二〇一七年十三月一日 「日付のないメモ」


 彼は作品のそこここに、過去の自分が遭遇した出来事や情景をはめ込んでいった。あたかもはじめからそれがそこにあって当然と思われるはめ絵のピースのように ....
スーパーから貰ってきた氷を入れた
砂糖入りのアイスコーヒーを飲みながら
これからの未来について思いを馳せる
日本の食料不足の問題が
深刻な状態にならないことを強く願いながら
食品の値段が上が ....
石地蔵と夏
ゆうだち

金木犀のこぼれる石畳
空に続いてゆく秋

ちゅーはい飲みながら豆を摘んでおもった
僕をつまんでくれたきみを摘んだ僕
自分を騙して生きている
かなり前から
何のために
毎日同じことを繰り返しているのか
分からなくなっている
結局のところ
生きるために生きているとしか
言いようがないことに気付く
確かに ....
二〇一七年十二月一日 「みかんの皮」


こんな時間にどうしたの
そう訊くと彼は
考え事をしていて出てきたんです
こんな時間まで起きて何を考えてたの
ってさらに訊くと彼は
数 ....
人生の走行距離はもう僅かかもしれないが
スーパーカブ程好きな乗り物は無いと思っている

角栄大臣の日本列島改造論で大陸との現実の橋ができていたら
スーパーカブに跨って日本のあるはずもない誇りな ....
秋は仏頂面のヒゲ男を察知してイヌやネコも傍らに近づいては来ない

積み石で寝仕度を整えているのは巣を閉じた青蛇の一団だろう

まあるくそれでいて刈り取られた雑草の刺々しさがのこる畦道
 ....
二〇一七年十一月一日 「年間アンケート」


 現代詩手帖の編集部に、年間アンケートの回答をいまメールに添付して送った。2016年の11月から2017年の10月までに読んだ詩集で感銘を受けた詩集 ....
詩人の肖像は
誰にもわからない

あるときは
長く執拗な夏
異教徒の祈り

暮色の岸辺の苫屋の
清貧という夕餉

園遊会での貴婦人の
緊密なコルセットの誘惑

屋根裏の経済 ....
二〇一七年十月一日 「蝶。」


それは偶然ではない。
偶然ならば
あらゆる偶然が
ぼくのなかにあるのだから。


二〇一七年十月二日 「「わたしの蝶。」と、きみは言う。」
 ....
もういいのです
きみは鼻血をださないように

恋も科学なのです
かったるいものもぶっ飛ばして
でも恋は愛よりもましかもしれません

たくさんの恋の集積と
未知の涙や動揺とともに
初め ....
二〇一七年九月一日 「陽の埋葬」


 文学極道の詩投稿掲示板に、作品「陽の埋葬」を投稿しました。よろしければ、ごらんください。


二〇一七年九月二日 「2010年11月19日のメモ 」 ....
閉塞してはいけない
開脚もしてはならない

同じ条件のなかでプログラムするならば
遁走する豚の尻を追わなければならない

複雑なきみはミニマムな自己を取得したかい
僕はきみをいつ ....
二〇一七年八月一日 「カサのなか」


いま、きみやから帰った。ラーメン食べて寝る。おやすみ。

 文学極道の詩投稿掲示板に、作品「カサのなか」を投稿しました。よろしければ、ごらんください。 ....
温度差は髙いほど燃ゆ秋の山 僕たちは妄想を充分に知ってしまった
僕たちは世界中の女性に憧れてしまった

僕たちは愛されない苦痛を知っている
僕たちは自分であることにときどき疲れてしまう

自分の番地を持たない君とは友 ....
二〇一七年七月一日 「双生児」


 いま日知庵から帰ってきた。きょうもヨッパである。寝るまえの読書は、ここ数日間、読みつづけている、クリストファー・プリーストの『双生児』である。いま、ちょ ....
哲学者と詩人と新宿のホームレス
もしも資質があればなんにでも

応用数学者と宇宙物理学者あるいは
ドビュッシーとツトム・ヤマシタ

こんな問題意識で生き伸びても
脳力もないのに戸惑うだけ ....
綺麗は穢い

穢いは綺麗

赤ちゃんのうんこ、
穢いけど綺麗

お尻を拭く、
ママの手も
穢いけど綺麗

お化粧したお姉さん、
とっても綺麗だけど

塵ひとつない
 ....
二〇一七年六月一日 「擬態」


 ジョー・ホールドマンの『さらば ふるさとの惑星』ちょっと読んだ。ちょっと読んでも、ヴォクトの2冊の本よりはよいことがわかる。ヴォクト、非Aシリーズが傑作だった ....
身体感覚に素直に従って生きてゆきたいのですね
回答の得られない食べきりサイズの人生でもそれでも

新たな無限のドアを自ら鎖してしまわないように
太陽が遍照する微妙なバランスの不自由にありがとう ....
二〇一七年五月一日 「もろもろのこと。」


 だいぶ本を処分したんだけど、またぼちぼち本を買い出したので、本棚にかざる本をクリアファイルで四角く囲んでカヴァーにして立ててかざれるようにしてるん ....
水源と柔らかなことばにめぐりあう
船の舵取りは水辺の花を想いながら

いくつになってもできないものはできない
今更のようにはぐらかして過ごそうか

永くゆっくりと関わってゆく事は大切だし
 ....
二〇一七年四月一日 「ある注」


 ディラン・トマスの268ページの全詩集のページ数に驚いている。こんなけしか書いてないんやと。散文はのぞいてね。こんなけなんや。ぼくはたくさん書いてるし、これ ....
生活に芯というものがあるとしたら
花を挿していなければいずれは緩んでくるものだ

日々の心のゆらぎは錆びた弦楽四重奏
山巓からの水脈が生をうるおしているのならば

堕落した駱駝は回文好きだ ....
二〇一七年三月一日 「ツイット・コラージュ詩」


 ブックオフで、ぼくの持っている状態よりよい状態のカヴァーで、フランク・ハーバートの『神皇帝』第一巻から第三巻までが、1冊108円で売っていた ....
無限につらなってゆく世界の果ての階段を
親しげな不条理とうでを組んできみがのぼってゆく

いつもおもうけれど
宇宙のなかの点にすぎないのに
点には面積がないのに
線にも幅がないのに
ぼく ....
いのちをつなぐものを希望と名づけよう
希望のべつの名を祈りと名づけよう

祈りは清流にすまう虫のごとくに
こころの闇に明滅し続けるのもの

祈りの幼虫が水中にカワニナをくらう
肉食の異形 ....
二〇一七年二月一日 「ゼンデキ」


 徹夜で、イーガンの『ゼンデギ』を読み終わった。うまいなあと思いつつ、もう少し短くしてよね、と思った。まだ眠れず。デューンの『砂漠の神皇帝』でも読もうかな。 ....
二〇一七年一月一日 「なんちゅうことやろ。」


きょうはコンビニで買ったものしか食べていない。


二〇一七年一月二日 「恩情」


 なにが世界を支配しているのだろう。お金だろう ....
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タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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善師アキの空- アラガイ ...自由詩15*21-9-27
詩の日めくり_二〇一七年十一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*21-9-27
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綺麗&穢い- atsuchan69自由詩3*21-8-25
詩の日めくり_二〇一七年六月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩11*21-8-23
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詩の日めくり_二〇一七年五月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩10*21-8-16
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詩の日めくり_二〇一七年四月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*21-8-9
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詩の日めくり_二〇一七年二月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*21-7-25
詩の日めくり_二〇一七年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩15*21-7-18

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