冬の光に抱かれて
こくり と 眠るように
夢の浅瀬を渡るように

用事はすっかり忘れ
身ひとつ
見知らぬ風景
懐かしい街を往くかのように

身を切る冷たさ
かじかむこころ魅かれるま ....
【悲しい酔っ払い】
呑んで呑みまくって酔っぱらう
ひどく酔っ払って空を飛ぶ
夜を食らってゆめうつつ
寂しいこと悲しいこと
寂しく悲しいけど全てを忘れて
明日はたぶんまっさらな気持ち
無垢 ....

私は人間ではない
生物でさえない
生きているのに


私は一本の直線だった
貴方のことを知りたくて三角形となった
私のことを知りたくて四角形になった
いくら角が増えても角(つの ....
「笹舟」

ほそくふるえる茎をくわえて吹いてみた
ちいさいころの夕焼けが鳴った
{ルビ百日紅=さるすべり}のあった空き地
少年探偵団のぼくが落とした時間
材木屋のある路地は行き止まり
ふ ....
あなたを見るために
光を媒体にした
あなたを聴くために
空気を媒体にした


媒体なしにあなたを知りたくて
肌と肌を重ねてみた
そうして慰めを得ながら
無限の孤独を思い知る


 ....
この前まで鉛筆をもっていたひとが
木の匣にはいる
燃やされてちいさくしろくなって
木箱にはいる
鉛筆で書いた文章が
もう そのひとだ
そのひとを見ると
鉛筆をもてない
あのひとのこ ....
夜 小鳥たちは哀しみの巣をつくる
発動機の音がちいさな心臓をふるわせ
人も鳥も水に逃げようとしている
死は同じひろがりで樹下闇を照らし
美しいものの名をわすれていく
冬 かじかんだ指先が ....
小さな風が 

若い稲穂たちの間を 

駆け巡った


あの日 

色をさらわれた景色が 

彩り囁いた


モルゲンロートより 

夕闇より美しく

さざ波立つ
 ....
青いってくちにして街は海になる花びら泳ぐ彼方の岸を


まぶた濡らす緑雨は君に降りやまず海の果てに飛ぶ鳥を探す日


永遠に待ちぼうけです目を閉じて探して君の赤い夕焼け


いくたび ....
 漂いの中に浮かぶ船はとても空虚だ。
 空虚は僕の心を浸潤する。
 広がり、閉じる。
 この情緒こそ難破船にはふさわしい。

 水面に移る悲しみを鳥たちが啄む。
 僕は自分が何か勘違い ....
「孤島」

樹や動物と共に棲み
助け合うことを知っている
ひとに蹂躙されない
蹂躙しない
等身大の月のひかりにただそよぎ
喜び 哀しみ 反射する
時に痛い波濤をかかえ
消滅を怖れない ....
息をしている
すべてのものたちが
息という名の
うたをうたう
うたという名の
命を

深く
息を吸いこみ
ふくらんだ分だけの
息を吐く
そのあと
わたしのうたは
誰かの肺の中 ....
 ピアノの音色が白く輝いている。
 僕はその中を歩いている。
 この先に何が待っているのか。
 初冬の風が厳しく吹いている。

 孤独とは。
 僕はピアノの音色に包まれている。
 ほ ....
いやになっちゃうであろうが
きらいになっちゃうであろうが
見映えも聞き映えもあまり良くない

ここは一応いやになっちゃうにさせてもらう

嫌になっちゃうと聞くのは嫌になっちゃうし
嫌にな ....
虚しさは
ろうそくの炎のように揺らめいて
正体を見失う
スマホをスクロールさせても、行き過ぎてしまって
たどり着きたい所にはいけない
私たちは正しく嘘を粉飾できないでいる

