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バウンドするボールは幾何的
接地面で潰れ
弾む
空に舞う 砂埃と極小の数字
僕には見えた
僕には聴こえた
子供たちの笑い声は高らかに構造物へと響き
反響して消えていく
....
白いTシャツに焼けた素肌
まだまだただの女の子
背より大きな半切の半紙の端
ギリギリを指で摘み
ゆっくりゆっくり指ギリギリまで
半紙を墨汁のバケツに浸していく
破れないように気をつ ....
白黒の共産主義が
もろい壁のように崩れていくんだ
英字新聞の白黒の写真に
真っ赤なルージュを塗って
クレヨンみたいに踊り狂って
瓦礫の山を這うのは
蟻か人でなくてはならない
幼稚 ....
聞こえる呼吸音
まぐわう吐息
それとも
ウィルスに侵された死にかけの老人
中年
少年
妊婦
ダイブしろクレイジーに生きているんだから
切腹した三島 殺されたジョンレノン
ハックされる ....
時折
子供の頃
遊んだ
友人の家の匂いが脳をかすめる
絡めとられ
からめとられる
僕の過去
今
ちょっとだけ肺が痛い
祖母の嬉しそうな笑顔
友の楽しそうな笑い声
もう ....
木々の間
木漏れ日のスポットライト
侘びしく佇む牡鹿一頭
ニマリと笑ったような顔の『シシガミ』ではないけれど
彼もまた山の奥深く
帰路に着き
役目を果たすだろう
静寂から微動
....
水滴を垂らした
家族写真
父はぼやけ
姉はかすみ
弟はひきつる
母の顔とお腹を擦り穴を空ける
なんだろうコレ
なんでだろう
なんでなんだろう
私は私が憎いんだと思った
たっ ....
朝起きて
カーテンを開ければ
片目の右は色を失い
半分白黒
週刊少年ジャンプ55ページみたい
左から右
スズメバチが私の視界を横断する
鮮やかな黄色の体躯
右に移れば
腹の濃い黒と薄 ....
巨大な古木の湾曲は
幹から枝へねじれを伴い
陽光
葉から地へ
木漏れ日となる
朽ちようとも
折れ
枯れようとも
ねじれは残る
虫の子守り歌
ズズンと横倒れ
いびきをかく
....
まだ暑いね
自販機でジュース買おうよ
100円入れて
オレンジ、グレープどっちにする
コーラよりファンタだろ
「グレープ」
やっぱファンタはグレープだよな
はんぶんこだぞ
ずいぶん ....
青空に
雲だか僕だか
漂って
大きく息を吐いた
眩しくて
今度は急いで吸い込んだら
潮だか草の匂いが少しした
幸せだな
蝉が地中から羽化のため
適度な葉の裏を目指し
白からそれぞれへ色付きを待つ
果実でもないくせに
ジッと動かず
負けず殺されず
祈る機能は皆無でも
ああ、黄昏ている
ああ、黄昏ている ....
雪原にて
人でない精霊と大古から踊るように
愛でる男女のように熱く激しく絡みつく様
幼馴染みの友と時を忘れ駆けはしゃぐがごとく
二人で二人で
真っ白しかない場
白くて熱い息を漏らし
笑み ....