24-3-15
アヴェマリア/カッチーニ- レタス自由詩6*24-3-14
夢十夜_⑥- レタス自由詩4*24-3-14
夢十夜_⑤- レタス自由詩4*24-3-13
水守- レタス自由詩7*24-3-13
夢十夜_④- レタス自由詩3*24-3-12
旅路- レタス自由詩4*24-3-11
夢十夜_③- レタス自由詩4*24-3-11
夢十夜_②- レタス自由詩5*24-3-10
彼方へ- レタス自由詩4*24-3-9
夢十夜_①- レタス自由詩3*24-3-9
五行歌__海に降る雪- レタス自由詩3*24-3-8
- レタス自由詩2*24-3-8
森の夢- レタス自由詩5*24-3-7
弦楽のためのアダージョ- レタス自由詩8*24-3-6
夢の欠片- レタス自由詩7*24-3-6
朝霧の中で- レタス自由詩4*24-3-5

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