すべてのおすすめ
【人間になれなかった】
人間になれなかった
野原をひたすらつんのめり
海原を懸命に切り裂いた
だが
人間になれなかった
人間はずっと向こうにある
どこを走ったのか
どこを泳いだのか
 ....
行き先のないお前の虚像
とどまることを知らない水
不器用に溢れるのを忘れて
拒絶された命の河に埋もれる

沈んだ肌を撫で
冷たい手を取り出す
無数のお前が揺らめき
苦しみと愛しさを唱う ....
父の背中
53年の背中
もう隙間がないくらい

父の背中
背番号53の背中
数字がぎっしり埋まっている

その背中を擦ると
数字がぎしぎし唸り出す

私が石鹸で流せる ....
君は笑っているのです
この世に何の跡形も無い
存在の事実さえ消え去ろうとしています

その君がここにいてくれる
きっと素晴らしいことに違いありません

君は笑っているのです
決して交わ ....
夜も更けて、マンションの落ち着いた寝室に、今日も暗闇が訪れた。
いつものように出窓のカーテンを閉めると、ベッドに安楽を求めていく。
私の意識は奥深く沈み込み、静寂が体を大きく包み込んだ。
何も感 ....
【悲しい酔っ払い】
呑んで呑みまくって酔っぱらう
ひどく酔っ払って空を飛ぶ
夜を食らってゆめうつつ
寂しいこと悲しいこと
寂しく悲しいけど全てを忘れて
明日はたぶんまっさらな気持ち
無垢 ....

私は人間ではない
生物でさえない
生きているのに


私は一本の直線だった
貴方のことを知りたくて三角形となった
私のことを知りたくて四角形になった
いくら角が増えても角(つの ....
いやになっちゃうであろうが
きらいになっちゃうであろうが
見映えも聞き映えもあまり良くない

ここは一応いやになっちゃうにさせてもらう

嫌になっちゃうと聞くのは嫌になっちゃうし
嫌にな ....
君は一杯着飾っていたね
着けるだけ飾るだけ幸せになれると

友達も言っていた

君には複雑な鮮やかな柄が似合う
肌着はもっと暖かい真っ赤が良いよ
もっともっと着飾った方が

君はいつ ....
【龍人】
滑らかに曲がって
緩やかに曲がって
何時までも曲がって
何処までも曲がって

掌の記憶の球体
見覚えのある顔
球体を眺める
目の奥が笑う

掌の人の形
見覚えのある顔 ....
葉月 祐さんの宣井龍人さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
青春の記憶(小詩集)- 宣井龍人自由詩13*17-5-4
命の河- 宣井龍人自由詩6*17-4-15
父の背中(挨拶付)- 宣井龍人自由詩9*17-3-19
君は笑っているのです- 宣井龍人自由詩14*17-2-17
私の中に住む女- 宣井龍人自由詩7*17-2-12
蟻が十- 宣井龍人自由詩7*17-1-3
棄てられたモノローグたち- 宣井龍人自由詩14*16-12-24
嫌になっちゃう- 宣井龍人自由詩6*16-11-14
幸せは物足りない- 宣井龍人自由詩16*15-5-6
龍人さんへの小詩集- 宣井龍人自由詩13*15-3-29

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する