きらきらと
波に
浮かんでいる

パラソルは
遠浅に
沈められて
いく
ぬるくなった缶コーラ
汗をかいてギラギラ
照り返し
身をよじる

のように
探している
 ....
喉を枯らして 泣いた

あいつのことば……
むかしのことさ

喉を枯らして 泣いた

また、この夢か……
でも、いま僕は

「おはよう。」って
声をくれる君がいて

「… ....
日が陰っているあいだのほうが
花の色は鮮やか
じりじり直射されると
ハレーションを引き起こす

風のない
霧雨の朝
すこしの水分
少しの明かりを
ゆっくりと開き切る手前の時を
深呼 ....
あんたの口癖

どうせ敵わないなら
やらない。とか

どうせ叶わないから
成らない。とか

あんたの言い訳

やらない。成らない。
そんなんじゃない

どうせやれないし成 ....
うつらうつらする
この午後に
鳥は囀ずり
地は照り映え
私の憂鬱と倦怠は
一吹き風に溶けていく

)なんて優しい午後だろう
)遊ぶ子供の声が窓辺から
)うっとりゆっくり流れ込む
) ....
白色光は全ての色をもって君を訪ねる

君が嫌った色が君の色

それを個性と呼べば様々で

みんなそれぞれ素敵に思う

一方で

白はほとんど受け入れてくれず

黒はだいたい ....
私は終始
得体のしれない不安に付きまとわれていた
なんてね
そんな言葉をずっと文字してみたかった
まるで売れない純文学作家の小説のテーマみたいだな

学校とか職業とか
異性遍歴とか
過 ....
台風が上陸していた
一人住まいのアパートの部屋
ドアの外側に得体のしれない何者かが立っている
右手に凶器の斧を持っていた

ゴーゴーと激しい風が吹き荒れて
ザーザーと激しい雨が降り続いてい ....
季節はいつの間にか
窓の景色として生まれて来る

わたしは、
季節を食べることもできる

触れることもできるし
ときには、憎むことさえできるのに

馬車のように疾走る季節を 
掴ま ....
{引用=
イ短調ロンドの孤独に犬のやうにあくがれて
せつかく育てた{ルビ硝子=がらす}色の{ルビ菫=すみれ}を
ただなつかしく僕は喰ひ尽してしまつた。
失意のかたい陰影を
新緑のプロ ....
手のひらの小鳥が
命を使い果たしていくとき
呼んだら
返事をした

それは
声にならない声
音を失った声は
振動だけになって
手のひらをかすかに震わせた

あれはやっぱり声だった ....
雨の雫に濡れた畑の瑞々しさ
自然を開き破壊して得た日々の糧
だからこれほど輝いているのか

ぬかるんだ畑に足あとがみえる
だれの足あとかは知らないが
きっとだれかの足あとで

あなたも ....
つかまえた蛍を部屋中に飛ばした
蛍がふわふわと飛びまわり
妹とおいかけた
気がついたら朝だった

かたつむりがアジサイの葉をはっていた
ずーと見ていた
いつのまにか雨は上がった

か ....
どれだけ走ってみても
虹の先へ届くわけなかった廃ビルの街。

どんなにやさしい夕日がみえても
ひとつの行先もみつけられない。

虹が空から消えるまえに
懐かしい海と空の物語を ....
目が覚めて一番に 口にした言葉は
くちなし
薫り ゆたかな色彩の白
しずくを 湛えた光沢の葉

無垢を 口にするときの ふるえる くちびる
くちなし
きょういちにち なにを はなすことだ ....
{引用=*筆者より――ちやうどこの時期、十二年書けずにゐた詩作が復活して三ヵ月が経ち、十二年分のマグマの噴出が落ち着いたこともあり、いま読み返すと力が抜けてゐる感があつてそれが良い方にも悪い方にも出て .... 命の抜け殻の羽ばたく音が
息と手のひらのかがやきを見ている
朝が
径の上の夜を流す


頭の穴に降りそそぐ
夜の指の先端の星
まばゆく痛み
頬へあふれ こ ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 ....   
  