街灯ひとつで ....
ぼ~と日が暮れていく
西のお空を真っ赤に染め上げ
暮れて行く

澄んだお空に星が瞬き
東のお空にお月さまが昇る

恋しいよ
あったか団欒恋しいよ

烏もお宿に帰るころ
家路へ急ぐ ....
朝日さす
朝の部屋で
思った…


この時間は
あと少しで
終わってしまうと…




夕日さす
同じ部屋で
思った…



この時間は
いつまで続くのかと

 ....
オリオン輝く
冷たい空は


透明な
深い深い
闇の空



月の綺麗な
冷たい空は



キーンと澄んだ


緊張感に


もし
溢れる光が
なければ
 ....
詩作においては
私今とても
低迷しております
気取ってそう書いて
自問
低迷・・って わかる?
低く迷うって書くんだよ
たしかに
では
高くまっすぐ行きたいのか
青空を横切る
戦 ....
都会のイルミネーションがひとつ
消えたとしても誰も気付かない

明日の私はもうこの街を出て
大粒の星を眺める夜空に
傷付いた心を住まわせている

ほんの少しの間だったけれど
一緒に居る ....
愛されたいのではなく
あなたを愛したいのです
その違いをあなたは分りますか……?
あなたがとてもとても愛おしくて
わたしは、あなたをなにか温かなやわしいわたしの羽で
あなたを包み込んであなた ....
追われる、追われる、追われる、
ピストンのなかの液体のなかの私が、
押される、押される、押される、
外へと弾き出される。

なにも持たないはずなのに、
何かがいつもゆれている。
私には見 ....
乾いた太陽、冷え切った指先にほどけた毛糸を巻きつける
赤い手のひらは落ちていくのが早まったし、昼はとても短くなったね
深い夜は夢を見て、朝、現実に戻るまでの道のりはとても長い

桜の花びらのよ ....
 こういう真新しいチェーン店のカフェにはほとんど立ち寄らないのだが、入ったのには理由があった。
 ここには、今どきのカフェには珍しく喫煙室があるから煙草が吸える。
 慣れないカウンターでコーヒーを ....
花のなかの
蜘蛛の影を吸い
水の螺子を巻く指が
静かに空をまさぐっている


まだらな闇
居るはずのない家族との約束
ところどころ見えない階段
現われては消える粉 ....
 
昔、{ルビ通=かよ}っていた中学校の屋上に
天体観測の丸いドームがあった


天体望遠鏡を覗き込むと
こころの暗がりがみえた


こころはどの星だろうと
それから何十年も探 ....
どうか許してほしい
私には言葉しか
あなたに贈るものがない

言葉は無力だから
あなたにふるさとを返してやれない
金色の楽器も見つけてやれない

ただ伝えることができるだけ
「おはよ ....
暗示を拾いに
街に出る
見えない関係性を
確かめる

あらゆるものの
在りようは
偶然的必然か
必然的偶然か

不本意ながら
隠れた欲求は
すべてが繋がっているように
 ....
夕陽はきっと溶けるように
水平線に抱擁されて 海の底
人魚の里で明日を孕むのだと思う
そこでは どんな哲学をさかのぼっても
たどり着けないとわをしる風が
淡水の泉を可愛がっている
つぎつぎ ....
ことばを探していたわたしを探している
なんかほかにもっと探さなきゃいけねぇもんあるんじゃねえか?って思いながら、ことばを探すわたしを探す。
そこにはきっと、あかりがあった
わたしはひかりたい。ね ....
葉月 祐さんのおすすめリスト(175)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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棄てられたモノローグたち- 宣井龍人自由詩15*16-12-24
短詩2篇- 白島真自由詩24*16-12-22
黒点- ただのみ ...自由詩17*16-12-10
鉛筆- 白島真自由詩23*16-12-10
- 白島真自由詩14*16-12-4
青田風- 自由詩316-11-28
飛ぶ鳥を探す日- 石瀬琳々短歌14*16-11-21
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短詩4篇- 白島真自由詩22*16-11-18
星とうたう- そらの珊 ...自由詩26*16-11-16
- ヒヤシン ...自由詩9*16-11-16
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かたむいていく夜- 小林螢太自由詩9*16-11-13
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疑念- 薫子自由詩2*16-11-12
低迷- Lucy自由詩10*16-11-11
コスモタウン- ミナト ...自由詩316-11-11
ゆりかご- 水菜自由詩6*16-11-11
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落陽- 青の群れ自由詩416-11-9
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ことばあそび- やまうち ...自由詩5*16-11-7
生まれたての詩- シホ.N自由詩516-11-7
みどりごの海- もっぷ自由詩1216-11-7
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