  
  タイムマシンに乗れたなら
  
  
  宇宙の誕生も、恐竜の時代も選ばない。
  
  
  タイムスリップの目盛りは、マイナス1日。
  
  
   ....
ある夜
死んでしまつた

畳の上に食べかけの芋がころがつてゐる

その横におれがころがつてゐる

目をとぢることも
ひらくこともできない

お迎へもこない

月の光 ....
聞き取りにくい小さな呟きだったが、それは明らかに残り少ないわたしの寿命を確信させるには充分な囁きだった。
娘の笑い声に眼を覚ました。今日という日が何年の何日なのか、わたしの記憶のなかでは平成の ....
{引用=春の宵

巨人の足あとに水が溜まつてゐる。

ここからは月が近いので自転車で行かう。}


{引用=(二〇一八年四月十八日)}



  昼下がり


どうにもな ....
さいごの さくらが さよふけて
まんげつ まんまん みちている
ほおづきのような ともしびを
つなげて うたを うたいましよう

去ってしまいそうな 桜のいろを
きえてしまいそうな かおり ....
  なつぐも
{引用=―エミリ・ディキンソン " AFTER a hundred years --"に基づく―}

ともだちがだれもいなくなったとき
わたしはその野原にいき ....
{引用=*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に書 .... 「家族は唐揚げ」
どこからともなく
湧いて出た
その一句
そのしゆんかんから
なにゆえか
俺の心を とらへて離さぬ

幾百万もの言葉があり
百の何乗だかの組合せがある中で
天使 ....
 花瓶の近くに置かれた姉の唇が燃えてゐる。

 うす紫色の炎が小さく上がつてゐて、読んでゐる文庫本に今にも火が移りさうだ。

 目を細めて見ると、表紙に「菜穂子」と書かれてゐた。
 ....
 低気圧が近付いてゐる午後。

 少年が鉛筆を削つてゐる。

 室内に、新しい芯の匂ひが満ちる。

 「隆、下りてらつしやい」

 と、羊羹を切り終へた母の声が階下から聞こ ....
{引用=(*筆者より――筆者が本フォーラムでの以前のアカウントで投稿した作品はかなりの数になるが、アカウントの抹消に伴ひそれら作品も消去された。細かく言ふと二〇一五年十二月から二〇一七年二月までの間に .... はるのいろが
のはらをそめて
きれいだね

ぼんやりかすんだくうきに
ひかりがきらきらちらばつて
きれいだね

ひとびとは みな
やはらかいいろの
そらをながめてゐる
 ....
stさんのおすすめリスト(742)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
過ぎて、夏- 秋葉竹自由詩1119-6-20
熱引いた朝、いってきます- 8月生ま ...自由詩3*19-6-20
マチルダ____(その2)- Lucy自由詩10*19-6-19
どうせ高音など出されない- 8月生ま ...自由詩7*19-6-18
優しい午後- ひだかた ...自由詩12*19-6-18
僕の着る服は君とは逆の色- 8月生ま ...自由詩3*19-6-15
得体のしれない不安と得体のしれてる不安が- こたきひ ...自由詩419-6-15
金縛り- こたきひ ...自由詩219-6-13
季節ノ詩- ハァモニ ...自由詩13*19-6-11
模倣- 石村自由詩21*19-6-11
梅雨空に- そらの珊 ...自由詩23*19-6-8
雨後に- 帆場蔵人自由詩1019-6-8
六月の頃- あおいみ ...自由詩9*19-6-4
街へ《改》- 秋葉竹自由詩619-6-3
きっと_はなせる- るるりら自由詩28*19-6-3
旧作アーカイブ5(二〇一六年四月)- 石村自由詩17*19-5-30
降り来る言葉_LXX- 木立 悟自由詩219-5-29
旧作アーカイブ4(二〇一六年三月)- 石村自由詩21*19-5-16
【_タイムマシン_】- 豊嶋祐匠自由詩2*19-5-6
永遠- 石村自由詩21*19-5-6
環天頂アークの下で- アラガイ ...自由詩12*19-4-30
春の宵_ほか二篇- 石村自由詩22*19-4-28
それとはなしに- るるりら自由詩8*19-4-20
なつぐも_他二篇――エミリ・ディキンソンの詩篇に基づく(再掲 ...- 石村自由詩18*19-4-19
旧作アーカイブ3(二〇一六年二月)- 石村自由詩15*19-4-13
家族は唐揚げ- 石村自由詩19*19-4-8
菜穂子- 石村自由詩19*19-4-3
室内- 石村自由詩21+*19-3-24
旧作アーカイブ2(二〇一六年一月)- 石村自由詩13*19-3-18
早春- 石村自由詩9*19-3-14

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